第260話 260.エロ爺の亜空間収納ってまだ残ってるの?

<真也>


旧ジャクソン家の敷地に建つハンバーガーショップ『不思議の国のアリス』は今では王都では知らない者が居ない程有名になっているらしい。


それに

『不思議の国のアリス』

の敷地を囲っている高い塀沿いには色んな露店が出ていて、まるで日本のお祭りの時に出る露店の風景を思い出す。


無断設置の露店群

この世界では普通?

うちのハンバーガーショップであぶれた人達が、こっちの露店にこうやって人が集まってくる事は相乗効果が出て有る意味良いのかもしれない。


大通りをアリシャ、麗香、クララを連れて歩いてリトリア王国のギルド本部まで歩いてきてギルド本部の開け放たれた重厚な両開きのドアを潜ってギルド本部の中に入ると、ギルド本部の中のホールは夕方の時刻という事もあり相当に混んでいた。


その中でも俺達の姿を見つけたのか、ギルドの受付嬢の一人が俺達に走り寄ってきて

「真也様早速来て頂いてありがとうございます。ギルドマスター室へご案内致しますので私の後を付いてきていただけますか」


そう言って俺達を先導してギルドの中に入って行く。

この時間帯は、俺は麗香とクララを連れてこっちの世界に来る時間だから、館の誰かが大体の時間を館に来た人間に伝言していてくれたのかもしれない。


受付嬢がギルドマスター室のドアを


『コン』


『コン』


っと2回ノックした後

「ラグアシェル様、真也様をお連れしましたので入ります」

と言ってそのままドアを開けてギルドマスター室に入ったんだが?


『ギルドマスターの返事も聞かずに入っていったけど良いのか?』



最初から俺達が来るのを解っていたみたいな・・・

まさか、魔道具とかで俺達の行動、ギルドマスターに筒抜けになんてなってないよな?

こうあっさりと通されると逆に不安になって来るぞ!!


「おおよく来てくれたな。まあ座ってくれたまえ」

そう言って俺達をギルドマスターの反対側の席に誘導する。

アリシャ、俺、麗香、クララの順にギルドマスターの対面に座った後

「ナストレーア王国のアンドリュー国王から私に頼みたい事が有ると聞いたのですがどんな事なんでしょう?」

「ナルノアール・ギルドのギルドマスターのクラークが伝えて来た事によると、ナストレーア王国の軍事面で不安が有るのでどうしたら良いか真也様に相談したいとアンドリュー国王が直々にお願いに来たそうだ」

「あ~ナストレーア王国軍40万の喪失とオールデス家の魔導士軍団のクーデターでナストレーア王国の魔導士達を俺が殲滅させちゃいましたからね」

「そういう訳でナストレーア王国と隣接する軍事大国のドストル帝国の動きが活発になっていて今ナストレーア王国は大変らしい」

「そうですね~リトリア王国と違ってジャクソン家とオールデス家の共闘した陰謀でナストレーア王国軍40万人を喪失してますから人員的に厳しいですね」

「今ドストル帝国がナストレーア王国に攻め入って来たならば簡単に攻め落とされるだろうな」

ラグアシェルの核心を突いた話に皆一斉に無口になる


俺達のせいでもあるんだよな~

放ってもおけないよな~~


リトリア王国は兵については問題なかったから『ハンドガン』の魔道具を作ったけど、ナストレーア王国の方は『ハンドガン』に対応出来る兵自体が居ないもんな~



どうすっかな~~


異世界物のアニメの世界とかじゃゴーレムなんて物もあるけれど・・・

モノリス・ストレイアの魔法とかでも確か・・ゴーレム有ったよな?


でも・・


俺ゴーレムの事についてはあまり良く解ってないんだよな~

クララから一度聞いた話ではモノリス・ストレイアの弟子の1人に教えたゴーレムの魔法は操り人形のように土人形を作って操る魔法だったハズ?

「クララ、モノリスの作った魔法で確か・・・ゴーレムの魔法が有ったよな?あれってどんな物なんだ?」


「前にもお話しましたが、ゴーレム作成の魔法陣を起動してゴーレムを作成して1体のゴーレムを自分の手足のように動かす事の出来る魔法です」


「それって1対1って事だよな」


「はい」


そうだよな~アニメみたいに自動で判断して動くなんてゴーレムは居ないよな・・

ダメモトで聞いてはみるか

「クララ、ちなみに敵の攻撃に複数のゴーレムが自動迎撃出来るようなヤツは無いよな?」

「エロ爺が数千体試作品を作っていたみたいですが、その後直ぐに私達アンドロイドが開発された為、アンドロイドのように自立型で無かったゴーレムは結局使われないままでした」


おお~複数操作可能なゴーレム有ったのかよ!!」


「クララ、それは何処に有るんだ?」

「エロ爺の収納の中に収納されたままでした」


エロ爺の収納の中?


あちゃぁ~~それってダメじゃん!!

「エロ爺はあのスライムに捕食されちゃったから、それってもう無理じゃん」

俺はそう言った途端ショックで自分の頭を両手で押さえてしまってた。


そんな俺を見てクララは

「現地に行けば、マスターならば収納の亜空間を開けて中身を取り出す事が出来ます」

と思わぬ返答!!


「え?エロ爺が死んじゃっても収納残ってるの?」

「ハイ残ってますよ?」


つづく・・・

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