有神論者と無神論者

「神様なんて、絶対にいないね」

 ある休日。二人の若者の会話は自然とそんな話題になった。

「僕はいると思うけどな」

「いるわけないじゃないか。天国があって、神様がいる。そんな非科学的なこと、どうして信じられるんだい」

「この世界の始まりを、科学で説明できるかい。絶対できないだろ」

「そんなの、思考を放棄しているだけだ」

 二人のやり取りは次第に熱を帯びていく……。


 空の上から、神がこの二人のやり取りを聞いていた。ふと呟く。

「なぜ、科学者でもない彼が、科学をあれほど信じるのだろう。なぜ、まともに宗教に向き合っていない彼が、神をあれほど信じるのだろう。不思議なことだ」

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