素晴らしい薬
ある日の夜。都会の一等地にある立派なパーティー会場には、素晴らしい薬の完成を祝うために、たくさんの人でにぎわっていた。
「すごい発明をしたな」
素晴らしい薬を作った男は、古くからの友人に肩を叩かれ、そう言われた。
「自分でも驚いているよ。俺が作った薬のおかげで、飢餓に苦しむ人、それ以外の人にも感謝される。作ってよかったなって、心から思うよ」
「そうだろうな。俺も飲んだよ。すごいもんだな。常に、なんとも形容できない腹の具合になるんだ。それで、それ以降は食べ物を一切食べなくても死なないし、かといって食べ物を好きなだけ食べることもできる。一体どうなってるんだ。教えてくれよ」
「それは秘密なんだ。まあ、すごい努力の末生まれたものだ。自分で自分を褒めたいよ」
「そうか。よく頑張ったな」
友人は一口ワインを飲んだ。そして、なんとなく聞いた。
「で、自分で飲んでみてどうだった」
男は気まずそうにゴホンと咳をし、言った。
「いや、気味が悪くて、俺は飲んでないんだ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます