アホベの小説

続き：最高のオンナ

　最高のオンナがいるのである。

　名前は……、〝諏訪免〟。

　名字で〝諏訪免〟。

　名前は……、〝ハナコ〟。

　諏訪免ハナコが最高の外見のオンナだというのに気づいている生徒は少ないのである。

　最高のイケメンとされている生徒は諏訪免ハナコが最高の外見のオンナだというのに気づいているのである。

　諏訪免ハナコはＪカップであるが激着痩せの結果……、〝貧乳〟と思われているのである。

　諏訪免ハナコは〝某ビートルのリーダー〟のようなダテメガネの結果と大人しい結果イケイケ女子高生（一年生）に見えないと思われがちである。身長も百六十七センチメートルとやや大きいためなおさらのことである。

　諏訪免ハナコは確かに最高のオンナである。身長やほかにも云々って感じの事情はあるであろう、しかし諏訪免ハナコ狙いの男性は諏訪免ハナコの身長が良いと思っている、自分とちょうど良いと思っている。

『諏訪免ハナコ』……、この名前からして恋をしたという名簿チェックの教員もいたのである。

　諏訪免ハナコは超絶優秀、首席である。運動神経は良いか微妙でも健康である。

　諏訪免ハナコの三編ポニーテール黒髪に隠された事情がある。実は坊主である。元々長髪にはできていても高校生となってやめたのである。坊主であるのに女らしいっていうか女であるが。

　中学生の時まで、メガネをせず、毛も編まず胸まであった時、諏訪免ハナコはモテすぎているのである。

　イメージしてごらん。やや長い黒髪に、清楚、濃い顔のようでもくせはない、実際かわいい、絶世の美人とされても不思議ではない、芸能界にいないと思われても不思議ではない、人種は言いようのない顔立ち、長いスカート、首席、大人しい、理系でも文学少女、好きな作家は、ウィリアム・バロウズ、ディラン・トーマス、アレイスタ・クロウリー、アルチュウル・ランボオ、シャルル・ボオドレール、エドガア・ランポオ、オスカア・ワイルド等である。

　諏訪免ハナコは西暦一九九五年頃に生まれたのである。

　諏訪免ハナコにとって英語はもっとも勉強しない科目である。スペルまちがえはまああるのである。

　諏訪免ハナコが暴走族のオカシラに絡まれて以降、暴走族は最低と確信したと言っている。

　諏訪免ハナコが好きなお笑い芸人（トリオ）はニルヴァナである。アメリカ合衆国のお笑いトリオで、リーダーが自殺して解散した年に諏訪免ハナコが生まれたのである。諏訪免ハナコ自身が自身をニルヴァナのリーダーの生まれ変わりだと思っている。

　諏訪免ハナコが好きな男の子とは破滅型ロックン・ローラーである。

　モテまくりの中学時代まで、嫉妬も多いのである。男の子全員は諏訪免ハナコにベタぼれぞっこんＬＯＶＥなのである。教員も諏訪免ハナコの美貌と魅力には頭が上がらなかったのである。カス男は相手になるはずもないとヲタク文化センターを結成して〝諏訪免ハナコ二次元化〟を試みたのである、危ない意味でのである。

　諏訪免ハナコが作文に自分でかいた小説を載せたのである、タイトルは『ボーイ・トゥ・ラヴ』腐女子向けではないが、青春感もあふれるこのタイトルに惹かれないわけもないのであろうと思うものもいるのである。腐女子プライドがある、腐女子は誉れと俄に多いんでしょという感じのさめた視点も諏訪免ハナコの特徴である。

　実は、諏訪免ハナコ、ヲタク文化にも詳しかったのである。今でも詳しい、時代は変わっていないというものもあるからである。諏訪免ハナコの将来の夢は、西洋出身の一流メタラーとの結婚である。メタラーはヲタク文化を頼めば共有してたのしんでくれるという思想から、一流メタラーを相手に選んだというのもある。といっても今はどうでもいいようで、八坂家の自殺した少女の代理として、諏訪免ハナコをやめているのである、建前上であるが。