第359話 359.その優しさが仇になる場合が有ります

<真也>


「なんでこんなにも強力な兵器を求めるのかの~愚かな奴らじゃ」

ヘンリー国王は頭を抱えながらもジャクソン家の残党が持ち込んだ兵器に苛立ちを感じているようだ。

そんなヘンリー国王に


「欲ですかね~結局は自分達の国を好きなようにしたいだけなんでしょうね」


と思った事を告げる俺

地球の世界でも同じようなもの!!

何処かの国なんて


『全部自分の物だ』



なんて暴走しかけている

全部


『欲』


結局は何処かで破城する

そして破城した責任を他国に向け戦争を起こす・・・

多かれ少なかれ近い未来にドストル帝国とコートレート聖王国は国内の不満を外に向ける為に戦争を仕掛けて来るだろう・・・


「そうか欲か、強大な力を求めた結果がこのアトランテ大陸の4分の3を覆う魔獣領域にしてしまった現状を奴らは解っておらんのかの」


「奴らは自分達のせいだとは思っていませんよ。

魔獣が進化して普通の力では狩れなくなっただけとでも思っているのでしょう。

魔導士なんて迷惑な生き物ですよ」


俺は今までの魔導士達の行いを振り返ってそう思う。


「マスターいっそ、ドストル帝国とコートレート聖王国ごと消滅させてしまいましょうか?」

「ドストル帝国もコートレート聖王国もその国の中には慎ましく生きている人達が居るんだから俺達の都合でそれは出来ないよクララ」



『合理的?』



機械であるクララとしては問題は一気に消滅させてしまえばいい?

そう思ってもしょうがないのかもしれない

リトリア王国とナストレーア王国を守る為だけならばクララの言う通りドストル帝国とコートレート聖王国を消滅させてしまった方が良い!!

モノリス・ストレイアの作った俺の亜空間庫に格納している兵器を使えばそれは可能なんだろう。



「マスターは優しいですね。その優しさが仇になる場合が有ります。

もしもの時の判断は迅速にお願いします」


きつい事を言ってくれるもんだ


『もしもの時』


その判断が狂えば、リトリア王国とナストレーア王国は壊滅するかもしれない・・・

そうなる前に俺に判断しろって事なんだろうな


その判断材料をどうするか?

情報が足りなさすぎる!!


つづく・・・

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