1話 異世界と冒険者は切っても切れん!


※注意:TRPGに関する説明が出てきますが、作中でも言ってる通り、作者も実況動画を見て、ちょっと調べるくらいのガバガバ知識+オリジナル設定なので、もし間違った知識があっても温かい目で見守りください。(できればコメントほしいですw)


――――――――――――――――――――――――――――――――――――




 とはいえ、冒険者が一般人と戦うなど言語道断……まずは登録してから決闘を行うそうだ。

 受付嬢さんから書類をもらい、説明を受ける。


「では、まず、この書類を書いてください……読み書きの代理は必要ですか?」


「いや、大丈夫だ」


 そう言って、書類を書き始める。内容はステータスに書かれている個人情報に出身を書くようだ(もちろんMPやSTRなど以外だけど)。ただ、絶対に本当のことを書かなければならないわけではなく、必須項目だけを書く人がほとんどだそうだ。

 どっちにしろ俺が書けるのは名前、種族、年齢、性別くらいか……出身は異世界なので下手に言うと勇者と勘違いされる。まあ、間違ってないけど……


 そんな風にいろいろ調節して書類を書いて渡した。その書類を持って受付嬢さんが奥の扉に入り、数分後、一枚のカードと針を一本持って出てきた。

 そのカードに血を一滴垂らしてくださいと言われたので、特に躊躇せず針を刺してカードにつけた。すると、受付嬢さんは冒険者の身分を保証するものなのですが、加工に一日かかりますので発行は明日以降になりますと言われた。

 そのあと受付嬢さんがギルドとランクの説明をしてくれた。


 ギルドは主に三つの分野に分かれている。冒険者ギルドと生産ギルドと商業ギルドだ。この三つは職業とスキルにあった仕事を斡旋してくれる地球で言うタ〇ン〇ークみたいな存在のようだ。ちなみに俺は一応、戦闘系の職業なので冒険者ギルドに来たのは正解だったわけだ。

 そして、ランクとはFから始まりSまであり、ランクは依頼遂行の数や実績によってあげられる。ランクが上がればより報酬が高い依頼が受けられるが、難しい依頼になる。あと、Cランク以上は指名依頼という強制的に参加させられる厄介なものもあるのでランクが高ければいいというものでもないと俺は思う。


 そんな感じの説明を受け、冒険者登録は終わった。

 その直後、後ろから大きな声でしゃべりかけてくる。さっき、からんできた冒険者だ。


「おいっ、もう登録は終わったんだろぉ、さっさと修練場に行くぞぉっ!」


 受付嬢さんに確認のアイコンタクトをし、それに、やれやれといった感じで首を縦に振った。

 俺はズカズカと歩いて行ったバカの後ろをついて行った。


 修練場はそこそこ遠いのでその間にステータス画面を確認する。実は俺のステータスは『名状しがたい混沌《カオス》』を手に入れてから変わっていた。スキルは技能や持ち物という欄が増え、能力値もいくつか増えて、最後にポイントとそれが使えるであろう技能一覧がある。なによりステータスの見た目がガラッと変わっていた。

 俺は王城でステータスを確認した時に見たが、……よく見たらこれTRPGの……しかも、クトゥルフ神話系のキャラシっぽいんだよな。

 いや、っぽいというかまんまキャラシだな……技能も剣術や日本刀やMA(マーシャルアーツ)やこぶし、キックなど技能欄にいろいろあった。ただ、技能一覧には神界で一度だけしか試したことがないものもあるみたいだ。城では最初何を言ってるかわからなかったが、すぐにゲームのログみたいなものが出てきて

 それと技能欄以外ににTRPGでは見たことないものがいくつかあった。「ダイスロール」、「シナリオマップ」、「PC管理」、「PL会議」、「KP権限」、「ロールプレイ」と載ってる部分があった。たぶん、『名状しがたい混沌』の一部……なのか?


 とりあえず初期ポイントがちょうど100兆もあった。とりあえず、現状使える技能全部に100ずつ振って習得した。これで戦闘時にどんな風になるか実験してみるか……

 こんなにポイントが多いのはたぶん、神界で修行してたからかな?

 ……一応、ステータスにも振っておこうっと。すべての能力値を上げられるところまで上げた。すると、表示が18になった。確か前に実況動画を見たときに言ってたが、人間のステータス最大値でも18以上になる事もあると言っていたはず……なら、もしかしたらレベルを上げれば上限を上げられるかも?ただ、TRPGのステータスは見た目に反映されるが、俺の体はそのままだ。この世界のステータスに寄ってる可能性はある。……他人のステータス見てないから比較できん。まあ、TRPGでは強いステータスにはなった。


 しかし、技能についている数字はなんなんだ?

 TRPGと同じならこの数字は成功率のはず……だが、ここはゲームではなく現実だ。……ならレベルか?しかし、それだとクトゥルフ神話TRPGのステータスっぽいのはなんでだ?

 まあ、俺自身がTRPGをやってたわけじゃなく、実況者の動画をよく見てただけだからあまり詳しくはないけど……

 ちなみに普通のスキルレベルは10がMAXだ。


 ……今は時間がないのでこれ以上考えるのはやめとくか。着いた場所は学校の運動場レベルで広い修練場。

 俺と俺にからんできた冒険者が修練場の真ん中あたりに向かい合って立った。

 さっきから相手が敵意むき出しでこっちを見ていた。そろそろ血管切れそうだし、早く始めたほうがよさそうだ。

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る