第330話 330.オールデスケ残党の災難

捕らえられ処刑の為に移送されていた?(実際はワザと奪還させて拠点を暴く為の餌にされていた哀れな襲撃者)オールデス家残党達は仲間により奪還されはしたが・・・


捕らえられた鉄檻の扉が無くされていた事で、このまま首都ナルノアールに留まる事を断念


北西の街道を3頭の馬に奪還した仲間の入った鉄檻を引かせながらオールデス家残党50人がその周りを囲みながら移動していた。


誤算は鉄檻の出入り口が完全に無くなって鍵も無い!!


『壊せない』


『出す事も出来ない』


当初鉄檻のカギを破壊して救出した後、首都ナルノアールの協力者の所でに潜伏している予定が鉄檻の馬車ごと逃走するしか無くなって首都ナルノアールから一刻も早く遠ざかって追手をまかなければいけなくなってしまった。


当然のんびりとなど移動出来ない!!

「何をしている!!遅れるな!!」

体長らしき男の檄が飛ぶ


「ま・・待ってください!!俺達はもう1時間も走りっぱなしなんです」

「少し休ませてください」

・・・


そんな言葉が至る所から漏れて来る


「何を言っているんだ!!王都から追手が来るぞ!!騎馬隊を出されたら俺達は不利だ!!一刻も早く首都から遠ざからないといけないんだ」


「それなら水だけでも飲ませてください」

「そんな物有るはずないだろ!!我慢しろ!!」


そう協力者の所に行く予定だったオールデス家の残党は食事も、水も用意してはいなかった。


「そ・・・そんな~」

悲痛な表情をしている魔導士達の言葉に

「檻が壊せないんだ。しょうが無いだろ!!助かっただけでも良かったと思え!!それに次の街まで移動したら食料や水を用意する。それまでの我慢だ」


長らしき男が檻に捕らわれた男達を諭すように告げる。

檻の中に捕らわれた男達も、危険を冒してまで助けてに来てくれた仲間達にそれ以上何も言えなかった。


「トイレに行きたいんだがどうしたら良いんだ?」


1人の男がお腹を押さえて辛そうに懇願する


「我慢しろ」


「何時まで我慢したら良いんだよ」


「向こうに着くまでに決まって居るだろ」


「そんなの我慢できるはずねえぇ」


「じゃ~そのままそこでしろ!!」


「この中でやるのか?」


真也によって魔鉱鉄によって錬成された上下左右全部鉄柱で囲まれた鉄檻

11人の捕らわれた男達と50人のオールデス家の残党の男達に見られながらこの檻の中でする・・・


『ある意味羞恥プレイ?』



「うう・・もう我慢出来ねえ~」

男は着いていたズボンを脱ぎその場にしゃがむと



「ぶりぶりぶり~」


っと盛大な音と共に排泄物を飛ばす。


360度全方向鉄柱で囲われている為、排泄物は地面に落ちるが・・・


「汚ねぇ~~服に散ったじゃねえかよ~」

「匂いが我慢できねえぞ~」

「出してくれ~~」

・・・・

檻の中ではそんな罵倒が繰り広げられ

馬車の後ろを歩いていたオールデス家の残党は・・




『ぐちゃっ』


「うをぉ~~何じゃ~~何か踏んだぞ~~」


何かを踏んだ男は足元を見て


「糞だ~~~クソ~~糞を踏んじまった~~臭ぇ~~クソ野郎何してくれるんだ~~」


と鉄檻の中に罵倒を投げかける。



季節は地球と同じ8月

暑い真夏日のカンカン照りの日差しの中を檻に詰められた男達は次第に体力を消耗


水は無い


食べ物も無い


過酷な逃亡生活が始まるのだった。


つづく・・・

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