第384話 384.マスター挙動不審にみえますよ?

<真也>


トリステインギルド本部のギルドマスターのラグアシェルとのギルド総本部の2日後の昼の総会の手配を終えた俺達は、旧ジャクソン家魔導練習場跡地にオープンした自由市場『オープンガーデン』の運営を手伝いながら4日目の『オープンガーデン』の営業を終えた。


運営を手伝っていて解ったんだが、首都トリステインの街はトリステイン城を中心として徐々に円形状に発展してきた街の為、王城から20キロ圏内は建物がびっしりと隙間なく立ち並んでいて王城より20キロ圏内はこれ以上開発出来る余地が無いって事だ。


この東京ドーム20個分も有る旧ジャクソン家の魔導演習場跡地も、立ち並んでいた家々を強制立ち退きさせて無理やり作った物だったらしい。

ジャクソン家の奴らやりたい放題やってたって事だ。


当然旧ジャクソン家魔導演習場の敷地に住んでいた住人は少ない保証金を渡された挙句トリステインの20キロ圏内外に強制的に移転さされた訳でジャクソン家の人間を相当に恨んでいたよう


リトリア王国内でジャクソン家に好感を持っている人間など、ジャクソン家の人間とジャクソン家により遊具された商人達や貴族達くらいな者


『オープンガーデン』の運営の仕事を手伝いながら自由市場の貸店舗の人達やお客さん達と話してみてよ~~く解ったよ。


そんなトリステイン王城20キロ圏内に突然出来た自由市場『オープンガーデン』

連日押しかけてくるお客さんの為に首都トリステインの街の道は大渋滞に陥っているようだ・・・

リトリア王国首都トリステインは 王城トリステイン城を中心に東西南北に向かって伸びる道幅10メートル以上の街道が敷かれているのだが焼け石に水状態


旧ジャクソン家魔導演習場跡地を有効利用出来て一石二鳥って思ってたのに、思わぬ所で問題発赤してしまった。


そう言えば、地球の世界でも、巨大ショッピングモールがオープンした時は周辺地区の交通が大渋滞になってたよな・・・

球場なんかでも、野球の試合が終わった時なんか凄い大混雑するって言ってたっけ


「真也何悩んでるのよ?」

突然麗香に声を掛けられ


「おっ」


っとビックリして思わず声を上げた俺は声の方向に振り向むくと

目の前に麗香の顔が迫って来てて


「おっ」


っと二度ビックリ

だって麗香が俺を上目使いに見上げ麗香の唇が目の前にあったんだから!!

そりゃ~ビックリするよな~


麗香も俺の声と俺の反応に思わず後ろに仰け反ったよう

その麗香の仕草と表情に俺は思わず引き込まれ・・・


『ちゅっ』


っと無意識のうちに麗香のくちびるに軽くキス


柔らかい麗香のくちびるの感覚に飛んでいた俺の意識が復活し

驚いて麗香の体から飛び退いて距離を取る俺




うをぉ~~俺、人前で何してんだ~~!!


と思わず自分にツッコミを入れる。



「にゃ・にゃ・にゃ・にゃ・にゃ・にゃ・にゃ・にゃ・にゃ・にゃ・にゃ・にゃ・にゃ・にゃ・にゃ・にゃ・にゃ・にゃ・にゃ・にゃ・にゃ・にゃ・にゃ・にゃ・にゃ・にゃ・にゃ・にゃ・にゃ・にゃ・にゃ・にゃ・にゃ・にゃ・にゃ・にゃ・にゃ・にゃ・にゃ・にゃ・にゃ・にゃ・にゃ・にゃ・にゃ・にゃ・にゃ・にゃ・にゃ・にゃ・にゃ・にゃ・にゃ・にゃ~~~」

そう叫んでいる麗香の顔は真っ赤に染まっている

「麗香?」


麗香が壊れた?

「麗香良かったね」

アリシャが

「くくっ」

っと笑いながら真っ赤に染まった麗香に声を掛け麗香を突然抱き締めてハグ


「ズルいです旦那様~」

アーネストが俺の行動を見てプンスカ不機嫌な表情になりいきなり俺に詰め寄り


「ちゅっ」


っとキス


「あ~~ずる~~い~~!!」

「あ~~私も~~」

「わかしもする~~」

「みんなズルいです~~」


リリス、トリア、ナスティア、クリスもそう言って次々に俺に


「ちゅっ」


「ちゅっ」


「ちゅっ」


「ちゅっ」



っとキスをしてゆく4人娘。

滅茶滅茶人が見てる前で公開キスなんて滅茶滅茶恥ずかしんだけど~~

男なんて俺達を見て


『死ねばいいのに』


なんて言ってるし!!

地球じゃ


『リア充爆発しろ~~!!』


なんて叫ばれてんだろうな


男達の殺気にも似た鋭い視線を感じながら周りを見回していると、何か言いたそうな笑みを浮かべているクララと視線が合った


「クララ何か言いたそうだな」


「いえ面白い事になってるなって思いまして、思わず眺めてしまっていました」

「それだけ?」

「それだけですよ?マスターは私にもして欲しかったのですか?」

「いや・・そういう訳じゃ無いぞ・・そういう訳じゃ・・・」

「ふふっ・・マスター挙動不審にみえますよ?じゃ~ご期待に応えて今晩良い事をしてあげますから期待していて下さいね~マ・ス・タ」


ってクララが挑発して来るんだが~~ヤバいぞクララ?その表情!!

『何か企んでるんじゃ無いのか?』


それにしても・・

麗香どうしたんだ?

未だに顔が真っ赤だぞ?


キ・・

キス・・


キス・・しただけだろ?


あれ?

意識したら・・


俺まで変な気持ちになって来ちゃったんだが・・


あれ?

俺何してたんだ?


あ・

そうだ『オープンガーデン』周辺の交通渋滞をどうにかしなきゃって考えてたんだっけ!!


「皆、話変わるんだけどさ~『オープンガーデン』がオープンしてから首都トリステインの交通渋滞が酷い状態らしいんだけど何か解決案無いか?」

1人で考えていても良い案が思いつかない俺は皆に話を振ってみた。





『三人寄れば文殊の知恵』


って言うじゃん?

8人もよればめちゃめちゃ良い案が出るって思ったんだよな

でも何で3人なんだ?

8人じゃダメなのか?


ことわざって正直意味解らん

まぁ~人数が多い方が色んな意見出るから良いって事で良いんじゃね?


真也はそう自分に言い聞かせてくだらない事を考えるのを止めたのであった。


「道を大きくすれば良いのではないですか?」

一番先に提案して来たのはアリシャだった

「そうすれば此の辺の人達に立ち退いてもらわなきゃいけなくなるぞ?」

「そうなんですよね~そうするとジャクソン家が過去にやった事と同じになるからそれは出来ませんね」


そうジャクソン家が無理やり遣らかしたようにこの周辺の住民に強制的に立ち退いてもらわなきゃいけなくなる。

アリシャもそれは避けたいのだろう。


「この周辺の交通を規制したら良いんじゃないですか?」

リリスが提案してくれるがアーネストが即時に反応して

「規制すれば通れない人が出て、逆に民衆の反感を買いますね。それは客に悪手です」


アーネストっておっとりしてるけど、頭の回転凄く早くね?

流石はお姫様


・・・


・・・


色々と意見は出てきたが・・・

これといった解決策は出てこない



「この王都は古くから王城を中心に発展してきた古都で大規模な改革をする以外発展させるのは難しいですね」


アリシャの言うようにこれ以上首都トリステインを発展させる為には、首都トリステインを大改造する必要がある。

でもこれだけ家が密集していたら工事するのも一苦労

どうしたらいいんだろうな・・・


そんな時、隅で顔を真っ赤にしていたハズの麗香がやっと復帰したようで


「転移門を設置すれば良いんじゃないの?

例えばさ~この首都トリステインには東西南北の出入り口が有るでしょ?

その東西南北の出入り口の城壁に『オープンガーデン』の中に直接繋がる『転移門』を設置すれば、『オープンガーデン』の周辺の混雑はある程度緩和されるんじゃないかな?」


麗香が提案

でもまだちょっと顔が赤い?

まだ気にしてるのか?

自分の唇を指でなぞってるし・・・


「それ良いんじゃ?」

「流石は麗香ね」

「麗香凄いです」

「『転移門』良いですね~」

・・・


そう言う事で転移門設置の方向で一気に決まり、俺達はヘンリー国王とエリザベス王妃の許可を取る為に王城へと向かうのだった。



つづく・・・・

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