第329話 329.オールデス家残党による襲撃犯奪還
<真也>
鉄檻に入れられ、首都ナルノアール街中引き回しの為にネイアー湖畔を添うように通る大通りを護送されていた11人の捕らえられたオールデス家残党を乗せた馬車が15分前に50人程のオールデス家の残党により奪還された。
王城の門に向け20代後半だろう髪を短く刈り込んだ金髪のイケメンさんが早馬を飛ばして王城に駆け込んでくる。
騎乗して門を潜り駆け込んでくる御者の格好をしたイケメンさんの顔は今の持零れそうな位の笑みをたたえていた。
「アルバーン騎士団長その様子だと上手くいったみたいですね」
と俺が聞くと
「あははぁ~もう予想以上の成功ですよ~もう思わず笑い転げそうになって笑いを抑えるのが大変でした」
馬から降りながら、今まで抑えていた笑いを一気に吐き出すようにお腹を押さえて笑い出してしまった。
「アルバーン騎士団長そんなに笑ったら、本気で襲撃犯を取り戻す為に襲ってきたオールデス家の魔導士が可哀そうですって」
「あはははは~笑いが止まらん・・・も・・もう少し待って下さい」
それを見たアンドリュー国王は
「アルバーンお前やけに楽しそうに見えるな」
と茶化すと
「そりゃ~そうですよ。こんな茶番をやる機械なんてめったに無いですからね~必死な形相で攻め込んでくる奴らの阿保ズラを見ているだけでもう笑いを抑えるのに必死だったんですからね」
「儂もやってみたかったの~
奴らが襲ってきた時
『おおおおお~これはたいへんじゃ~ころされる~』
とか敵の前で言ってみたかったの~」
とアンドリュー国王
「アンドリュー国王様、そんなセリフ棒読みで敵に対するのはお止めください。一度でフェイクだとバレるじゃ無いですか」
「そんなに儂の演技はダメかの~」
そんなアンドリュー国王の言葉にキャロライン王妃が
「あなた、そんなんじゃ~子供の劇にも出れませんわよ」
とダメ出し
アンドリュー国王とキャロライン王妃の漫才気味のやり取りは放っておいてやっと笑いから復活したアルバーン騎士団長に
「アルバーン騎士団長取り合えずお疲れ様」
と労を労っておく。
「いや~~普段戦闘をする側の人間が、戦闘を避けて悲鳴を上げながら笑いを抑えながら逃げる振りをするのは大変でした。
オールデス家の襲ってきた人間は襲撃者を捕らえた鉄檻を引いている私だけという事に何の疑問も持たなかったのでしょうか?そうだとしたら相当なバカですね」
そうオールデス家の捕らえた残党を鉄檻に閉じ込めて街中を3頭の馬を操り引いていたのはアルバーン騎士団長一人だけで、護衛も誰も居ない状態だった。
アルバーン騎士団長には結界を付与したペンダントをつけてもらい常時自分に結界をはりながら、オールデス家の残党が襲ってきたら馬車から飛び降りて逃げるようにお願いしていたのだ。
まんまとオールデス家の残党達は引っかかったという事
アルバーン騎士団長は護衛を付けていなかった事が逆に連中を警戒させないか心配していたみたいだ。
『頭の良い奴なら絶対に警戒するよな?』
「クララ奴らはどっちの方角に進んでいるか解るか?」
「今、北西の方角に向かって街道を真っすぐに進んでいるようです」
クララの報告を聞いたアンドリュー国王は
「婿殿、その街道沿いにアイアンゴーレムが2基魔獣狩りをしながら移動中だが捕らえなくて良いのか?このままでは何れ国境を越えてドストル帝国領にはいってしまうかもしれんぞ」
と心配をしている。
アンドリュー国王にも話しては居たんだが理解出来ていなかったか?
「義父・・さ・・ん、昨日も言ったとは思うんですが、今回オールデス家の襲撃者を
ワザと奪還させたのはオールデス家の残党のの協力者・・・多分ドストル帝国だとは思うんでづが、それを突き止める為に奪還させ、鉄檻の入り口を錬成で無くしてしまいましたから奴らは協力者の所まで移動して鉄檻を破壊して仲間を鉄檻の中から救出するしかなくなったのです。
後は捕まえた襲撃者に付けた発信機の情報をクララに辿ってもらい、奴らの拠点を調べるだけです。
良そう通りでいけばドストル帝国辺りが一番怪しいとは思うんですが・・・
どちらにしても、奴らの移動には1週間以上かかると思います。
我々が今出来るのは此処までですね」
義父さん・・・って言うのまだまだ慣れないな・・・
気を引き締めていないと、アンドリュー国王って言ってしまう
「そ・・そうだな。私の方はイーグルトン子爵家の方をそれとなく探らせておこう。
では私達は食事にでもするかの~当然婿殿の美味しい料理期待しておるぞ!!はははっ」
うをぉ~アンドリュー国王俺の持ってる料理をあてにしてるじゃん
まあ~良いけど・・
その内俺って
『食事製造機にされちゃうんじゃね?』
つづく・・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます