第379話 379.転移門お試しはやっぱり定番イベントは起きるのです

<真也>


朝の食事を終わらせた俺達は早速、旧ジャクソン家魔導演習場跡地『オープンガーデン』へやって来た。

オープン前だと言うのに凄いお客さんが『オープンガーデン』の前の歩道に並んでいるのが見える。

今日からリトリア王国首都トリステインとナストレーア王国首都ナルノアールの間の転移門のお試し運用が開始される事も有る。



昨日皆で話し合った結果『転移門』に関して一部変更箇所する事になった。

ヘンリー国王から

「国防上の問題も有り無料で『転移門』を使用させるのには問題が有る。無料にすると変な輩が悪い事を考えて悪用する可能性も有る。リトリア王国とナストレーア王国の間を転移1回につき小銀貨1枚を徴収してくれないか。

馬車は・・一台につき大銀貨1枚か・・まぁ今回お試しじゃから大銀貨1枚でいいじゃろうが、今後はもっと徴収せねばならんじゃろうな」


そんな依頼があったのだ。

ナストレーア王国のアンドリュー国王もその点は危惧していたみたいで、ヘンリー国王の転移門の使用料金徴収案をそのまま採用することになった。


通常リトリア王国首都トリステインとナストレーア王国首都ナルノアール間を移動する場合、馬車で10日以上、徒歩で半月はかかると思われる。

そんな距離を小銀貨1枚で移動できるとしたらこの世界自体の常識は一気に崩れてしまう。

今までは販売できなかった新鮮な食品が簡単に販売できるようになる。


『物流革命』


が起こる。

今までは乾燥した保存食のような物しか運べなかったのが、新鮮な魚や肉を瞬時に運べるようになる。

問題が起こらなければ良いが・・・


朝8:00

『オープンガーデン』の開店オープン

『オープンガーデン』が閉店するのは18時

『転移門』使用終了表示も一応18時としたが、本当に停止するのは18時30分

夜間に悪用してリトリア王国とナストレーア王国で強盗などの犯罪に利用されない為に使用制限を設けた。


『オープンガーデン』の開店と同時に一斉に『オープンガーデン』の敷地の中に雪崩れ込むお客さんの波

毎日毎日皆買う物が良くあるものだ・・・

あっという間にリトリア王国一の巨大市場になってしまった感じだ


今日は俺達の『不思議の国のアリス』から出している

『雑貨屋』

『ランジェリーショップ』

『洋服屋』


でも新作を揃えたり今日から

『砂糖』と『塩』のテスト販売も行う!!

値段だが

『砂糖』100グラム一袋が小銀貨1枚

『塩』 200グラム一袋が小銀貨1枚


『砂糖』も『塩』も数量制限ないとした。

転売目的で購入してゆく輩が出て来るんだろうな~



雑貨屋で販売する予定だが、雑貨屋のバックヤードには亜空間庫を設置しているから、俺のコピー能力でめちゃめちゃ量産しているから品切れする事は無い!!

どんどんと買って欲しい!!


俺達は心配事の種

『転移門』へとやってきた。

今の所問題は起きていない。


『オープンガーデン』がオープンして時間もたっていない事もあり通行人は興味本位で覗いているよう。




そんな中大きな声で

「告知していました通り、今日から『転移門』が稼働致します。今回試験運用として格安の小1人銀貨1枚、馬車1台につき大銀貨1枚でリトリア王国首都トリステインとナストレーア王国首都ナルノアール間を一瞬で移動する事ができま~~~~~す。

普通はリトリア王国首都トリステインとナストレーア王国首都ナルノアール間は馬車で約10日、徒歩で約半月かかりま~~~す。それが一瞬で移動できますよ~~どうですか~~~」


そんな呼び込みの声が広場に響く。

メイド服を着た金髪の女性が呼び込みをしているから王城から派遣されたメイドさんっぽいな。

あと転移門の両脇に高さ5メートルのアイアンゴーレムが1基づつ待機


その前に槍を持った兵士が2人づつ立っている。

転移門の横には兵士やメイドさん用の待機する建物が建てており交代で休めれるように設計

『オープンガーデン』オープンから閉店まで付きっ切りでぶっ続けで対応なんて事はさせない!!


『ブラックな職場撲滅だ』


呼び込みの声に段々と興味本位だろうけど人が集まって来た。

その内・・

ナストレーア王国首都ナルノアールの埠頭に設置した『転移門』からの転移者が『転移門』から忽然と現れ


「うわぁ~~本当に此処はリトリア王国の首都トリステインか~~本当に本当に俺は転移したんだ~~凄いぞ~~!!」


って両手を上げて小躍りしだす男性

その姿を一石に皆が注目し・・手を上げたまま固まったナストレーア王国からの転移者


そんな光景をみた途端にどっと人々が『転移門』に集まって来る。

もうそうなると芋の子を洗うような混雑で次々にナストレーア王国首都ナルノアールの埠頭に転移してゆく人々の波


「何とか成功したようね」

アリシャがそんな光景を見ながら安心したように俺に話しかけて来る。

そんな俺は


「だな」


って言って手を上げてアリシャと


『パンッ』


っとハイタッチ

『転移門』を使う人はそんなには居ないんじゃ?

そんな杞憂も無駄だったようだ。


俺達はそんな様子を見ながら、『転移門』の待機所の横にテーブルを出して皆とお茶会を開始

一応問題が起きないかチェックだ。


お茶会を開始して3時間が経ちお昼前になった頃

それは突然に起こった


『転移門』の前で揉めている声が聞こえて来たのだ。

「何で馬車1台に大銀貨1枚も要るんだ!!俺様はドストル帝国とリトリア王国をまたにかけるトレアーノ商会の会長のトレアーノだぞ通行料を無料にしろ!!

さもないとリトリア王国の物流を止めるぞ」


これはダメなヤツだな・・・

めちゃめちゃテンプレジャン!!

俺はその商人の所に歩いて行って


「私は此処の管理者ですが、何か不都合でもございましたか?」

って下手に出る

「こんな若造が管理者だと~こっちは馬車10台もあるんだ。馬車1台に大銀貨1枚も払ったらこっちは馬車代だけで金貨1枚も払わなけりゃならんのだぞ!!俺はこの自由市場で金貨2000枚も出して大量に商品を買った大事なお客なんだ。通行料を無料にしろ!!」


此処で大量に商品を買ったから通行料を無料にしろなんて言いがかりにもほどが有るな!!


「貴方はここに立ててある『転移門使用令』を読めないバカですか?

この転移門はリトリア王国とナストレーア王国の両国の王様より通行料を取れと命令されておりますのでそれは出来ません」


「儂はドストル帝国とリトリア王国そしてナストレーア王国にも強大な影響力のあるトレアーノ商会だぞ!!俺達に反抗するつもりか?」

「両国の王様の命令ですから当然です」

「お前みたいな若造が~~儂をバカにするつもりか~~!!許さんぞ!!後悔させてやるからな!!」

と捨て台詞

小物のヤル事は何時も同じだな・・・

捨て台詞を吐きながらも1人小銀貨1枚×50人分と馬車10台で金貨1枚を文句を言いながらも払って商人はナストレーア王国への転移門を潜って行った。



つづく・・・

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