第272話 272.落ちましたね
<真也>
「次の肩どうぞ」
麗香達と話していたら、綺麗な澄んだ声で受付嬢に声を声を掛けられてビックリして振り向くと
16歳近くの高校生位の顔立ちの身長170㎝位の少女が満面の笑顔で俺を出迎えてくれる。
『受付嬢の容姿のレベルが半端ねぇ~』
アリシャやクララには敵わないが、麗香といい勝負?
勝負してそうすんじゃい?
そんな感じの女性が俺の前に居た。
アリシャの嫉妬が怖いから出来るだけ反応しないようにしよう・・
「真也という物ですが、ナストレーア王国の事でギルドマスターをしているラグアシェルさんにお会いしたいのですが許可を取って頂けないでしょうか?」
一応平静を装ってゆっくりとした口調で受付嬢にお願いをする。
「ギルドマスターとはどのようなご関係でしょうか?」
受付嬢がそう聞き返してくると、それを聞いていた他の受付嬢が
「ハンナその方の手配は私でするから良いわ。ハンナは次の方の処理をお願い」
そう言った後、その受付嬢は
「私はヴァイオレットでございます。真也様ギルドマスターを呼びに行かせますので、担当者を付けますので今しばらく待合スペースでお待ち頂けますでしょうか」
そう言って頭を下げて来る
受付の奥に向かって
「ロッティこの方達を待合室に御通しして。その後真也様が来られた事をお伝えしてギルドマスターを呼んできてもらえるかしら」
そう受付嬢が声を上げると、受付の奥から20歳くらいの金色のストレートの髪をした女性が出てきて俺達を待合室に案内してくれる。
ヴァイオレットさんもどう見ても高校生くらいにしか見えないんだが、皆に指示しているって事はヴァイオレットさんってこの受付を仕切っている?
俺達を待合室に案内してくれたロッティさんが直ぐに帰ってきて、ギルドマスターの執務室に案内してくれると、執務室の外で待っていたギルドマスターが出迎えてくれて
「姫様、真也様早速来て頂いてありがとうございます。ささどうぞお入りくださいませ」
と執務室の中に案内してくれる。
俺は早速ナストレーア王国のアンドリュー国王に連絡を取ってもらおうと
「早速ですがナストレーア王国のアンドリュー国王に連絡を取って国防の事で目途が立ったので明日会いたい旨を伝えて欲しいのです」
「ほうもう、ナストレーア王国の防衛についての策が出来たという事でしょうか?」
「そういう事になります」
「もしかしたらそれを使ってナストレーア王国がリトリア王国を攻めて来るかもしれませんよ?」
「それは・・・」
そこまで考えてはいなかった・・
俺はクララの方を一瞬見ると
『うん』
っと頷いて微笑みをかえしてきた。
大丈夫・・っていう事だろう
そこはあのエロ爺が対策済みって事なんだろう。
あのエロい所さえなければ超~天才なんだがな~
残念な奴だぜ・・
「それは対策済みです。悪用は出来ないようにしていますので安心してください」
「そうですか。それでは少々お待ち頂けますか。今すぐにナストレーア王国のギルド本部に連絡して返事を貰うように手配してみます」
そう言ってギルドマスターラグアシェルは執務室を出て行った。
それと入れ替わりに先ほど俺を案内してくれたロッティが紅茶を持って執務室に入ってきて、俺達に紅茶を配ってくれる。
俺は
「ありがとう」
と言った後机の上にイギリス産のクッキーを山盛り排出
するとアリシャ、麗香、クララが一斉に摘まんで食べだしてしまう。
あ~そう言えば食事まだだったな・・
ロッティも羨ましそうに見ている?
『涎でてんぞロッティ?』
この世界ではお菓子なんて超~高級品?なのかもな
砂糖なんてめちゃめちゃ高いしな
果物から砂糖抽出なんてめちゃめちゃレアだろ
「ロッティさんも食べてみますか?」
って聞くと
「え?良いんですか?」
って控えめに聞いてるけど・・瞳はめちゃめちゃ食べたいオーラ出してますよロッティさん?
「ええ~どうぞどうぞ~美味しいですよ?」
と声を掛けると山盛りのクッキーの山から一つクッキーを手に取って両手でクッキーに手を添え
『カリッ』
っと一齧り
「美味しい~凄く美味しいです~」
もう瞳からキラキラとお星さまのイフェクトが出てきそうな満面の笑顔で悦楽の言葉
ロッティの手に持っていたクッキーはアッと今にロッティの口の中に消えて言っていた
心残りなように何も無くなった自分の手を見ているロッティ
俺はクッキー25枚入りの紙包みを10本ロッティさんに手渡して
「皆さんで分けて食べてくださいね」
と声を掛けると満面の笑顔で
「ハイありがとうございます」
そう言ってお辞儀を何回もした後風のように去っていったロッティさん
残った麗香、アリシャ、クララがそれを見て一斉に頭を抱えてるんだが・・・?
『俺って何か不味い事しちゃった?』
クッキーあげただけだからセーフ?だと思うんだが?
「落ちましたね」
「あれはもう駄目ですね。完全に餌付けされちゃってますね」
「全く自覚なしですねマスターは・・」
小声で3人でヒソヒソなにか喋ってるんだが・・
俺の事なのか?
つづく・・・
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