第302話 302.王妃様に相談してみました。
<真也>
アリシャの言葉を聞いていたナスティアのメイドのハリエットは
「ハーバート・エクムント侯爵の奥様シエンナ様とエリザベス王妃様は仲が凄く宜しいのに・・
何故、こんな事になってしまったのでしょう」
ポケットのハンカチを取り出して涙を拭きながらも今にも崩れ落ちそうな体をなんとか保っている感じだ。
うをぉ~女の子を泣かしちまった~
泣かないでくれよ!!
『泣きたいのはこっちだ!!』
何で次から次にこう問題が起こるんだよ!!
アリシャは立ち上がりハンカチで涙を拭っているハリエットの後ろに歩いてゆくと、ハリエットの後ろから優しく抱き締めて
「ハリエット泣いても何も解決にはならないわ。私がどうにかしてあげるから安心しなさいね」
とハリエットの耳元で囁いている。
『人心掌握?』
アリシャって凄いよな・・
こんな時って漏れは自分の無力を実感するよ。
「アリシャ様に慰めてもらえるなんて凄く嬉しいです。でも・・
4侯爵家様が不穏な動きをしている中で、上手く抑える事が出来るのでしょうか?」
アレクシス侯爵家、ティーダ侯爵家、エクムント侯爵家、ドミニク侯爵家の4侯爵家が揃って反逆して失敗すれば一族全員反逆者として処分されてしまう
リリス、トリア、ナスティア、クリスも当然死罪・・
そんな未来は絶対に阻止しなければ折角助けたのに4人があまりにも可哀そうだ
「ハリエット貴方も私のお母様とエクムント侯爵の奥様のシエンナ様が仲が良いって言ったでしょ?
メイジー様はアレクシス侯爵家の奥様として
ルーシー様はティーダ侯爵家の奥様として
シエンナ様はハリエットも知ってるエクムント侯爵家の奥様として
エリン様はドミニク侯爵家の奥様として
お母様が主催する『リトリア王国婦人の会』の主要メンバーなのよ
真也、お母様を含め4人の侯爵夫人に喜ばれそうな贈り物とかしたいんだけど何か良い物持ってないかな?」
ナスティアのメイドのハリエットを慰めていたと思ったら突然俺に話を振るかなアリシャ・・・
油断してしまってた・・
何か無い?って急に言われてもな~
女性なら・・・・宝石かな?
「そうだ、こんな物でどうだ?」
そう言ってラウンドブリリアントカットされたダイヤモンドのネックレスを5本取り出した。
ちなみに、ラウンドブリリアントカットの方法はダイヤモンド加工の名門であるベルギーのトルコウスキー家の宝石職人が研磨方法を確立されたと言われている。
ダイヤモンドは光の屈折を計算されたブリリアントカットによりこんなにも輝いていると言って良い!!
この異世界にはまだない技術だ雑貨屋にもこれよりも小さいヤツ置いてたけど白金貨100枚で全部完売しちゃったんだよな・・・
あれってジルコニアで人工ダイヤだったのに白金貨100枚で売って良かったのかな?
買った人が原価知ったら卒倒してしまうかも・・
これは本物だしあの分よりも3倍くらい大きいから怖くて出せなかったんだ・・・
「凄い~~~私も欲しい~!!此れって雑貨屋で売ってたのよりも、相当に大きいわよね」
あ~アリシャも異世界人だもんな~
当然そういう反応になるよな
「アリシャの分は後から渡すよ。で・・こんなので良いのか?」
「うんうん~これなら奥様方も満足して率先して動いてくれるわ。早速王城に行ってお母様に相談しましょう」
アリシャって
迷いなく
『即断即決』
速えぇ~~
って事で早速王城に俺達は連れてこられてヘンリー国王とエリザベス王妃が俺達の対面に座って話をしているこの速さ・・
あれから10分も立っていないんだぜ?
驚きだよ!!
『俺達ってなんか最近王城の皆に顔パスだもんな~』
ヘンリー国王が早速
「あいつらめ!!
我が下手に出ておったら、4にんして造反してリトリア王国を乗っ取る相談をしていたとは許せん!!即刻ひっ捕らえて一族郎党全員死刑にしてくれるわ!!」
もうカンカンに怒ってしまってるんだが
エリザベス王妃が
「まぁまぁ~貴方落ち着きなさいな!!アレクシス侯爵家、ティーダ侯爵家、エクムント侯爵家、ドミニク侯爵家の4侯爵家全部の一族郎党全員死刑などにしてしまえば国が立ち行かなくなります。それにそれを察知されれば、逆にリトリア王国を4侯爵が一気に攻め落とそうと襲ってくるかもしれません。
それに!!
アレクシス侯爵家の奥様のメイジー様
ティーダ侯爵家の奥様のルーシー様
エクムント侯爵家の奥様のシエンナ様
ドミニク侯爵家の奥様のエリン様はは私達『リトリア王国婦人の会』の大事なお友達なのです。まずは私が奥様方を説得してみます
それで、真也様・・・」
そう言いかけ時アリシャが
「お母様これをお使いください」
そう言って5本のラウンドブリリアントカットされたダイヤモンドのネックレスを王妃に差し出した。
エリザベス王妃とアリシャは互いに意味深に見つめ合い、悪い微笑みを躱し合う。
『うをぉ~狸と狐の化かし合いって感じじゃね?』
エリザベス王妃とアリシャはやっぱり親子
似て欲しくない所まで似てるなんて・・
「ではそちらの方はエリザベスに任せるとしよう。
だが・・それでは少し弱い気がするのじゃ・・
欲深いあ奴らの事じゃ、もう一押し造反するには危険じゃと思わせる何か決定的な物は無いかの婿殿よ?」
ヘンリー国王もエリザベス王妃に尻に敷かれているダメ国王でも無かったか・
一応はちゃんと状況は把握出来ているようだけど・・・なんで俺任せになるんだ?
まあジャクソン家の魔導士達が居なくなってその分国の守りに余裕がなくなってきているから、そうなってもしょうがないか・・
「それでしたらナストレーア王国と同じく国境と首都トリステインの中をアイアンゴーレムを周回させて守らせれば良いのでないでしょうか?」
アーネスト第一王女が提案しちゃったよ
まあアイアンゴーレムを形作ってる魔鉱鉄はナストレーア王国産だしナストレーア王国はもうアイアンゴーレム設置は終了して街の中と外は明日から稼働だもんな
「アーネスト様我が国もそのアイアンゴーレムを貰えるのか?」
「当然宜しいんですよね旦那様~~?」
え~それ俺に聞くんだアーネスト・・
「は・・ハイ・・ダイジョウブ・デ・ス・ヨ?」
「おお~では早速騎士団に先導させて首都トリステインの街の中を練り歩かしながら市民に声を掛けさせようではないか!!
フレディ騎士団長~フレディ騎士団長はおらんか~~」
今すぐ呼んで居るはずないよねヘンリー国王
ヘンリー国王もせっかちなんだから!!
「フレディは此処に居ります」
オイ!!
居たのかよ?
もしかして。控えさせていた?
最初からこう持ってくるつもりだったのか?
ヘンリー国王もエリザベス王妃も怖ぇ~~怖えぇ~~~よ!!
早速フレディ騎士団長達騎士団員が馬に騎乗し10基のアイアンゴーレムに先導し街の中を練り歩くのだった。
つづく・・・
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます