case1-2 同僚・鎌田朱音



ピンポ~ン♪


次の朝、俺は家のチャイムが鳴る音で目を覚ました。

時計を見てみるといつも起きる時間より1時間も早くて、こんな時間に誰だよと思いっきり文句を言いながらドアから外を覗いてみた。



「おはようございます!」



まだドアも開けてないのに、外に立っていた相沢は俺が外をのぞくとほぼ同時に大声で挨拶をした。その声があまりにも大きかったから、近所から苦情が来そうだと思った俺は、慌てて玄関の扉を開けた。



「なんだよお前。」

「佐々木様の気がすっかり抜けているようですので、

少し喝を入れようかと。」



眠い目をこすりながらとりあえず相沢を家に入れて、今度はお茶も出すことなくいつもの場所に座らせた。

気が抜けてるって、まだプログラムが始まって数日だろと思って相沢をにらんだけど、相変わらずこの女はニコニコと笑っていた。



「積極的に動かないと!

もたもたしてたら香澄さん、

誰かに奪われてしまいますよ。」



確かにあんな女神なら、今すぐにでも誰かに奪われても仕方ない。

これから香澄さんにたどり着くまで4人も攻略しなくてはいけないと思うと先が思いやられて、俺は頭を抱えた。



「チャンスはたくさんあります!

しっかりした女性にも"隙"はありますから、

しっかり見極めてくださいね。」

「と、言われましても…。」


それが出来ていたら、俺も中途半端な状態で生きてないです。

そう思って今度は情けない顔で相沢を見ると、ニコニコ顔を一瞬であきれ顔に変えてため息をついた。


「特別ですよ。

ヒントは"変化"です。」

「変化?」

「はい。

女性の隙は変化に隠れていることが多いです。

例えば髪型の変化に気が付かないと

怒られるってよくある話ですよね。

そういう原理です。」

「なるほど。」



正直まだこいつのことを信じ切れていない俺だけど、こいつの言う事には妙な説得力があった。確かに昔、髪を切ったことを気が付かなかったら元カノにめちゃくちゃ怒られたことあったっけ。

隙をつけば懐に入りこめるってのは理解できたけど、下手したら逆方向にもいきかねないんだなってことも分かって少しゾッとした。



「毎日顔を合わせてますから、

小さな変化には気が付きにくい

ってのもわかりますが、

観察していれば気が付きます。」

「はあ…。」

「じゃあ出勤の時間もあると思いますので、

私はこの辺で。」



そう言って相沢は、またあっさり帰って行った。

朝からなんなんだよ。変化って…。


毎日朱音のことを観察していたわけではないから、今までは変化なんて感じたことがない。でもそれじゃ相沢の言う通り香澄さんが他の奴に奪われるまで、多分俺は一人だって攻略できないことになると気を引き締めて、会社へと向かった。




相沢に1時間も早く起こされたってのもあって、俺はまたいつもより早く会社に着いた。その時間で仕事をしながら、一つでもなにか変化を見つけてやると心の中で強く誓った。



「おはよ~。

今日も早いね。」



しばらくすると、いつも通りの朱音が出社してきた。

そう、の。


「お、おはよ。」


俺は昨日と同じようにぎこちない挨拶をしながら、頭の先からつま先までじっくりと朱音を観察してみた。でもどう見ても俺にはいつも通りにしか見えなかった。



「え、なに?

ジロジロと。」

「なんでも、ないっす。」



やっぱり香澄さんとどうにかなるなんて、無理なんだろうか。


難易度が低いと言われた一人目で、しかも変化を見つけるってだけの簡単なところでつまずいて、幸先悪いなと自分で自分の中途半端を恨んだ。


「ね、今日午前中私アポあるんだけど、

侑は?

一旦会社かえる余裕なさそうなんだよね。」

「あ、俺も。

じゃあどっかで合流しようか。」


今日も午後から一緒に進めている案件のことで、お客さんを1件回ることになっている。でも午前はお互い別のアポが入っているという事だったから、午後から行く場所の最寄り駅で集合する約束をして、俺たちはそれぞれの仕事を始めた。




「お待たせ。」



アポイントが意外と長引いて急いで集合場所に行くと、朱音が指定の場所でスマホを触りながら待っていた。急に話しかけたから一瞬驚いたみたいだったけど、朱音は俺の顔を見て「お腹すかない?」と言った。



「まだちょっと時間あるし、

飯食うか。」

「いこ、なんか食べないと頭働かない。」



朱音は近くにおすすめがあると言って、駅の小道に入った。するとそこには時代に取り残されたみたいな古風な定食屋さんがあって、朱音はためらうこともなくその店に入っていった。


「パスタとかピザとか

そういう店行くのかと思った。」

「そっちのがよかった?」

「ううん、こっちがいい。」



「だよね」と軽く言って、朱音はメニューを見始めた。店の中も外観と同じく古くて年季を感じたけど、見た目と同じく値段も時代に取り残されたみたいに安くて、俺は一瞬目を疑った。


しばらく迷った末、俺は生姜焼き定食を、朱音は唐揚げ定食を頼んで、その到着を待った。



「どうやって見つけんの?

こんな店。」

「前、部長が連れてきてくれて。」

「なるほどな。」



この駅周辺にはお客さんの会社がたくさんあるから、部長ならよく知ってて当然だと思う。いつも外回りをしていると節約のためにもチェーン店で安い牛丼を食べることが多いけど、たまには近くを散策して店を開拓してみるのもよさそうだなと思った。



「お待たせしました~。」



全然待っていないって思うくらい早く、おばさんが定食を持ってやってきた。生姜焼き定食は生姜焼きとサラダ、みそ汁とご飯がついて700円と破格なのに、量がおもったよりもしっかりあって驚いた。


俺はしっかり両手を合わせて「いただきます」と言って、その定食に手を付けた。


「うっま。」


見た目からして長年営業しているだろうこの店の生姜焼きの味は、レシピを教えてほしいと思うほどに美味しかった。


「でしょ?」


まるで自分が作ったみたいに、朱音が言った。

朱音はとてもおいしそうに、そしてとてもきれいに唐揚げを頬張って、気持ちよくこんもり盛られた唐揚げを平らげた。



「あ~お腹いっぱい。

眠くなっちゃいそう。」

「だな。気を付けよ。」


そんなにたくさん時間もなかったから、俺たちは少し急ぎ気味でご飯を平らげた。もちろんその間も相沢の言葉を忘れずに朱音の観察をしてみたけど、やっぱり変化なんて一つも見つからなかった。



「行こ!」

「はい。」




ごめん相沢、俺、無理かもしれない。



テキパキ歩きながら仕事の話をする朱音とは反対に、俺は心の中で弱気なことを考えた。




「それでは失礼します。」



変化は見つけられない俺だけど、仕事の方はしっかり順調にいった。そのまま会社に直帰した俺たちは部長に今日の報告を軽くして、たまっているデスクワークをすすめた。



「ごめん、先帰らせてもらうね。」

「お、部長。

今日は記念日か何かですか。」

「そうそう。

娘の誕生日なんだよ。」



終業時間が来てしばらくたって、部長が申し訳なさそうに言った。

部長は愛妻家としても知られていて、こうやってたまに早く帰る日は家族との予定がある日だって決まってる。


塩谷さんの直球の質問に少し照れながら帰る部長を見送って、昨日早く帰った分の仕事をしていくことにした。



「お前ら、ほどほどにして帰れよ~。」

「はい、お疲れ様でした。」


それからしばらくして、塩谷さんも帰って行った。その後続くようにして続々とみんなが帰って、気が付けばオフィスには俺と朱音だけが残された。



「さ、私も帰ろうかな。」



伸びをしながら、朱音は言った。

そのセリフを聞いて時間をみると、思ったよりも遅くなっていたから、俺もキリを付けて帰ることにした。



「じゃ、お疲れ。」

「おう。」



俺より先に帰宅の準備を進めていた朱音が、席を立って出口の方に向かっていった。



完璧に同僚って関係なのに、どうやったら"キスしてほしい"と言わせるところまで持っていけるのか…。



去っていく朱音の後姿を見ながら昨日から全く成長しない反省をしていると、なんだかその後ろ姿に違和感を覚え始めた。



あれ…?


「朱音?」

「ん?」



その違和感が何かに気が付く前に、俺は朱音を呼び止めた。

呼ばれたから当然朱音は立ち止まってこちらの方を見た。それでも俺が何も発することなくジロジロと見ているもんだから、不思議そうに「なに?」と言った。



髪型も化粧も、いつもと変わらない。

いや、変わってんのか?

それすらも分からない。

でも…



「お前、さ。」

「うん。」

「昨日もその服着てなかった?」



同じ過ぎる気がする。

よく覚えてないけど思い返せば昨日の飲み会と同じ服を着ている気がして、まだ心の中では疑惑程度でしかないのに、俺の口は勝手に朱音にそう質問していた。



「は?違うけど。

同じような服ばっか着てるから

見間違いじゃない?」



確かに朱音はいつも、ブラウスにスカートみたいな服を着ているし、色も白とか黒とかグレーとかそういうのが多いから、同じだと思っても仕方ないかもしれない。

変化を探しすぎて、目がおかしくなってしまったんだろうか。


「ってゆうかそれ、

セクハラだし。」

「あ、すまん。」


少し不満げな顔をしつつも、「じゃあね」と言って颯爽と朱音は去って行った。

もうこうなってきたら何も分からない。一人になったオフィスでため息をつきながら、俺も帰る準備を始めた。






仕事も忙しくて余裕もないのに、俺は"変化"ってのを探すのにも必死になっていた。

変化を見つけるためにはよく観察しなくてはいけないと思って、それから毎日少しだけ早く出社することに決めた。



「おはよ。」

「はよ。」



でも残念なことに、1週間たっても俺はその変化とやらに気が付けなかった。



プログラムに選んでもらって申し訳ないけど、やっぱり俺は無理なのかもしれない。出社した朱音の顔を見ても服を見ても何も気が付けなかったから、半分あきらめモードで朱音に挨拶をした。



「お前、なんか荷物多いな。」



その日、朱音は普段持っているカバンと一緒に袋を一つ持っていた。朱音の変化でもなんでもないけど、観察し過ぎて気が付いてしまった俺は、特に考えることもなくそう口にした。


「あ、うん。

ちょっとね。」


どうしてか朱音はその理由をはっきりとは言わなかった。でもそれ以上聞く話でもないと思ったから、俺も気にすることなくパソコンの方を見た。



「おはよ~。」



それからすぐに部長が出社したから、挨拶をして今度は仕事モードに切り替えた。

忙しいのも、もうそろそろ終わりだ。小さく「よし」と気合を入れた俺は、今日アポイントを取っているお客さんと話す内容の復習をした。



「ちょっと資料室行ってきます。」

「は~い。」



しばらくデスクワークをしていると、後ろに座っていた朱音が席を立って地下の資料室へ向かった。

コーヒーブレイクでもするかと俺も席を立ちあがると、朱音のブラウスにタグがすけているのがみえた。



あいつ、まじかよ。



しっかりしているのに、そういうところ抜けてんのな。

俺は一人でおかしくなりながらも、ここで言ったら恥ずかしいかなという気は一応使って、はさみを持って朱音を追った。



「朱音、ちょっと。」

「え?」


はさみを持ったまま、誰もいない会議室に朱音を連れ出した。

はたから見たら完全に危ないやつじゃないか。朱音も多分そう思っているからすごく嫌そうな顔をして、「え、なに?」と言った。


「タグ、ついてんぞ。」

「え、まじ?!?」


一気に顔を赤くした朱音は、背中のタグを手で何とか引き出した。そして俺が手渡したはさみでそれを切ろうとしたけど、見ているとなんだかあぶなっかしかった。



「きろ、っか?」

「うん、お願い。」



朱音はブラウスの首のところから取り出したタグとはさみを俺に渡して、ポニーテールにしている髪を持ち上げた。5年も一緒に働いているけど、こいつのうなじをこんなに近くで見るのは初めてだ。


しばらく女の裸なんて拝んでいないせいか童貞みたいにドキドキしながら、差し出されたタグを切った。




「ありがと、まじではずい。」

「お前もそういうところあんのな。」

「まあね。」



照れている朱音は、本当にかわいかった。

香澄さんごめんって心の中では思いつつ、シチュエーションにドキドキしてしまっている自分がいることを、俺はしっかりと自覚していた。



「ごめん。タグもらうよ。」

「捨てるの?」

「うん。」

「なら俺捨てとくよ。

資料室行くんだろ?」



俺にもこんな気が使えたんだなと思いつつ言うと、朱音は素直に「ありがとう」と言って資料室に向かっていった。俺はタグがなくなったその背中を見送って、自分の席に戻ることにした。



席について、朱音のタグをゴミ箱に捨てるためにかがんだ。すると朱音の席に置いてある、朝持っていた大きな袋が目に入った。



あ、同じブランド。



あのブランド好きなんだろうな~。

ちゃんと観察してなきゃ、こんなことにも気が付かなかったかも。


肝心な"変化"とやらにはまったく気が付く気配がなかったけど、そういう細かいことが分かるようになっただけ、俺もちょっとは進歩しているのかもしれないと思った。



とはいえ、相沢の言う通りの変化を見つけられたわけでもない。

もはや間違い探しみたいな感覚で毎日の観察を楽しんですらいる俺は、もしかしたら結構肝が据わったやつなのかもしれない。


今度はどんな変化が見つかるかな~なんて思いつつ、さっきまでしていた仕事にまた手を付けた。



「みんな週末なんだから、

いいところで帰れよ~。」

「は~い。」



終業時間がすぎてからもしばらく仕事をしている俺たちに、部長はそう言って帰って行った。部長は無駄な残業はしないっていうスタンスで、俺たちにもそうさせるためにしっかりと残業代を出してくれる。

俺たちもそんな部長に迷惑をかけるわけにはいかないと、あまり残業をしないことにしている。



「じゃ、私も帰ります。」

「は~い、お疲れ。」



部長が帰ってしばらくして、朱音が一番に席を立った。俺もそれを見て早く帰らなければと思い立って、ササッと荷物をまとめた。



今日は特に誰かと飲みに行く予定もなかったから、まっすぐ家に帰るつもりだった。予定がないってのも悲しい気がしたけど、太一がまだ忙しそうにしているから仕方ない。


帰りにビールでも買ってそのまま直帰しようかと思ったけど、時間があるから新しいお店の売り場にどんな商品が並んでいるのか確認しに行こうかなという考えが、頭に浮かび始めた。終業後にも仕事のことを考えているなんて、多分俺って結構仕事が好きなんだと思う。


「お疲れ様で~す。」

「お疲れ~。」



毎日文句を言いながらも自分がしっかりと社会人になってしまっていることを少しむなしくおもいつつ、まだ残っている何人かの先輩にあいさつをして会社を後にした。


そのお店は、会社の最寄り駅から5つほど先に行ったところにある。

家とは逆方向にあるから意識していかないと行こうって気にならなくて、出来たのは知っていてもなかなか足を運べずにいた。


実際に行ってみると、新しいっていう話題性とか駅に直結している通路から行けるっていう便利さのおかげもあって、たくさんの若い女の人でにぎわっていた。少なくともスーツを着た男が来るような場所ではない気がして、これではストアチェックに来たってのがバレバレだなって思った。



もう少しじっくり見るためには、女の人と来た方が自然な気がする。

今度朱音でも誘ってみるか。



いや、こういう時に香澄さんを誘ってみるとかすればいいのか…。



一気に色んなことをごちゃごちゃと考えつつ、場違いな場所でのチェックを終えた俺は、足早に売り場を去ってデパ地下でいつもは買わない美味しい総菜を買って帰ることにした。高いから普段なら買わないけど、あまり来ることがない場所まで仕事で足を運んだ自分へのご褒美だ。


そう思ったらいつも買っている総菜の倍くらいの値段がするおしゃれな食べ物も買うことが出来て、嬉しくなってしまった俺はスキップでもしそうな気持ちで家へと向かった。



そのまま駅地下から電車に乗ろうかとも思ったけど、気分が良くなってしまった俺はその駅の雰囲気も味わいたくなって、一旦外に出てみることにした。その駅は会社の駅とか自分の最寄り駅とかよりもずいぶん都会で、田舎出身の俺からしたら目がくらむほど眩しく思えた。



ストアチェックだけじゃなくてその街がどんな街なのかぐるっと歩いて回ろうかとも思ったけど、しばらく歩いていると都会らしい雰囲気に完全にやられてしまった。さっきまでスキップでもしたい気持ちにまでなっていたのに、俺の気持ちはまだまだ田舎にいるみたいだ。その事実に少しがっかりしながら、足は知らないうちに駅の方に戻っていた。



「…ん?」




電車に乗るために駅の中に入ろうとすると、道のずいぶん先の方に見慣れた背中が見えた。人も多いし同じような背中もあるよなと思いつつ歩くペースを少し早めて近づいてみると、やっぱりそれは毎日見ている背中だった。



「あれ、朱音じゃね…?」



朱音の住んでいる駅も、俺と同じ方向にあるはずだ。

こっち方面に来るってことは、もしかしてアイツもストアチェックに来たのかな?


だとしたらじっくり見るためにも、もう一回一緒に行ってほしい。そう思った俺は、見慣れたアイツの背中を小走りで追いかけてみた。



「あか…っ。



…え?」



遠目から名前を呼ぼうとしてみると、俺の目にはもう一つ、見慣れた背中が飛び込んできた。



「ぶ、ちょう…?」



それはどう見ても、部長の背中だった。


帰るって言ったのに二人でストアチェック?こんなところまで?


まあなくはないけど、なんとなく声がかけづらかった。



「ちょっと、だけ。」



でもこのまま帰る気にもならなかった俺は、そのまま二人の後を少しだけ追う事にした。




「なんだよ、あれは。」



なんとなく、なんとくだけど、二人の距離はすごく近いように見えた。

それに部長を見る朱音の目がどことなくハートになっているのも分かって、その顔を見るたび心がざわざわしていた。


俺に気が付くはずもなく、二人はそのまま楽しそうに街のはずれの方に歩いて行った。



「いやいやいや。」



もうここまできたら、鈍感な俺でもいろんなことを察することができた。

でも全てが信じ切れなくて、自分の目でしっかり確認するまで認めたくなくて、少しと思っていたのにがっつりと二人を尾行してしまった。


俺の尾行が上手なのか二人があまりに二人だけの世界に入っているからか分からなかったけど、二人は俺に全く気が付くことなく楽しそうに歩き続けた。



「やめてくれ…。頼む…。」



信じたくなかった。二人は俺の信頼している人であり、尊敬している人でもある。中途半端と言いつつも俺は仕事が好きだし、今のチームの雰囲気がすごく好きだ。このままずっと続けたいって思っているし、もっともっと部長から学びたいって、そう思っている。



でもそんな俺の願いもむなしく、二人の足は全く止まることがなかった。


そしてついにそのまま二人の姿は、高級ホテルへと消えて行った。


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