第357話 357.ジャクソン家残党から聞き出した情報
<真也>
『エーテリラート』
人間を構成する物質の内、人間一人に対して0.1グラムしか存在しない物質
その『エーテリラート』で構成された1キロの球体をジャクソン家の残党は2個持っていた事になる!!
1個は俺達を砲撃した時に使用した1個
そしてもう一個は小箱に鍵がかけられ厳重に保管されていたもう一個の『エーテリラート』で構成された球体
単純な計算で行くと・・
1000グラム = ⒳ × 0.1グラム
って計算式になる
⒳ を展開すると
⒳ = 1000 ÷ 0.1
⒳ = 10000
つまりそういう計算になる
考えたくねぇ~~
誰か嘘だと言ってくれ~
こういう予想は結構当たるんだよな~
俺達はこの球体の構成元素検査結果が外れて欲しいと願いながら、宇宙船格納亜空間エリアからアリシャの部屋にでて、ジャクソン家の残党から得られる情報を待つ事にした。
折角捕まえたジャクソン家の残党だが、本当の事を聞き出す為には精神破壊を起こすという自白剤を使うしか無いんだろう。
明日の朝には解るだろうという事だったが・・
そんな事を思いながらなかなか眠れない夜を俺達は過ごしていた。
・・・・
・・・・
次の朝
ヘンリー国王が直々に俺達の部屋に突然に入ってきて
「8人の嫁達と一緒に眠っている光景は凄いのう~~」
って感心されたんだが・・・
見ないでくださいヘンリー国王~~
まあ~昨日は全員疲れて着衣のまま眠っていたからセーフ!!
何時ものように全裸だったら言い訳が効かなかったよな・・・
って冷や汗が!!
これって日頃の行いが大事って事なのか?
ヘンリー国王が直接此処に来たって事は・・
ジャクソン家の残党からの情報の聞き出しに何らかの進展が有ったって事なのか?
それとも逆に大した情報が得られなかったかのどちらか?
ヘンリー国王の表情からすると、ある程度の情報が取れたって事なのかもしれないが・・
こんな朝早くから来なくても良いんじゃない!!
俺まだ寝たりない感じなんだけど
って思ってたら長男のルイスまで来てんじゃねえかよ
エリザベス王妃
それにグレース
スケスケのネグリジェ姿は止めてくれ~~
今起きました~って感じなんだろうけど
『色んな所が透けて丸見え何だけど解ってますか?』
この世界じゃ下着文化が無いからそれが普通なんだろうけど、俺みたいな年頃の青少年には刺激が強すぎるんだよ!!
ヘンリー国王はちゃんとした正式服装をしているからジャクソン家の残党の尋問に一晩付き合っていたみたいだが
エリザベス王妃
グレース
ルイス
の3人が此処に来たって事は、朝ごはんを用意しろって事・・・なんだろうな
エリザベス王妃にグリース
ネグリジェの裾何気に目繰り上げて物欲しそうにするのは止めて~~~
モロに見えて理性が吹き飛ぶから~~
それにエロ爺が確実に反応するから!!
ヤバい!
ヤバい!
『エロ爺退散!エロ爺退散!!』
俺は心の中で何度もそう唱えながら
「朝食の用意直ぐにしますから~」
って速攻でテーブルと椅子を出してヘンリー国王、エリザベス王妃、グレース、ルイスに席に着くように勧めて取り合えず熱々の紅茶と『不思議の国のアリス』特製ハンバーガーを出しておく。
そして最近定番となった
『シン○○ニー・オブ・ザ・シーズ』
の中の船内には40以上もの飲食店があり、フルコースの優雅なメインダイニングをはじめ、イタリアン、日本食、メキシカンなどの専門店、ビュッフェ、そして数々のカフェが点在している。
そんな船内で作成された飲食物を濃縮魔素をふんだんに使ってコピーしているから、速攻で色々な食べ物を即時に出せる。
今日はカフェから軽い軽食と飲み物をチョイス
『手抜きし過ぎ?』
ふっふっふ~
合理的って言って欲しいものだ!!
そんな訳で、全員の食事を用意して、アリシャ、麗香、クララ、アーネスト、リリス、トリア、ナスティア、クリスを起こす俺
最近
『メイド』さんぽい仕事に徹している俺
もうメイドで良いんでね?
うう・・イヤイヤ
俺はそんな妄想を頭を左右に振って一瞬で吹き飛ばす
そんな事を麗香の前で言ったら
『ふふっ~メイド服、似合いそうですね~真也ちゃ~~んいっそメイド服着ちゃいましょう』
なんてぜって~~俺に可愛いフリフリのメイド服着せて来るんだからな!!
「お父様、お母様、それにグリースにルイスおはようございます。それにしても皆何で此処で食事をされているのですか?」
ってアリシャが不思議そうに聞いているが・・
俺も正直そう思う!!
そう思うのだが・・
言えない・・
『あの満面の笑顔を向けられると・・・何かそうしなきゃいけないって脅迫観念に囚われてしまうんだよな・・』
「ふふっ~アリシャ、こんな美味しいお食事なんて貴方のお婿さんじゃなきゃ用意出来ないでしょ?こんな食事を一度食べたら他の食事なんて食べれなくなってしまいましたわ」
ってシレっとエリザベス王妃がアリシャに返す。
「そうですわお姉様。真也様のお食事を食させてもらったら、外の食事は食べれませんわ」
グレース・・
お前もか~~
「お兄様の出す料理が美味しいのがいけないのです!」
クリスお前もか・・・
この世界の調味料や香辛料や食材が遅れ過ぎているのが悪いんだ~~~
俺のいじゃないからな!!
早くこの異世界の食文化改革をしなければ!!
そんな食事をしながらもヘンリー国王はジャクソン家の残党から聞き出した情報を教えてくれた。
この世界と言っても、アトランテ大陸のモノリス・ストレイアの魔導士の弟子達の子孫はジャクソン家がオーバドライブシステムを発見した頃から裏で繋がって協力しだしたらしい。
ジャクソン家がオーバードライブシステムを教える代わりとして、アトランテ大陸王が権力を持った王政国家から魔導士が権力を持った魔導国家に変えようと協力体制が出来上がったらしい。
ジャクソン家はリトリア王国を乗っ取る為にグラノラが主導して計画していたが、俺の邪魔が入って死亡し空中分解?
オールデス家もジャクソン家と繋がっていて、ナストレーア王国を我が物にしようとブライアンが画策していたが俺達のせいで暴走した魔獣によりオールデス家も空中分解?
当のブライアンは魔獣騒ぎで生死不明
オールデス家のブライアンの家族はもしもクーデターが失敗した時に備えてドストル帝国に一時避難したっぽい。
ゲリラ行動を取って捕らえられていたオールデス家の仲間を奪還したオールデス家残党もドストル帝国に向かったっぽい・・
そういや、忙しすぎてあれから奴らの動きを気にしていなかったな。
ジャクソン家の残党から昨日の夜聞き出した事で、今まで殆ど解らなかったドストル帝国とコートレート聖王国の事が解って来た。
ドストル帝国だが、アーネストの父親から聞いた話と同じでジャック
ローレンス皇帝が原因不明の病で崩御、翌年ソフィア第一王女がエイシス家の長男ジャックと大恋愛の末に結婚してドストル帝国の皇帝になっている。
この大陸では王政が主流な為に王女と言われるほうが多い
正式には皇女?らしい
なのでドストル帝国内ではソフィア第一皇女と呼ばれていたらしいが、呼び方なんて俺には解らん!!
なのでドストル帝国は、陰謀によってエイシス家に乗っとられたと言っていい。
有る意味平和的な乗っ取り?
まあローレンス皇帝が原因不明の病で亡くなってる時点で、何か陰謀が有ったとは思うんだが今となっては解らない。
今回捕まえたジャクソン家の残党達はコートレート聖王国との交渉を終えて帰って来た者達だったらしい。
交渉は、今回持ち帰って来たミスリル製の大砲と砲弾に使用するであろう『エーテリラート』の球体を持ち帰る事だったらしい。
だが、帰る途中でジャクソン家が急遽クーデターを起こし失敗して取り潰しとなった事を聞いて、変える所も無くなり、ジャクソン家の隠れ家に立ち寄ったが隠れ家が爆破され魔獣が徘徊する危険な領域と化していて、路銀も少なくなっいた為にコートレート聖王国に戻る為の路銀を稼ぐ為止む無く商隊を襲ったらしい。
コートレート聖王国だが・・
名目上はコートレート聖王国をそのまま引き継いではいるが、3年前に政変があり
レスター前国王を含め、王族一家は全員処刑
その後コートレート聖王国は
東王 ケヴィン・アルバーン
西王 ジェフリー・フェネリー
南王 ドルフ・バレット
北王 ロイド・キャンベル
現在この4人の王により統治されている
そして一番権力を持っているのは、北王 ロイド・キャンベル
モノリス・ストレイアの弟子の家系キャンベル家の当主だ
そしてジャクソン家の残党が持っていた『エーテリラート』
やはりあの大砲の砲弾に使われる物だったらしい。
材料は・・
『1万人の奴隷と引き換えに作られる』
とだけしか聞かされていないらしい。
『1万人の奴隷と引き換え』
それが何を意味しているのか?
居万人の奴隷の命を刈って材料にしたのか?
それとも
1万人の奴隷と引き換えにあの『エーテリラート』の球体を手に入れるのか?
それは解らないままだ。
捕らえたジャクソン家の残党は金貨5000万枚を出してミスリルの大砲、『エーテリラート』の球体2個を買い取って来た事だけは確実みたいだ。
確実に解ったのは、コートレート聖王国、ドストル帝国の両方の国家はモノリス・ストレイアの弟子の子孫達により乗っ取られて魔導国家になってしまっているっていう事実と、強力な兵器を奴らは手に入れたって事だ。
つづく・・・
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