第306話 306.眠り姫目覚めさせるには・・・

<真也>


まだまだ先と思っていたのに、心の準備が出来ていない内にリリス、トリア、ナスティア、クリスを全裸の箱入りで送られてきてしまった。



どうもアリシャ、麗香はエリザベス王妃から事前に聞いて打ち合わせしていたみたいだ。

クソッ!!

俺は嵌められてしまってたんだ。


貴族に生まれたからには、女性は政略結婚の道具としてしか見られない。

40歳とか50歳のエロ爺の所に15歳、16歳の少女が第五婦人とか第六婦人として政略結婚の道具として送り込まれるなんてザラなのだそう。


だからこそ政略結婚の道具にされかけたアリシャと麗香がこうやってリリス、トリア、ナスティア、クリスの4人を助け出す手伝いをしたって事なんだろう。


解ってはいるが・・・

『全裸で箱に詰めて送りつけて来る事は無いだろう!!』





そんな風に考えていた俺にアリシャは追加の爆弾を投下してくる。


「真也~なんかさ~もう一通メモが入っててね、眠ったままの彼女達を目覚めさせるには王子様がキスしなきゃいけないんだって~役得だね~シンヤ~~ふふふっ」


おい!!

アリシャ!!


何かあんちょこ棒読みだぞそれ!!

『何か仕組まれてる気がするんだけど・・』


やりたくねぇ~~

超~~やりたくね~~

絶対に何か有るだろ?


でもこの期待に満ちた視線は何なんだ~?

単に面白がっているだけなのか?


アリシャの言った事が本当なら・・・


『俺がキスしなきゃ確かに目を覚まさないんだろうな』



これじゃ~白雪姫の物語みたいじゃないかよ!!

しゃ~ないな・・


俺がキスして目覚めさせるしかないか




俺は箱の中に敷き詰められた花束の上に寝かされた全裸のリリスに身をかがめて



『ちゅっ』


っとキスして唇を放すと・・・


すると瞼をゆっくりと開けたリリスは


「真也様愛してます。一生お傍でお仕え致します」


そう言って俺に手を伸ばして


『ちゅっ~~~~』


っとキスを返してくるクリス

俺も

「クリスこれからよろしくな」

と社交辞令?だ


そしてトリア、ナスティア、クリスとリリスと同じように次々に俺の『キス』で目覚めさせると4人全員が全裸のまま俺に駆け寄り



「「「「真也様~」」」」


と俺に抱き着いてきたのだ。



「な・・な・・何だ~~何なんだ~~アリシャ、麗香た・・助けてくれ」

俺は情けない声で助けを求めたのだが・・・


アリシャは


「あらあら真也~もてもてじゃない。王家に伝わる魔道具の影響も有るのかしら~?効果は本当だったのかもしれないわね。私が使われなくて良かったわ~ふふふっ」


と怖い事をシレっと口走ったんだが・・

『何をしたんだエリザベス王妃~~~!!』



つづく・・・

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