第283話 283.アイアンゴーレム試作
<真也>
オールデス家の残党だろう襲撃者を追って帰って来た騎乗した騎士からの報告を聞いていたアンドリュー国王は馬車の中から顔を覗かせ
「ご苦労であった。もう魔導士国家の建国など夢物語となったのに、まだ夢を諦められぬ奴らが居るとはの~哀れな奴らじゃ」
と騎士達に声を掛けている
俺は一度馬車を降りアンドリュー国王の馬車の前に向かうと
「アンドリュー国王オールデス家の襲撃犯にはクララが目印を付けたそうです。ゴーレムの試作が終わったらオールデス家の残党がこの町に潜伏しているようであれば一網打尽にしますので安心してください」
「婿殿の仲間は優秀な者が多いの~流石じゃ。くだらん奴らに邪魔されて本来の目的を忘れる所であった。早くアイアンゴーレムを見たいぞ、早速出発しよう」
俺が馬車に乗り込むと馬車は静かに動き出した。
その後俺達の馬車はオールデス家の魔導士達に攻撃される事無く鉄の精錬所に着いた。
精錬所の前には真っすぐな大通りが門まで一直線に通っており遠くに霞んで見える城壁からは引っ切り無しに鉄鉱石を積んだ馬車が鉄の精錬所に向かって列をなして入ってきている。
「凄い馬車の数だな」
そんな俺の呟きにアーネストは
「デノアール山脈から産出される鉄鉱石をノール渓谷を通って馬車でここまで運んできて精錬しているのよ。この大陸の4分の3の鉄製品はナストレーア王国で生産されているの。でも鉄のせいでそれ以外の産業が育っていないっていうデメリットも大きいわ。他の産業も育てたいのだけれど私の旦那様なんとかならない?」
っていって俺の顔を上目使いに覗き込んでくる。
『超美少女がそれやると半端ねぇ~』
アーネストのその仕草に思わず
「お・・おおぉ・・・な・・何か考えてみるよ」
「ふふぅ~流石私の旦那様頼りにしてますわ」
「くくっ」
「くすっ」
「あらあら~」
アリシャ、麗香、クララが俺のそんな表情を見て同時に笑う
「何なんだよ~皆で俺を見て笑いやがって~」
・・
「可愛いなって思って~」
「可愛いですわよ」
「マスター食べてしまいたいです~」
はぁ~
こりゃ~何を言っても言いくるめられるパターン・・だな・・・
そんな事を話している内に、俺達の乗った馬車の編隊は次々に鉄の精錬所の広大な敷地の中に入って来ていた。
俺達が乗って来た馬車は精錬所の中にある大理石だろう石作の3階建ての建物の横に止められ、次々に馬車から下車し一度集まった後、その3階建ての建物に入った。
この建物はこの精錬所を管理している管理棟も兼ねているっぽい
俺達はその大きな3階建ての建物の中の最初の事務所だろう場所を通り抜け大きな会議室に入り、机の上に広げられた地図を見ながら工場の説明を聞いた。
説明を聞いた後3階建ての石作の建物の奥の扉から外に出ると溶鉱炉が3つ並んでいる場所へと続いていた。
どうも3階建ての建物を通らないと溶鉱炉には来れないみたいだ
3基の溶鉱炉の内2基は鉄のインゴットを作り、残りの1基は直接鋳型に鉄を流し込み剣や槍などの武器や鉄製の部品を作っているよう。
その1基の溶鉱炉に行くと
「此処で何かするのかな?」
アンドリュー国王が不思議そうに俺に聞いて来た。
「この溶鉱炉から流れ出る解けた鉄を使ってゴーレムを作ろうと思ってます」
そう俺が言うとアンドリュー国王が
「へっ?」
っと素っ頓狂な声を上げてしまう
え?
何?
これ不味かった?
俺はクララの方を見て
「クララ俺まちがってはいないよな?な?」
そんな不安そうな俺の表情を見て
「くすっ」
っとクララは笑った後
「マスター溶けた鉄じゃ無く鉄の塊からでもゴーレムは作れますよ?」
って可愛くウィンク
「おお~/(^o^)\ナンテコッタイ。俺は溶けた鉄じゃないといけないって思いこんでたよ~流石異世界ミラクルだぜ~~」
そう言いながら頭を抱えてしまってた俺
「でも鉄の分量に合わせたゴーレムの大きさになりますから溶けた鉄ならば大きさを合わせながらゴーレムを作成できますから合理的だと私は思いますよ~?」
う~んなんとなく褒めてくれてる感じ?
それとも俺クララに慰められてる?
アンドリュー国王が溶鉱炉を担当している責任者に事情を説明してくれたようだ。
俺の所にアンドリュー国王に指示された責任者だろう30手前位の男性が俺の所に歩いて来て
「私は一号炉の責任者をしておりますレイノスと申します以後お見知りおき下さいませ。して私は何をすればよろしいのでしょうか?」
俺はここの溶鉱炉の仕組みを責任者のレイノスから教えてもらった
馬車で持ってきた鉄鉱石は一段高い場所に降ろされてそこから溶鉱炉に投入
投入された鉄鉱石が解けると、解けた鉄が2段目の窯に流れ出る
その流れ出た溶けた鉄を色々な物に加工するらしい。
って事は
『2段目の窯の溶けた鉄を魔道具で魔鉱鉄化した後ゴーレム作成』
って手順で良いだろう!!
一号炉の責任者のレイノスさんにこれからする事を説明し
2段目の窯の溶けた鉄を
『魔鉱鉄化』
取り出した真四角のゴーレム核
何の素材で出来ているか不明だけれど黒っぽくてピカピカ光っている素材みたいだ
そのゴーレム核を地面に置きその上に溶けた窯の中の真っ赤に溶けた鉄を注いでゆくと、真っ赤に焼けたままの鉄がゴーレムの形を形成してゆく!!
次第に地面からせり上がり俺よりも高く・・高く・・
高さ5メートル位になった所で溶けた鉄を注ぐのを停止
出来たゴーレムは真っ赤に焼けたままだが
『まるでアニメに出て来るロボット!!』
あ~でも何も武器を持っていないゴーレムも威圧感無いな~
『剣とか持たしたら結構かっこ良いんじゃね?』
って事で長さ2メートル位の剣を持たせてみました~~
『超~~かっけぇ~~!!男のロマンだぜ~~えぃ~!!』
うんうん良いな~良いな~
剣に火炎弾の付与魔法を付けたら完成?
って事で
『火炎弾と火属性の魔法を付与魔法を剣につけてみました』
火炎切りなんて出来たら最高じゃね?
溶けた『魔鉱鉄』が余っていたので剣を錬成し
火属性の『火炎弾』の剣 100本
氷属性の『アイスニードル』の剣 100本
合計200本を錬成
あ~みんな口をあんぐり開けて固まっちゃってるよ・・・
真面なのは・・
アリシャと麗香とクララだけ・・・だな・・
アーネストは・・・ダメだな・・アーネストには俺の能力見せて無いもんな~
どうすっかな~これ~~・・・
『魔鉱鉄化』の魔道具もゴーレムの魔道具も全部あのエロ爺の作品なんだけどな~
おれの能力じゃないって言ってもダメだろうな~
『あ~説明とか面倒だ~~』
つづく・・・
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