第367話 367.忍び込んだ者
<真也>
ヘンリー国王はトリステインの東出口の東門の兵士がら新王都トリステインの敷地40キロ四方を囲ったコンクリート壁をよじ登る男を発見し槍で突き落とそうとしたが、コンクリート壁の向こう側に逃げたとの連絡を受けたらしい。
新トリステインのコンクリート壁で囲った場所
今あそこに有るのは砂糖製造施設用に説地した植物園の建物をサークル状に9棟設置して真ん中の棟で砂糖の精製試験をしただけだもんな。
砂糖精製用に作った魔道具は回収しているし!!
見られて困る物は無いハズ
「あのガラス張りの建物が9棟も乱立しているのは外からでも見えるから気になるんじゃない?」
「そうよね~あの透明な材質で出来た建物なんてこの世界では珍しいものね。ガラス何て王城とギルドの建物以外じゃ盛られないものね」
「やっぱりあの建物はこの世界じゃ目立つのか?」
「目立ちますよ!!」
「あのガラスを持ち帰って売るだけで一生働かなくても食べて行けるくらいのお金が入ると思いますよ」
「あれははっきり言って宝の山ですね」
何か俺だけ認識がズレてるのか?
「この世界じゃガラスは最高級品なのか?」
そんな俺の呟き?疑問の声にヘンリー国王が
「そうじゃの。ガラスは宝石と同等に扱われておるの~皆の言ったように、見る物からすると突然現れた宝の山じゃの。
忍び込んだ侵入者の目的は解らんがの。調べてみるしかあるまい?
婿殿の事じゃ、侵入者の対策位はしておるのじゃろ?」
と意味深に聞いて来る。
「市内を周回させているアイアンゴーレムと同じ物を5体警備用に配置はさせていますが、小回りが利かない為、侵入者を捕らえられているかは不明ですね」
「あらあら~ちゃんと対策済みだった訳ね。流石アリシャの旦那様ですね~有能な男の子は私好きよ~」
っていつの間にか俺の後ろに移動していたエリザベス王妃が言った瞬間、俺の顔ははエリザベス王妃のパフパフの双丘に埋められた。
「ぐふっぐふっ・・ぐるちぃ・・」
「お母様そのまましてたら真也死んじゃいますよ」
ってさりげなくエリザベス王妃の体を押しのけるアリシャ
『ぐっちょだアリシャ!!エリザベス王妃の胸ははっきり言って凶器だぜ』
「アリシャありがとう。助かったよ」
「ふふっ。後でお母様にされたの上書きしてあげますからね~」
う・・
その微笑み・・
怖いです・・アリシャさん
「しかしガラスがそんなに高価な物だったなんて知らなかったよ。じゃ~雑貨屋で小銀貨1枚で販売しているガラスコップなんてめちゃめちゃお買い得品なんじゃ?」
おれは思わず言っちゃったよ!!
だって地球の世界の100均でかったガラスコップを小銀貨1枚、地球の価格の10倍で販売しているんだからな!!
『ハッキリ言ってボッタクリ価格』
原価は殆どゼロ円、だって俺の魔力でコピー量産だもんな。
最近俺はコピー能力を使った異世界商品製造機になっちゃってる感じが~~
「雑貨屋の商品は毎日お昼には完売らしいですよ」
アリシャがシレっと教えてくれる
俺って異世界商品製造機に徹してたから全然そんな所見て無かったよ。
「それ凄すぎない?」
「最初は商品が来て開店と同時に買い占めていましたが、一人5個までの数量限定にしたそうです。巷では10倍の大銀貨1枚で転売されているようです」
転売屋出たよ~
あれ?
よく考えたら俺も転売?
『地球の世界で買ってきて異世界で売る』
あれ?
俺もおんなじ転売屋?
うううう・・
あ・・あれだ!!
俺は異世界商品製造機だし!!
深く考えるのは止めよう!!
取り合えずヘンリー国王とエリザベス王妃には現状報告として、砂糖生産施設の設置完了と、砂糖生産テストで精製した砂糖1トン程を出して流通経路を早急に確保して欲しい事をお願いした。
エリザベス王妃がその話に早速食いついて・・・
「じゃ~クリスの実家のドミニク侯爵家に担当してもらいましょう。早速明日手配させましょう」
って即決
「エリザベス王妃様有難うございます~母に代わりお礼を申し上げます」
とクリスがバラの花が一気に咲いたように歓喜に震えながらエリザベス王妃に頭を何度も下げている。
『リトリア王国婦人の会』
そうだった・・
って事は
アレクシス侯爵家の奥様のメイジーさん
ティーダ侯爵家の奥様のルーシーさん
エクムント侯爵家の奥様のシエンナさん
ドミニク侯爵家の奥様のエリンさん
そしてエリザベス王妃
この5人の奥さん達がこの国を動かしてるって事・・・だな・・
今後もエリザベス王妃に販売網の振り分けをしてもらった方がいいよな・・・
エリザベス王妃に話を通さないで勝手にやったら何か怖い
『という訳で販売についてはエリザベス王妃に丸投げで行こう!!』
これを
『責任放棄』
とも言う・・・?
良いではないか!
良いではないか!
藪は無暗に突っつかないのが生き延びるコツなのだ!!
因みに
『砂糖』の値段は1キロ金貨1枚で当初は卸して良く事で決定
徐々に値段を下げて最終的に1キロの砂糖を鉄化5枚くらいにまでは下げたい。
この世界の砂糖は果物から絞った果汁を煮詰めて砂糖を作るから高価なんだよな
果物の果汁を煮詰めて作った砂糖1キロが金貨5枚
本当はサトウキビから作った1キロの砂糖を銀貨1枚くらいにしたいのは山々なんだが、そうすると現状果物から砂糖を精製している生産者がやって行けなくなってしまう。
新しい技術や生産体制が開発されれば古い生産体制はいずれは淘汰されてしまうのは有る意味しょうがない事・・・
いずれは果物から砂糖を精製する事は無くなってしまうだろう。
・・・
・・・
そんな話を夜の食事の時にした翌日の朝、俺達は早速、新王都トリステインの砂糖生産設備の近くに転移。
9棟の砂糖生産設備用温室の周りを高さ5メートルのアイアンゴーレムが警備の為に1基歩いているのが見える。
俺達は管理権限で対象外の設定だから、アイアンゴーレムから攻撃されることは無い。
『AIシステムって本当に便利』
地球で言う自立型AIロボットと同じ?もっと高度な機械だな!!
空気中の魔素を取り込んで自立して自分で考え永遠に動き続けるゴーレムって有る意味凄い!!
「マスター、あそこに設置した温室の建物のカラス少し黒ずんでないですか?」
早速辺りを見回して異常個所をチェックしていたクララがが異常に気が付いて建物が黒く変色している所を指さしながら話してくる。
俺もクララの指を指している方向を見ると、
『確かに焦げている!!』
「行ってみよう」
俺はお皆に声を掛けて一緒に歩き出す
建物に近づくに従って、建物の壁が黒く焦げているのがはっきりと見えて来る
何か火魔法で攻撃したような感じっぽい?かも
「焦げてますね」
「確かに焦げてます」
ナスティアとトリアがウンウンと頷いて来る
「あの地面にある黒い塊は何でしょう?」
クリスが見つけた地面にある黒い塊を指さしながら聞いて来る
確かに黒い塊だ
「何か黒く焦げているっぽいな」
「焦げてますね」
「黒焦げですね」
「忍び込んだ侵入者みたいですマスター」
「侵入者が攻撃魔法を使って建物を攻撃した所をアイアンゴーレムに見つかって火球で攻撃を受けたって感じじゃない?」
「アリシャが言った事が正解な気がするな。クララ何か記録とか見る方法は無いのか?」
「単純な警備機能で稼働させていましたから不可能です。記録を取れるようにも出来ますがその分稼働負荷がかかって動きは遅くなりますがどうされますか?」
うわ~
動きが遅くなるのかよ・・・
それも不味いよな
「30秒くらいの記録だったら少しは変わらないか?」
一応限定機能でどうにかなるのか聞いてみた
「そのくらいならば、負荷にはならないでしょう」
「おお~じゃ~それで頼む」
「ハイ、マスター」
黒焦げになった物体に近づいてみると・・
確かに黒焦げになった死体だった
建物を破壊して中に入ろうとした侵入者をアイアンゴーレムが攻撃したので間違いないようだ
クララは真っ黒こげになった侵入者の死体に近づき遺留品が無いか確認していたが・・
「マスター侵入者は魔道具を持っていたようです。タダこの魔道具は・・」
と拾い上げた魔道具を見ながら言い及んだクララ
「その魔道具が何か変わっている事でも有るのか?」
俺はクララの要津がおかしいのが気になって思わず聞いてしまう。
そんなクララから告げられた言葉は・・・
「マスターこの魔道具は火魔法の付与魔法が付与された魔道具です」
「付与魔法?魔法陣じゃ無いのか?」
「ハイ!この魔道具はドストル帝国のギルド本部から盗まれた物だと思われます」
/(^o^)\ナンテコッタイ
「ドストル帝国絡みじゃないか」
つづく・・・
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