第299話 299.突然の訪問者

<真也>


アリシャへ訪ねて来た訪問者だったが確認する事も無くアリシャは俺に手を絡め、それに続いてアリシャ、麗香、クララ、アーネストの順で『不思議の国のアリス』のハンバーガーショップで待って居るというアリシャを訪ねて来た訪問者に会う為に館を出てハンバーガーの売り場へとうさ耳アリスちゃんの先導で俺達は歩いてゆく。


「相変わらずお客さんが多いな」

ハンバーガーショップに並んだお客さんを見ながら俺が呟くと

「この時間は毎日こんな感じですよ。10人の売り子さんで回していますがそれでもこの状態です。オーク肉の時はこんなに並んでいなかったんですけどハンバーグメニューが追加されてからもう商品が無くなるまで延々とこんな状態が続いています」


俺達を先導して歩いているうさ耳アリスちゃんが最近の状況を教えてくれる。


うをぉ~


この混雑は俺が原因かよ~!!


『ハンバーグメニューを増やしたのは私です・・・すみません・・』


もしかしたら、落ち着くまでメニューは増やさない方が良いかもな。

今日からポップコーンメニューを増やしたせいもあるんだろうな・・・


それに雑貨屋・・始めたから

「雑貨屋の方も相変わらずの行列作っているな」

「そうですね。雑貨屋さんは数量制限していますが・・どうも他国の行商が人数を投入して最大購入数を購入させているのも混んでいる原因だと思われます」


皆に行き渡るように購入数を制限した事が逆に混雑させている原因になってるなんて笑えねえ~

「購入制限を外すか?」

俺がそう言うとすかさず


「それはお止めになった宜しいかと思います。購入制限を外した途端に一つの商会に品物を全部持っていかれてしまい、他の人が買えなくなってしまいます」

とうさ耳アリスちゃんに顔を青く染めながら懇願されてしまった俺


全部俺のせいなのか~!!


ごめんなさい


ごめんなさい


ごめんなさい


ごめんなさい


・・・


・・・


混雑しているハンバーガーショップの売り場の後ろの方に真っ白なワンピースを着た身長170㎝位の見た目高校生位の立っている少女に思わず惹かれてしまう・・・

異世界の女性ってどうしてこうも美少女が多いんだ


清楚で何処かの貴族のお嬢様って感じだ


「アリシャ様アリシャ様にお会いしたいと言ってきたのは、あの白いワンピースを着た女性です」


そう言って俺達を先導してくれていたうさ耳アリスちゃんが腕を上げワンピースの少女を指さしてくれた。


思わずビックリだよ!!

何気なく見つめたワンピースの少女がアリシャを訪ねてきた訪問者だっただなんて


『これは運命?』


『これはもうお近づきになるしかないか』


いやいや!!

ダメだ!ダメだ!!

これ以上嫁を増やしたらアリシャや麗香に何言われるか解ったもんじゃない

まだ俺は死にたくない!!

間違っても、そんな恐ろしい事は出来ない


俺の腕に手を絡めたアリシャの方に視線を移すと、アリシャは首を傾げて

『誰なんだろう????』

って感じでクエスチョンマークを一杯頭の上に浮かべた表情をしている。

アリシャはあの少女を知らないのだろうか?


そんな風に思いながらも、俺達がその白いワンピースを着た少女の方に向かって歩いてゆくと、その少女は俺達に向かって深く一礼をした後、胸元に手を入れて何かアルファベットのℝに似た造形の付いたネックレスをアリシャに見せてきた。


アリシャはそれを見て


『うん』



っとと一回深く頷いた。

アリシャはその少女が何処から来た者なのか一見して解ったようだが俺はさっぱりだ。

アリシャがここで何も言わないって事は訳アリなんだろう


つづく・・・

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る