第321話 321.真偽の水晶

<真也>


アンドリュー国王の言葉を受け扉の外から


「直ぐに呼んでまいります」


と扉の外で控えていたであろうメイドさんの声が聞こえ


「カツ」


「カツ」


「カツ」


「カツ」


・・・


っと

小さな足音が部屋から遠のくように小さくなっていった。

うわぁ~外で控えている人って急に何言われるか解らないから大変だな

アンドリュー国王の言葉に、答えて走って行ったのメイドさんの声みたいだったけど、結構優秀なメイドさんなのかもな。


暫くすると

「コン」


「コン」


っとドアがノックされ


「エバンズでございます。王様のお呼びにより参上いたしました」


ちょっと渋めの40代くらいの男性の声がした。

「入れ」


とアンドリュー国王

メイドが両開きの扉を同時に空けるとエバンズと名乗った執事服の男が入ってきた。

「エバンズよくきてくれた。早速だが今日王城の中に居た者にオールデス家魔導士の密偵が紛れ込んでいる疑惑が上がった。


宝物子に保管してある『真偽の水晶』を出してくれないか。

そして今日城に出ている者は1人も帰さないように指示をしてくれないか。


そして一人ずつに『真偽の水晶』に手を触れさせたまま


『アーネストが首都ナルノアールに帰って来た事を城の外の者に知らせたか』


聞いて


『はい』




『いいえ』


を答えさせてくれ


おかしな行動をする者がいたら即刻ひっ捕らえよ」


「ははっ至急手配致します」


エバンズは一礼した後、直ぐに部屋を出て外で待って居た男性に何か指示を出しているよう。

指示が終わると直ぐにエバンズは白の中へと消えて行った。





それから数分が過ぎた頃




「王城内に居る全ての者に告ぐ


今日登城した全ての者よ至急一階ホールに集合せよ


繰り返す


今日登城した全ての者よ至急一階ホールに集合せよ」


王城の中全体に響く大きな声が聞こえて来た。


「アーネスト、あれは魔道具を使っているのか?」

俺は一番聞きやすいアーネストに聞いてみると

「原初の魔導士モノリス・ストレイア様の御作りになった魔道具で魔力を注ぎながら話すとあんなに大きく声を遠くまで届かせる事が出来るようになるようです」


あのエロ爺の作った魔道具だったのか・・

エロい事を除けば超~天才なんだがな


「婿殿我々も1階のホールに向かおうでは無いか。誰が密偵なのか儂もこの目で確かめたいからの~」


アンドリュー国王はそう言って微笑んでいるが、目が笑ってないよ・・

密偵だと解った途端に犯人を一気に切り捨ててしまいそうな感じだぞ



つづく・・・

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