第3話
やっとの思いで家にたどり着いて、僕は明るい光の中で、あらためてその人形をみなおしました。やはり最初に思ったとおり、それはとても良いものでした。だいぶくたびれてはいますが、ていねいによごれを落として、ちょっと修理をしてやれば、まだまだ使えそうでした。ただ、野良犬にでもいたずらされたのでしょうか、胸のあたりが大きく引き裂かれていました。なんとか縫い合わせてやれないものかと、その傷口をちょっと開いてみると、そこには小さな赤いハートが、それも痛々しく引き裂かれたハートが入っていました。
僕は思わずため息をつきました。
「そうか、君も僕と同じなんだね。」
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