第281話 281.溶鉱炉へ向かう途中・・・
<真也>
ナストレーア王国の首都ナルノアールは周囲10キロのネイアー湖の周りに発展した人口300万人の水都である。
綺麗な湖畔の街である事から夏の避暑地としても人気が高く切り立ったノーア山脈とデノアール山脈の山頂は万年雪が降り積もっており夏場のスキー客も多いらしい。
そしてデノアール山脈からは鉄鉱石が産出されるという事をアリシャから聞いていた。
鉄の産出と共に、鉄製の武器の製造も盛んでナストレーア王国はアトランテ大陸の中で実に半分の鉄製品の製造をナストレーア王国の首都ナルノアールで行っているらしい。
鉄を精錬する溶鉱炉はここナルノアール城の丁度湖の真正面に見える反対岸に黙々と煙を上げている高い煙突の有る場所に立てられているらしい。
歩くと結構距離が有るみたいなので馬車10台に分乗して溶鉱炉のある場所まで移動するみたいだ。
最初の馬車には
アンドリュー国王
キャロライン王妃
だけが乗車
アーネスト第一王女も一緒じゃないの?って思ったら・・
俺の袖をしっかりと掴んで離れません?宣言されちゃってる感じなので
アンドリュー国王が残念そうに
「ではまた後でな」
と言っていたのが印象的だった。
2台目の馬車に
俺
アーネスト
アリシャ
麗香
クララ
5人が乗車した。
アーネストが俺の袖を掴んで離れません宣言?している手前、アリシャが俺の横をアーネストに譲った感じになってしまってたけれど、アリシャ、麗香、クララの女性陣から嫉妬が無かったのは何故?
何時の間にか女性陣仲良くなってるんですけど・・・
今も俺を除いたアリシャ、アーネスト、麗香、クララが女性陣だけで仲良く他愛もないおしゃべりに夢中
『この中の良さは何?・・不安だ~~』
そしてこの疎外感は何だ~~!!
後の馬車に会議に出席していたナストレーア王国の重鎮達が各馬車に分乗して乗車
そしてその馬車の周りを、騎馬に乗った騎士達が取り囲んで大移動となってしまった。
周囲10キロのネイアー湖の周りに発展した首都ナルノアール
その湖の恵みを受けて街の中は相当に賑やかだ。
俺達は馬車の中からそんなナルノアールの街の中を見ながら大通りを北の方向に進んでゆく。
魔獣のスタンピードの影響は城壁の外の小麦畑が魔獣に踏み荒らされ、首都ナルノアールの周りの平原での今年の小麦の収穫が壊滅的な事くらいらしい。
首都ナルノアールの街の中は、正門から王城に抜ける大通りに面した家々が破壊されたくらいでそれ以外の首都ナルノアールの街の中は奇跡的に大丈夫だったみたいだ。
首都ナルノアールの街の中も犠牲者が居なかった訳では無く、非難し遅れた住民1000人近くが犠牲にはなったらしい。
人口300万人の内の1000人の犠牲者
割合としては微々たる物?
そう感じる事も出来るが、俺達が集めた魔獣の影響で死んでしまったと思うと心が痛む・・
やってしまった事はしょうがない!!
『俺に出来る事は手伝うさ』
それがせめてもの償いと思おう!!
正門から王城に向かう大通りは至る所で壊れた家の修理をしていたが、王城から1キロも離れると魔獣のスタンピードの影響すら見えない古い町並みが立ち並び多くの人々が道の脇に避け珍しそうに俺達の乗った馬車の隊列を見ている。
馬車の隊列の前方を先触れの馬に騎乗した騎士が先行し人々を道の脇に避けさせているみたいだな。
突然クララが外に向かって手を翳したと思ったら
「マスター結界を発動します敵襲です!!」
と言った瞬間
「ドドドドーーーーン」
っという物凄い音と共に俺達の馬車の周りを爆炎が飲み込んだ。
つづく・・・
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