第252話 252.これはもはや芸術ですね~~いえ・・失言でした

<真也>


「ギャーーー」

「ぶぎゃ」

「ぐをぅ」

「ふげっ」

「ぐぎゃー」

アリシャは結界を槍のように鋭く変形させてドンドンと山賊達の手足を撃ち抜いてゆく

俺はといえば・・

剣を持って切りかかって来る山賊達がうっとおしくて、山賊達の装備や服全部を空間庫に収納


俺って攻撃するより空間庫に収納すれば全部解決するんじゃ?

『でも空間庫に収納してて再度外に排出した時に攻撃されても嫌だしな~』


兎に角、攻撃されるのは精神的にキツイので総部を全部俺の空間庫に格納

アリシャは


「いや~」

「変態~~」

「変な物私に見せるな~」

「モゲロ~~」


そんな奇声を上げながら、手足と目についたピーちゃんを貫いてゆく

『ピーちゃんを貫かれたご愁傷様な元男は第二の人生を楽しんでほしい・・ナム~』


砦の中を見渡してみて立っている山賊の姿が見えなくなったみたいなので、一旦結界を解いて


『サンダーシャワー』


雷撃が俺の周り全体に降り注ぎ


「「「「「「ガガガガガー」」」」」


っと山賊達の意識を刈り取ってゆく

気が付いて暴れ出したら嫌なので全裸になった山賊達を一旦空間庫に格納

結界張ってる時に、雷撃みたいな魔法攻撃出来れば一気に無力化出来るのに上手くいかないもんだ・・

結界?

イヤ・・結界みたいじゃなくても盾みたいな機能が有れば良いか?

うう~考える時間が欲しい!!!

今は兎に角山賊の殲滅?と捕らわれている人の救出が先だ

「真也ぼーっとしていないで建物の中に入るわよ」


う・・考え事をしていたら、アリシャに怒られた・・

俺は再度結界を張ってアリシャの跡に続く。


これって、なんか俺アリシャの尻に敷かれかけてる?


砦の中には30メートル四方の平屋のログハウス風の建物が有り、その奥に細長い建物で繋がれたもう一棟の建物が奥にあるみたいだ。

もう一棟の建物は森の中に隠れるような形だったから気が付かなかった。


ログハウス風の30メートル四方の建物の中に入るとそこは食堂っぽい感じで長いテーブルが何本も置かれ、左横には4段のベッドが複数並んでいる。

この部屋は食堂兼山賊の寝起きの場所?っぽい


この部屋には誰も残っていないようだな

食堂の奥がキッチンみたいで、複数の窯と火を使う魔道具が設置されている。

その脇細い通路が一本奥に続いているよう


俺が先にその通リに入ろうとすると、アリシャは俺に手を突き出して来る

『手を握って2人で仲良く並んでゆこう』

って感じなんだろう。

なんか・・少し気恥ずかしいんだが・・


俺に抱き着いてこないだけマシ?

そう思ってアリシャの差し出した手を掴んで一緒に細い奥まで続く廊下に入って行く。


「カン」

「カン」

「カン」

「カン」

「カン」

「カン」

「カン」

「カン」

「カン」

「カン」

「カン」

「カン」

「カン」

「カン」

・・・


細い廊下に入った瞬間弓矢が俺達を引っ切り無しに襲ってきて結界に当たって弾かれる・

「俺達以外が入ってきたら弓矢で一瞬で串刺しだな」

「そうですね。奥の通路に入るには何か魔道具を持って入らなければいけないのでしょう。この通路には微弱な魔力が漂っています」

「じゃ~この奥には奴らにとって大切な物があるっぽいな」

「私は女性が捕らわれて居ない事を願いますね」

「心配すると事はそこなのか?」

「はい!!これ以上嫁候補が増えたらどうするんですか~」


アリシャ激オコなんだが・・・

「俺だって好きで助けてる訳じゃ無いんだぞ?」

「解っていますそれくらい」


うう・・今の言葉刺がある・・

『助けている内に何時の間にか女性ばかりが増えちゃってるもんな~』

これ以上『不思議の国のアリスちゃんを増やすと何言われるか解ったもんじゃない』


「カン」

「カン」

「カン」

「カン」

「カン」

「カン」

「カン」

「カン」

「カン」

「カン」

「カン」

「カン」

「カン」

「カン」

・・・

相変わらず狭い通路の両脇から弓矢の自動射出が続いている。

鬱陶しい・・


奥から


「バシッ」

「キャーー」

「バシッ」

「ウーーーー」

「バシッ」

「ヒーーー」


・・・・


鞭で何かを撃つ音と、女性の悲鳴が聞こえて来る

「アリシャ一気に行くぞ!!」


俺はアリシャに声を掛けると同時に一気に飛行し奥の部屋に突っ込んだ。

狭い通路を抜けると

10本ものエックス型の木に大の字に一人一人全裸で手足を縛りつけられていたり、全裸で手足を色々な体位で縛りあげられ あられもない姿で逆さまに吊るされた数十人の若い女性達の姿が有った


そしてその周りには数十人の裸の男達がその女性達に鞭を当てている光景が目に飛び込んでくる。


それを見た瞬間俺の中のモノリス・ストレイアの人格が俺の体を乗っ取ろうと暴れ出す。


『させるか!!お前の自由になんかさせるもんかクソ爺~~!!』

俺の怒りがモノリス・ストレイアのクソ爺の人格を再度押し込める!!


そのまま怒りのままに


50本以上の『サンダーアロー』を出現させた瞬間

全裸の男達に


「シュッー」

「シュッー」

「シュッー」

「シュッー」

「シュッー」

「シュッー」

「シュッー」

「シュッー」

「シュッー」

「シュッー」

「シュッー」

「シュッー」

「シュッー」

「シュッー」

「シュッー」

「シュッー」

「シュッー」

「シュッー」

「シュッー」

「シュッー」

・・・

「ギャギャギャギャギャーーー」

「グギャギャギャー」

「ギャギャギャギャギャーーー」

「グギャギャギャー」

「ギャギャギャギャギャーーー」

「グギャギャギャー」

「ギャギャギャギャギャーーー」

「グギャギャギャー」

「ギャギャギャギャギャーーー」

「グギャギャギャー」

「ギャギャギャギャギャーーー」

「グギャギャギャー」


・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・


っと数十人の全裸の男達が同時に奇妙な悲鳴を上げながら痙攣しそのまま倒れた

電流で痺れた影響で男達が出した絶叫がゴブリンと同じようなうめき声に聞こえたのは気のせいなのか?


それとも

この山賊達がゴブリン並?・・って事なのか?


性欲しか無い下等生物って意味ではゴブリン並って言って良いのかも


『山賊がゴブリン並みって言ったら、ゴブリンに失礼になるか?』




俺はこの場所に捕らわれた惨状を見て


「山賊の野郎共何やってくれてるんだよ~!!此れじゃまるでSM部屋じゃないか」


と思わず独り言

アリシャはエックス型に張り付けられた全裸の女性達や色々な体位に縛られ逆さに吊るされた女性達を見回しながら


「これはもはや芸術ですね~~いえ・・失言でした。早く助けてあげましょう」

そう言ってエックス型の木に縛り付けられた女性の内の一人の所に行き縛られた縄を解こうとしているが・・


結構苦労している?

アリシャは必至で縄を解こうと挑戦していたようだが

「真也~この縄なかなか解けな~い!!そこでぼーっと立っていないで手伝ってよ」


そう言って俺を睨んできたんだが・・

「アリシャもこんな状況の女性を俺が真面に見たら俺の中のモノリス・ストレイアのエロ爺が顕現するの知ってるだろ」

「あ~しっかり忘れてた。でも私一人じゃ全員助け出すまでにどれだけ時間かかるか解らないわよ?」


「だよな~クソ山賊余計な事してくれるよな・・どうするかなこれ・・」


時間がかかれば、今倒している山賊達の意識も戻ってしまう

女性も早くこの状況から助けたい!!


つづく・・・

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