第278話 278.ナストレーア王国国防会議

<真也>


先頭にアリシャ、麗香。クララ、そしてナストレーア王国の第一王女のアーネストが歩いている事でモーゼの海が割れるシーンの如く道行く人が俺達を避けて人の波が割れてゆく。

王城に着き俺達は即時に王城の中に案内される。


俺達の案内役として国王達はアーネスト第一王女指名して俺達を迎えに来させたのだろうか?

結果的に俺達はスムーズに王宮まで来れたのだから感謝だな。


俺達は案内の執事さんの後に着いて王城内を歩いてゆくとひと際大きな両開きのドアが有り、武器を持った騎士が2人ドアの両脇に控えている


執事さんはそのドアに進み出て


「真也殿が来られました」


そう言った瞬間両開きのドアの両脇に居た騎士が手前に扉をゆっくりと開け始める。

開き始めた扉の向こうの一番奥にはアンドリュー国王とキャロライン王妃が座っているのが見え、部屋の真ん中に一列に長く置かれたテーブルの両脇には鎧姿の騎士や高級な織物で作っているであろう豪華な装飾のある服を纏った人達が鎮座していた。


「良く来られたな婿殿。席は人数分開けておるのでこちらに座ってくれぬかな。アーネスト何も言わずに出て行ったと思ったら婿殿を迎えに行っておったのか。アーネストも婿殿の傍に座りなさい」


アンドリュー国王が俺達に言葉を掛けると、メイドさん達が俺達5人に一人づつ付いて俺達を席に案内してくれるようだ。

どうも先触れを出して俺達の人数を把握し、王様の席の隣になるように先に席をずらしてくれていたようだな。


一番奥の前の席には左からアンドリュー国王とキャロライン王妃が座っていて

キャロライン王妃側の左側一番手前からアーネスト第一王女、俺、アリシャ

アンドリュー国王側の俺と対面に麗香、クララの順で席に着生する。


見回した所、何人かは王城の中で助けた顔ぶれも居るが、殆どは知らない人ばかりのようだ。

アンドリュー国王が


「ナストレーア王国の重鎮達も半分以上オールデス家の陰謀により殺害されてしまってな、急遽残った人員で有能な者を集めて急場凌ぎではあるが要職に付いて国を動かせる者を任命した所だ」


そう言った後、各大臣やら、将軍やら、騎士団長とか紹介されたけど人数が多くて覚えていない・・


『NPCの方ごめんなさい』


ゲーム扱いするのも悪いな・・

どうせクララが覚えてくれているだろう!!


イヤイヤ俺も少しは覚える努力しないとな・・



ナストレーア王国の主要メンバーの商会が一通り終わると

「早速だが、今現在ナストレーア王国の北に位置するドストル帝国の動きが活発になっているとドストル帝国に潜り込ませた密偵から報告が上がっておるのじゃ。

多分じゃがジャクソン家とオールデス家の魔導士達がクーデターに失敗して殲滅された事がドストル帝国側に伝わって居ると考えていいじゃろう。


魔導技術の進んだドストル帝国の事じゃ、魔導士の居なくなって戦力の弱くなったとドストル帝国に思われているナストレーア王国やリトリア王国を攻めて来るのも時間の問題じゃろう。


助けてもらった上に虫のいい話だと思うのじゃが婿殿のあの魔獣のスタンピードを治めた実力を見込んで、ドストル帝国に対抗出来る対策をお願いしたいのじゃがどうじゃろうか?」




ナストレーア王国がこんなにも弱体化してしまったのは俺達にも責任があるから断る訳にはいかないよな~


『アンドリュー国王もキャロライン王妃もなんでそんな期待した視線で俺を見るんだ~~?』


俺には何にも力なんて無いんだぞ・・・

俺だってタダの大学生なんだ!!


アンドリュー国王の言葉に20代後半だろう髪を短く刈り込んだ金髪のイケメン?たしかアルバーン騎士団長?ってアンドリュー国王が紹介してた人物が


「ドストル帝国の手の者と思われる怪しい輩が、最近首都ナルノアールの街で複数目撃されております。オールデス家の親族がクーデター前に全員北の方角に向かったのが目撃されていますからオールデス家の親族からクーデターの情報が漏れ首都ナルノアールの状況を確認に来たのかもしれません」


その言葉に反応して40近くのちょっと額の後退したおじさん風?のコリンズ諜報室長?だったかが

「ドストル帝国とナストレーア王国の国境付近でワイバーンに騎乗した兵士の姿を目撃したと報告が上がっています」


と報告

「ドストル帝国はワイバーンも使役しているのですか?」

俺はビックリして聞いてみると


再度コリンズ諜報室長?が

「ワイバーンの卵を巣から取ってきて卵を孵化させてヒナから調教すると人間に忠実なワイバーン部隊が作れるのです。

密偵からの報告では数百匹のワイバーンを使役しワイバーン部隊を編成しているとの事です」


「それって上空からの攻撃にも対応しなきゃいけないって事だよな」

「そうでございます」



うをぉ~上空からの攻撃にも対応しなきゃいけないなんてめっちゃ厳しいじゃんかよ・・

どうしたら良いんだ?

それに上空からだとナストレーア王国だけの問題じゃ無くリトリア王国側も対策しなきゃいけないって事じゃん!!

上空からの侵入を防ぐのはどうやったって無理だろ!!


つづく・・・

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