第328話 328.襲われる馬車

昨日中に街中の至る所に立てられた告知板


それには

-------------------------------------------------


    <  告  >


昨日急襲してきたオールデス家の残党11人を逮捕

捕らえた残党は今日10時より王城を出発、街中を引き回し

夕刻16時に王城北の演習場にて絞首刑を行う。


※ナストレーア王国を亡き者にしようとした大罪人である

恨みの有る者は投石用の石を用意し捕らえられた

オールデス家の魔導士に投石する事を許そう。


ナストレーア王国 アンドリュー国王

-------------------------------------------------


と書かれていた。


「ガチャ」


『ギギギギギーーーー』

鉄格子の入った薄暗い地下牢のカギが開けられ、兵士により地下牢の扉が開かれ


「処刑の時間だ全員地下牢から出ろ」


と襲撃者達に罵声を浴びせる兵士達

「処刑何て聞いて無いぞ!!」

「俺達は誰も殺してない!!」

「処刑なんて話が違うぞ」

そんな声が牢獄の仲で飛び交う


処刑と聞いて委縮した襲撃者達は地下牢から出ようとしない

それを無理やり複数の兵士が牢から引きずり出して並ばせる


王城の地下牢から手枷をされた11人の襲撃者が王城の入り口に止められた真也特製の長さ4メートル幅2メートルの鉄格子の張り巡らされた鉄檻に詰め込まれてゆく


「こんなの聞いてねえ」

「出してくれ~」

「死刑は嫌だ~」

・・・・

適当な事を吹き込まれて襲撃に参加しただけなのに?

襲撃者達はそう思っているのかもしれない



王城前10時


襲撃者の入った鉄檻を引く3頭の馬

そしてそれを操る御者


襲撃者11人を閉じ込めた鉄檻を乗せた馬車は静かに王城を出るのだった。

ネイアー湖畔を回る大通りをゆっくりと進む襲撃者11人を閉じ込めた鉄檻を引く馬車がゆっくりと大通りを進んでゆく


「魔導士は死ね~」



魔導士達にさんざん好き勝手されて来た恨みを晴らすかのようにそう言って石を投げつける主婦


『ゴンッ』


「いてぇ~~止めろ~~止めてくれ~」


「魔導士なんて居なくなれ~!!」

そう言って恨みを石にのせ持っていた石を鉄檻の中の魔導士に投げつける


『ゴンッ』


「痛い痛い痛い止めろ~」


・・・・


捕まった襲撃者達は街の中を進むに従って民衆に石を投げつけられて血を流し服はボロボロになって行く


そんな時


「うをぉ~~~」

「うをぉ~~~」

「うをぉ~~~」

「うをぉ~~~」

「うをぉ~~~」

「うをぉ~~~」


街の中に居た男達が一隻に大声を上げて馬車に駆け寄って来る

檻の中に捕らわれた囚人たちは

「助かったぜ」

「助けに来てくれたんだな。ありがて~~」

「やったぜ!!」

一斉に喜びの声を上げた。


そして火球が


『ゴーーーーー』


っと御者台に座っている御者を襲う。

それを見た御者は御者台から飛び降りて


「ひぇぇ」


っと情けない悲鳴を上げて家々の間の路地に飛び込んで逃げてゆく。


襲ってきた男達は

「けっけっけ~情けねえ奴らだぜ」

「鍵を壊せ~」




頭だろう一人の男が叫んだ

それに従って全員が鍵を探すが・・・


「鍵がねえぞ」

「入り口の扉もねえ~」

「扉がねえことねえだろ!!もっと良く探すんだ馬鹿者!!」


皆が必死で探すが・・・

入り口の扉が無い!!


「クソ!!奴ら魔法か何かで入り口を塞ぎやがったんだ!!しょうがない皆檻を壊せ~~」


そう言ってハンマーで檻を殴るが・・・


『壊れない!!』


「何で壊れないんだ!!」

「この檻壊れないぞ!!」

「普通の檻じゃ無いぞ!!」


・・・

・・・


「クソ屋敷に逃げ込みたいがこれじゃ逃げ込めないな。しょうがないこのまま国境を超えるぞ」


そう言うなり御者台に男は飛び乗り馬に一気に鞭を入れた。

一気に飛び出す盗賊を閉じ込めた檻を引いた馬車


その馬車は一気に門を抜け国境に向けて走り去るのだった。


つづく・・・

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る