第319話 319.首都ナルノアール新たなる産業
<真也>
正面の席に左からアンドリュー国王、キャロライン王妃がが座り、その横に俺、アーネストの順で座らされ、テーブルの左右にアリシャ、麗香、クララ、リリス、トリア、ナスティア、クリスが座りその後を国の重鎮が着席
集まった皆で話し合った結果、今日捕まえたオールデス家残党を使ってオールデス家残党を誘き出す囮作戦は明日朝10時から決行する事で決まった。
という事は、今日中にリトリア王国に帰って砂糖生産設備に取り掛かる事は出来なくなったって事だ。
やりたい事は一杯有るんだけど、次から次にいろんな問題が起こって、そのせいで全然進められていない!!
上手くはいかない物だぜ
『俺って巻き込まれ体質?』
なし崩し的に俺はナストレーア王国の内政に組み込まれ始めてる感じがするんだが気のせいなのか?
やっと一息って感じで俺はダラ~~っとした感じで気を抜いていた
「所で婿殿よ、ハンバーショップを作ると言う話をしておられたが、まだ出来ぬのじゃろうか?」
キャロライン王妃の横に座っていたアンドリュー国王が身を乗り出して何気なく俺に聞いて来た。
あ~
忙しくてしっかり忘れてたよ
それに作る場所が首都ナルノアールの中で確保出来ないんだよな~
「首都ナルノアールの中で『不思議の国のアリス』を作るような場所が無いので、王城横のネイアー湖を一部埋め立てて埠頭を作って建てようとしているんですけど今は計画段階なんで、まだしばらくかかりそうです。
ネイアー湖を一部埋め立てて『不思議の国のアリス』のハンバーガーショップを作っても宜しいでしょうか?」
「あ~是非やってくれ」
うん!!
なんとか誤魔化せたかな?
全然考えても無かったからな・・
転移門の事も有るから本格的に進めなきゃな!!
「もう一度ハンバーガーという物を食べてみたかったのじゃが、まだまだ先になりそうじゃの~」
おりょ?
アンドリュー国王?
単純にハンバーガーを食べたかったの?
「私も残念ですわ~あんな美味しい物私は食べた事がございませんでした。私ももう一度食べてみたかったですわ」
キャロライン王妃アンタもかい!!
今にも涎を出しそうな表情で思い起こしてるじゃねえかよ~
異世界人なんでジャンクフードに飢えてんだよ?
ジャンクフードって味が濃いから記憶に残りやすいんだろうな。
何かの時の為に
『俺の亜空間庫には目一杯出来立てを詰め込んでる』
此処は放出しておくか!!
「前回だしたハンバーガーはオーク肉のハンバーガーでしたが新しくハンバーグメニューを追加したので試作品を大量にもってきていますので皆さんに差し上げましょう」
そう言ってこの会議に出席している全員に2個づつ行き渡るようにテーブルの上にハンバーガーを放出しリリス、トリア、ナスティア、クリスにお願いして全員に配ってもらった。
決して俺が動きたく無かった訳じゃ無いんだぞ?
可愛い子から受け取った方が美味しく感じるだろ?
な?
な?
俺だって野郎から渡されるより可愛い女の子にあ~んしてもらう方が断然良い!!
『ムサイ男にあ~んされるなんて俺は絶対に嫌だからな!!』
「こ・・これは前のハンバーガーよりも断然美味いな!!」
「そうですね。k・・これは凄く美味しいです~」
アンドリュー国王、キャロライン王妃が食べるのを確認して重鎮さん達もハンバーガーに一気にかぶり付く。
国王を差し置いて先に食べるなんて事は出来なかったんだろう・・・
「おいひいぃ~」
「凄く美味しいです~」
「幸せです~」
「あ~生きててよかった~」
リリス、トリア、ナスティア、クリスはそういやハンバーグメニュー出来てからハンバーガー食べた事無かったな。
4人共満足そうに食べてるよ~
アリシャ、クララ、は食べてるから感動もそんなに無いみたいだが
「旦那様~これは美味しいです~」
アーネストはハンバーグメニューは初めてだから興奮して当然か!!
麗香は異世界人じゃ無いからハンバーガーなんて食べ馴れてる?
いや・・ジャンクフードなんてそもそも食べない?
『地球の世界じゃ美味しい物一杯有り過ぎるもんな』
「これは美味い物ですな~此れが首都ナルノアールでも食べられるようになるなんて夢のようですな。
話は変わるのですが、先日魔鉱鉄の魔法剣を作成する魔道具を作って頂いて凄く助かりました。
これで我が国の軍備も格段に進歩出来るでしょう。
ただ、魔法剣は他国の軍事力を増強する為、他国にには出せません。
今現状鉄を魔鉱鉄化しても、ナストレーア王国の産業に貢献出来ない状態です。
何とか魔鉱鉄を使った産業の育成は出来ない物でしょうか?」
この人はデインズ宰相だっけ?
流石宰相だけの事は有るな
ハンバーガーの話だけで終わるんじゃなくて、きっちりと国が発展する方向に話を持っていけてる!!
『デインズ宰相ってめちゃめちゃ有能なんじゃ?』
「魔鉱鉄を使ったナストレーア王国の産業に貢献出来る物ですか?」
「はいあの魔法剣は格別ですが、如何せんあれが他国に渡れば軍事バランスが一気に崩れます故産業の育成にはならないのです」
そっか~
産業の育成・・
そこまでは考えて無かったな~
生きる為に必要な物と言えば・・・
『まずは食べる事』
食べるって事は火が必要か・・
そして生きる為には水が必要
『火と水』
地球じゃ火を起こすのはマッチ?
イヤ・・最近はマッチなんて使わないかも!!
昔100円ライターなんて物が出た時は革命的だったもんな~
子供の火遊びで一時問題になったくらい簡単に火を付けれるもんな!!
この世界じゃ魔法が有るが・・・
モノリス・ストレイアの作った魔道具以外は
『魔法陣』
を使った魔道具!!
モノリス・ストレイアの作った付与魔法の魔道具も動かす為には魔石が必要
『魔鉱鉄を使えば?』
魔力を込めれば火を出せるんじゃ?
形状は?
小さすぎると扱いづらいし・・
〇ッカマンみたいな形状だったら扱いやすいかも!!
じゃ~
指揮者の使ってる・・
『タクト』
みたいな形状がいいんじゃね?
水は・・
水筒・・・だな!!
『魔鉱鉄で水筒を作って魔力を流すと水筒に水が生成できる』
そんな感じ!!
うをぉ~~
『俺って天才!!』
って事で亜空間庫に試作用に入れていた魔鉱鉄の塊を出して
『長さ15センチのタクト』
『茶筒のような形状の水筒』
2つを錬成
「おおお~~これは何ですかな?」
「何と凄い!!」
「流石じゃ」
う~ん皆ウザいな・・・
「あ~これくらいは普通なんで、あともう少しやらないといけないのでもうしばらく待って居て貰えますか」
そういって続きを考える俺
これくらいだったらエロ爺の技術にアクセスしなくても作成可能だぜ!!
タダ・・火と水の付与魔法は・・エロ爺の技術にアクセスしなきゃいけないから今の俺は止めといたほうが良い!!
そうすると・・・
「クララ、このタクトに魔力を注ぐとタクトの先から火を発生させる付与魔法を付与出来る魔道具と、この水筒に魔力を注ぐと水筒一杯に水を生成する付与魔法を付与する魔道具って作成できるか?」
そうクララに聞くと
「マスターでも作成できますよね?」
って不思議そうに聞いて来たので
「出来なくはないんだが、モノリス・ストレイアの技術にアクセスすると当然奴が出て来るんだよ!!クララなら解るだろ?」
「あ~そういう事でしたか。あのエロ爺邪魔ばかりしますね。早く消滅させないとですね」
そう言ってクララはあっという間に
『マッチ棒付与』
『水筒付与』
2つの魔道具をあっという間に作成してくれた。
もうクララ様様だな!!
俺はクララの作ってくれた魔道具で俺の作った魔鉱鉄のタクトに火を『マッチ棒付与』の魔道具を使用
そして俺の作った魔鉱鉄の水筒に『水筒付与』の魔道具を使用
さて上手く動くか・・
テストだ!!
魔鉱鉄のタクトを皆に向けて見えるように掲げ
「この『マッチ棒付与』の魔道具で魔法を付与したタクトに魔力を流すと火が・・」
と言って魔力をタクトに流すと、タクトの先に火が灯った。
それを確認して
「こんな風に火が灯ります」
そう言うと
「こ・・これは凄い!!これは革命ですぞ!!ナストレーア王国の産業に革命が起きますぞ~」
デインズ宰相興奮しないで!!
そのお歳で興奮すると血圧があがって心臓麻痺起こしちゃうよ?
「そ・・それでそちらの筒はどんな事が出来るのでしょうか?」
デインズ宰相興奮しすぎ~
「これは魔力を注ぐと水を生み出す魔道具です」
といってもう手品師の手品の実演?
水筒を逆さにして水の無い事を確認してもらい、魔力を注いだ後水筒を逆さにしてコップに水を灌ぐと・・・
アンドリュー国王が早速
「これは凄い事じゃ、ナストレーア王国の産業は鉄製品だけしか産業が無かったが、この2つの魔道具を作れるようになれば2つの魔道具の付加価値でこの国は潤うじゃろう」
ともう目の前に金貨の幻影が浮かんでいそうなくらい興奮している。
デインズ宰相も
「この魔道具は魔石要らず、詠唱要らずとは凄いものじゃ。今までは魔導士に高額な金額を請求されていた物が手軽に手に入るようになる。
流石はアーネスト王女様の婿殿となられるお方じゃ」
と大絶賛されてしまう。
俺・・殆どクララに頼っちゃったんだけど・・・
肩身が狭い・・
火をつける魔鉱鉄製のタクトは正式名称を『マッチ棒』として金貨1枚
水を生成できる魔鉱鉄製の水筒は正式名称を『水筒』として金貨5枚
其々ナストレーア王国の生産品としてナストレーア王国内及び国外に販売される事になった。
つづく・・・
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