第5話 ダーリンの希望ねぇ

《そう、ラブリならママを治せるわ》


「え、本当に」


《ええ、だけどママを治したら。

 もうラブリは地球ここに居ることは出来ないの》


「なに」



《ラブリは、地球ここを立ち去って、ダーリンの元から姿を消さなければならないの》


「そ、そんな」

《どうします。ダーリン》



「ど、どうしますッて、どうすれば良いんだよ。なんなんだ。その二者択一は……。

 どっちかにしないといけないのか」



 僕は集中治療室で意識不明の母親を見た。



 人工呼吸器をつけていて、見るからに痛々しい姿だ。




「ううゥ 😔💦💦」どうする。


 どうしたら良いんだ。

 母親を助ければ、ラブリとは二度と会えないなんて。




《ダーリン…… 早くしてェ。

 ママが亡くなれば生き返らせる事は不可能なの》



「え、ああ、わかった。結論が出たよ」

 


《どっちにするの》 



「母を助けてくれ」

《そう、それがダーリンの答えね》




「ああ、正解か。どうかは解らない。

 だけど……

 生きてさえいればラブリとは、またいつか何処どこかで会えるかも知れない……

 けど、お母さんは死んだら……

 もう二度と会えない」



《わかったわ。それがダーリンの希望ねぇ》

 ラブリは静かに頷いた。





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