生期と死期

生きるってなんだ?

死ぬってなんだ?

そんな事ばかり、僕は。いつも死にたいなんて言う。

生きてる人が信用できない。

生きてるものが信用できない。

死のうと思って、海、山、と旅に出たが、途中で捕まって、結局部屋へ閉じこもる。

それなら、と。薬を試した。手頃な睡眠薬を一便一気に飲んだ。

まぁ、結局死ねなかったし、精神病院送り。

なんとなく、頭を整理させたくて、手紙を書く。どうせ書いたら捨てるけど。

本当に他愛のない話。

死のうと思って行った、海や山がとても綺麗だったとか。

睡眠薬一瓶飲むのは普通にきつかったとか。

そんな、辺鄙な感想みたいなものを、拙い文章で綴る。

そんな生活も飽きた頃、病院から抜け出した。

今なら死ねる気がするんだ。

人間はこの世界に魂を寄せて生きる。

人間はあの世界に魂を帰して死ぬ。

すべての原点は、"死"だから、死に憧れ、死を望み、死を怖がり、死を嫌う。生きたいって思う。

死ぬ時、死期が迫るその時、魂があの世界に帰りたんだ。

魂がこの世界に居たい限り、僕は心のどこかで、生きたいって思うし、死にたくない。って思うんだ。

だけど、たまに、死にたいなんて、魂がホームシックに陥る。僕はその回数が多かったんだ。

1日走って、崖を見つけた。崖を背にして、腕を広げる。そのまま倒れようとした時、

僕は"死にたくない!!"って誰にも聞こえない声を出した。

その場に倒れ込み、嗚咽を吐く。

僕はいつ死ねるんだ?

なんで、僕は生きてるんだ?

あぁ、こんな意味ない人生……

必要か?

ドンッ

意識が遠のいていく。

あぁ今が死期か……



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生は寄なり死は帰なり

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