第304話 304.婦人達のお茶会・・そして・・
エリザベス王妃の先触れを受けシエンナは念入りにお化粧し洋服を選び終わったが、普通とは違いお迎えの馬車まで用意してのお茶会おお誘いとあって待たせるわけにはいかないと、シエンナは時間になる前に館の前に出て馬車を待つ。
遠くから
『ゴトゴト』
『ゴトゴト』
っと馬車の近づく音が聞こえてきてくるが・・・
何時もと違うのは2人が騎乗した騎馬が前に先導しその後ろに剣を持った5メートもの高さのゴーレム馬車前後を護衛して歩いている事だ。
シエンナはゴーレムを見て一瞬動揺したが、シエンナの前で馬車が止まると、馬車のドアが開いてエリザベス王妃が直接降りてきてまたまたビックリ
そんなエリザベス王妃は
「シエンナ様この度は急なお誘いに参加してもらってありがとう。このアイアンゴーレムはアリシャの旦那様が王都を守るために寄贈してもらった物なの。これで王都も安全になるわ。シエンナ様馬車の中にどうぞお入りください」
と馬車の中に導き入れてくれる。
まさかエリザベス王妃が直々に乗っておられるとは思わず余計にビックリするシエンナ
馬車に入ると
「シエンナ様ご機嫌よう」
「シエンナ様お久ぶりでございます」
アレクシス侯爵家の奥様メイジー様と
ティーダ侯爵家の奥様ルーシー様が挨拶をしてくれる
アレクシス侯爵家、ティーダ侯爵家と回ってこられたみたいだ
「メイジー様、ルーシー様さまお久しぶりでございます」
約1か月ぶりに見る侯爵夫人達に挨拶を返す。
馬車は程なく出発しドミニク侯爵家でエリン様を乗せた後王城へと帰還
今回エリザベス王妃様が直接に馬車で迎えに来られた事も有り各侯爵家の婦人達も緊張しているように見える。
しかし・・急にお茶会を主催したエリザベス王妃は普段と変わりない様子で差しさわり無い世間話に花を咲かせ各侯爵夫人達は拍子抜けをした感じ
『普段通りで不都合なんて何も無かったわね?』
と安心した頃・・
エリザベス王妃は4人の前に真也から渡されたラウンドブリリアントカットされたダイヤのネックレスを差し出し
「これはアリシャの旦那様から皆さんへのプレゼントですって渡された物です。お受け取り下さい。ふふふっ」
とエリザベス王妃は笑みを浮かべた。
ラウンドブリリアントカットされたダイヤモンド
それはこの世界には存在しない物
『不思議の国のアリス』の雑貨屋で白金貨100枚で販売していた物を此処に居る全員が買っていたがそれは物凄く小さい者だった。
今目の前にあるネックレスはそれに比べて相当に大きい!!
婦人達の目の色が一気に変わり侯爵夫人達はお互いの顔を見合わせ
『ごくっ』
っと生唾を飲んだ。
その表情の変化を確認した後エリザベス王妃は
「実は皆様の旦那様であるアルフ・アレクシス侯爵、アイザック・ティーダ侯爵、ハーバート・エクムント侯爵、ジュリアン・ドミニク侯爵が現在造反を企てて国家転覆を狙っているらしいとの知らせを受けております。
王家への反逆は一族郎党全員死罪が常
国民に周知さえる為にも、このまま行けば、せっかく仲良くなった皆様も反逆を企てた一味として死罪にせざるをえません。
真也様もアリシャもリリス様、トリア様、ナスティア様、クリス様をこのまま死刑にする事に心を痛めております。
造反を諦めて頂く為にアリシャの旦那様になる真也様にあのアイアンゴーレムをリトリア王国全土に100基配置して稼働させました。
首都トリステインの街に10基、街の外に10基のアイアンゴーレムが周回して首都を守っています。
4侯爵家が連携したとしてもこれだけの装備の前には敵わないと思われます。
どうか皆様のご旦那様方に諦めて頂くよう、皆様方からもお願いして頂けないでしょうか?」
一番最初に言葉を発したのはハーバート・エクムント侯爵を夫に持つシエンナ
「エクムント侯爵家の当主ハーバートは今日事故死致しました。長男のロジャーにエクムント侯爵を継がしますのでよろしくお願い致します。うふっ」
そう言ってエリザベス王妃によって目の前に置かれたラウンドブリリアントカットされたダイヤのネックレスを手に取って恭しく一礼をした。
夫のハーバードの行動から薄々ハーバードの思惑を読み取っていたシエンナは覚悟を決めたのであった。
そしてアレクシス侯爵家のメイジー、
ティーダ侯爵家のルーシー
ドミニク侯爵家のエリンと次々に目の前に置かれたラウンドブリリアントカットされたダイヤのネックレスを手に取りながら、当主の事故死を宣言したのであった。
そしてお茶会が終わった夜遅く・・・
次々にアレクシス侯爵家、ティーダ侯爵家、エクムント侯爵家、ドミニク侯爵家の各家の当主は今後の対応を協議し答えの出ないまま疲れた表情で家に帰って来た。
アレクシス侯爵家ではメイジー夫人が夫アルフを木刀を持って出迎え
「貴方お帰りなさいませ。お疲れでしょう」
鬼気迫る表情の妻のメイジーに恐怖しながらも
「あ・・ああ~疲れた」
「そうですか。つかれましたか?それでは永遠にお休みなさいませ」
といった瞬間木刀を夫アルフに振り下ろした。
『バキッ』
「ギャー」
「アレクシス侯爵家を危機に落とすような者は死になさい」
『ボキッ』
『バコッ』
『ボキッ』
「た・・助けてくれ~~~」
「私達の安泰の為、大人しく死になさい!!」
「ぎゃーーーーーー」
・・・・
『ナム~~~』
結果から言うと、各家共に当主は全員、旦那様の顔はパンダのように顔に青あざ、肋骨数本が折れ、頭がい骨骨折、手足も骨折し瀕死の重傷
女性の非力では撲殺する事は出来なかったようだが、アレクシス侯爵家、ティーダ侯爵家、エクムント侯爵家、ドミニク侯爵家各家では回復魔法も掛けてもらえずにベッドでの療養生活がつづいたという。
噂では毎夜毎夜4侯爵家では鞭に撃たれる音と共に
「もっと~」
「痛くして~」
「ご主人様~」
とか・・
奇声が聞こえるようになったとかなんとか・・
こうして4侯爵家の反逆は未然に防がれたのであった
つづく・・・
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