第356話 356.エーテリラート

<真也>


アーネストの体に影響を与えアーネストの髪を伸ばした濃縮魔素

宇宙船を格納した広さ10キロ四方の亜空間

魔結晶が出来るくらいの濃縮された濃縮魔素


そこに地球の世界から持ってきた小麦の種子とサトウキビの茎をその空間にばら撒くと・・



『小麦の種子から芽と根が噴き出し、サトウキビの茎からも茎と根が伸びて来る』


「す・・凄いな」

予想はしてたけど、本当にそんな風に成長する光景を見るとビックリだぜ


「これで食糧問題も解決ですね。1日あれば収穫可能になるんじゃないですか」

クララもビックリしているよう


「タダこの空間で生育させるのは宇宙船を格納しているからヤバいだろ?この空間の濃縮魔素を他に排出出来るように排出機構を作らなきゃいけないと思うんだけどクララはどう思う?」


「そうすべきですね。このエリアはこのメンバー以外解放はしない方がいいでしょう。そう私に相談するって事は私にその機構を作って欲しいって事ですね?」


クララは解ってるな

打てば必ず返してくれる


「俺にも出来るとは思うが、エロ爺の記憶にアクセスしなきゃいけないからな!!

体を乗っ取られるような危険は侵したくないんだ。クララ頼めるか?」


「ハイお任せください!!ドンドンとマスターが私無しでは生きてゆけない体にしてして差し上げますわ」


おい!!

クララ!!

欲求駄々洩れだぞ!!

うう~怖いぞクララ・・・


しっかし、クララの言っている通りになってるんだよな~

エロ爺の技術が無ければ使い物にならない俺って・・・

エロ爺の人格を消滅させるにもクララ頼みだもんな~


『確実にクララ無しでは生きてゆけない体にされてるな俺・・』


俺は実験に使った小麦の種子とサトウキビの茎を亜空間庫に仕舞い込み、全員を引き連れて宇宙船へとはいってゆく。


『クララは勝手知ったる我が家』


って感じで宇宙船の機器を操作してジャクソン家の残党が持っていたゴルフボール大の球体を器具の上に乗せスイッチを押すと透明なシールドが器具の周りに形成される。

その装置に置いたゴルフボール大の球体に白色のレーザー光が激しくその球体の上を走査し検査してゆく。


クララは空中に表示された数値を見つめながら


「マスター2時間位かかりそうです。なのでお茶会をしましょう」

って言うと

クララ以外全員が


「「「「「「「賛成~」」」」」」」


って見事にハモった。

そんな所だけ何で見事に合うんだよ!!

って事で俺はマタマタ給仕専門で働きアリのようにお茶会の準備をしたのですね~

俺の存在意義って・・


『8人の嫁のお世話係?』


いや・・


『種馬?』


8人の嫁候補の為にコピーした『シン○○ニー・オブ・ザ・シーズ』の中の食事をコピーした物を次々に排出


『何処にそんなに大量な食事が消えて行ってるんだ~!!』


皆スンゲー!!


皆の胃袋って亜空間倉庫じゃね?

2時間も黙々と食って、飲んで、食って、飲んで、また食って・・・

ってこれって太るじゃね?


太っても俺のせいじゃ無いからな?


そうして彼女らが黙々と2時間食べ続けた頃


検査機器の上部の空間に表示されていた表示が点滅しだしカウントを止めた。

其の教示をクララが見て






「検査結果が出ました。この球体の成分は


『エーテリラート』


人間を構成する為に必要な素材で人間1人に0.1グラムしか存在しない物質と判明しました」



と検査結果を告げて来る。


「人間?」


思わず俺はきいてしまう

クララが人間と限定した事だ。


その問いはクララから齎された。

けものや魔獣は大なり小なり魔石を持っています。

けものの場合は魔石が殆ど目に見えないくらい小さく、神経系と深くは接合されていない為魔石を取っても獣は死にませんが、魔石が大きくなると魔石と神経系が密接に繋がり魔獣となり魔石から強大な力を引き出せるようになります。

魔獣に進化すると魔石を取ると生命維持を出来なくなり魔獣は死んでしまいます。


人間はそんな獣や魔獣と違い魔石を持ちません。

その代わり人間の体は『エーテリラート』という微細な物質により人体と意識が接合され体を維持させています。


マスターの世界では『気』とも呼ばれています」


「『エーテリラート』っていう物質はその情報を聞くと凄いものなんだな。

でもさ~今検査機器の上に乗ってるゴルフボール大の球体って1キロ位有るみたいなんだが・・・

『エーテリラート』って言うのは人間一人に0.1グラムくらいしか無いんだろ

じゃ~1キロあるって事はそういう意味なのか?」


俺が恐る恐る聞いた言葉にクララは


「マスターそれで間違いありません」


と事得るのであった。



つづく・・・

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