第398話 398.リトリア王国とナストレーア王国を取り巻く情勢

<真也>


水都ナストレーア王国の首都ナルノアール

何故今までネイアー湖の湖を使った水上交通が発達しなかったのかが不思議だ。


行き当たりばったりで地球の世界でたまたま見つけたディーゼルエンジンを使った自走式桟橋をそのままこの異世界に導入して、本当に良かったのか?

今更悩んでももう遅いのだが、早急な交通の渋滞を解消をする為には致し方の無い事だった。


『ナルノアールガーデン』と『オープンガーデン』のウォータースライダー全裸使用問題を解決してナストレーア王国の首都ナルノアール城に帰って来た俺達はアンドリュー国王、キャロライン王妃達と食事をしながら首都ナルノアールの開発問題について話し合った。


何かを変えるという事は、必ず影響を受ける所が有るハズ!!

今回の件でいけば


『首都ナルノアール内の物流が完全に変わってしまう』


という事

今まで陸路で馬車により運んでいた首都ナルノアール内の荷物は水上経由の直線距離で移動が可能になる。

馬車を使った輸送に大打撃となってしまうのは目に見えている。


そして今回数十か所に作った自走式桟橋の停留所(乗合場所)は全て『ナルノアールガーデン』に接続し自走式桟橋のによって各停留所(乗合場所)は結ばれる。

今後確実に物流拠点として発展していくだろう。




ナストレーア王国の物流が今後


『ナルノアールガーデン』


を中心に回って行く。

言い換えれば、その流れに乗れない商人や物流を担っている業者は廃業するしか無くなる。

それも1年以内の短い期間で変革が起こるのは確実


それは自由市場『オープンガーデン』のあるリトリア王国でも同じ状況

転移門で直接結ばれたナストレーア王国自由市場『ナルノアールガーデン』とリトリア王国の首都トリステインの自由市場『オープンガーデン』を中心にリトリア王国、ナストレーア王国、ドストル帝国、コートレート聖王国の国を跨いだ商業圏が大きく動いてしまう。


リトリア王国の第一王女アリシャ、ナストレーア王国の第一王女アーネストの両方と結婚するオレを仲介にリトリア王国、ナストレーア王国両国は血縁関係になる

そうなるとドストル帝国、コートレート聖王国にとってリトリア王国、ナストレーア王国両国は軍事的にも商業圏的にも脅威となってしまう。


リトリア王国の魔導士であったジャクソン家

そしてナストレーア王国に仕えていた魔導士オールデス家

両家が次々に起こしたクーデターの失敗により戦力であった魔導士達の消失により苦境に立っていたリトリア王国とナストレーア王国は戦力の消失をアイアンゴーレム100体づつを国内の警備に回す事で魔導士の消失分の戦力低下をカバーした。



アンドリュー国王とキャロライン王妃の話では、ジャクソン家とオールデス家の残党によりドストル帝国とコートレート聖王国側にリトリア王国とナストレーア王国両国のアイアンゴーレムによる戦力増強の情報が齎され、既にリトリア王国とナストレーア王国両国には相当数の密偵が送り込まれてきているらしい。


ドストル帝国には国内を巡回させているアイアンゴーレムの能力も既に伝わって居るらしい。

ナストレーア王国の首都ナルノアールの街の中で俺達オールデス家の残党の襲撃受けたもんな~


残党をワザと奪還させて逃走させてたけど、そういやしっかり忘れていたな・・・

「クララ、しっかり忘れていたんだがオールデス家の残党に発信機からの情報どうなってる?」

「ドストル帝国の首都ノースラサトニアに着いているみたいです」

「やっぱりドストル帝国とオールデス家は繋がっていたか~予想通りの結果って所だな」

「ドストル帝国はオールデス家と、ジャクソン家はコートレート聖王国と繋がっていそうだという所までは確実ですね」


「そっか~俺達を襲った暗殺者はドストル帝国やコートレート聖王国と繋がっていなければ良いんだがな~」

「それはフラグと言うものですよマスター」


つづく・・・

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