真実と手紙

改めて、こう手紙を書くのはちょっとばかし恥ずかしい気がするな。

なんて思いながら、私は筆を取る。

「でも、ちょっと手紙として残したい気分なので……」

と、ポツリと呟き書き始める。


■■■■へ

あなたと初めて会ったのは、確かこの場所だったはず。

あなたはいつも明るくて。なんていうか、私の太陽みたいな。そんな存在だった。

私はさ、あなたに会う前から、いつも強がって、嘘ばっかりついてさ。

そんな中、あなたに会った。あなたの真っ直ぐな瞳、純粋な心、そんなのを見るたびに、自分が嫌になる。

懐かしいな、松葉杖を突いて、ニコニコしてた顔。

まぁ、そんなのも、いつか終わるんだ。

この世はさ、嘘で回ってるんだ。だけど、死は事実なんだよ。

どれだけ、生きてると信じていても、死んだ人は生き返らない。

だから、この手紙を最後まで読んだなら。

私と一緒にその手紙を焼いてほしいな。だって、何回も読まれたりしたら恥ずかしいし。

事実は受け入れて、いつになっても良いから、立ち上がってほしいな。


さようなら。



------------------------------------------------------------------------------------------------

死ぬるばかりは真

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る