第250話 250.山賊のアジト

<真也>


「アリシャ森の開けた場所に湖があるみたいだ。もしかしたら山賊のアジトが有るかもしれないから気を付けろ」

「そうね森の中で生活するには水は貴重だものね」

今俺達の前には鬱蒼と茂る木々の向こう側から光が差し込んできている。


そして時折



『キラッ』


『キラッ』


『キラッ』


『キラッ』


『キラッ』


っと太陽の光が反射されたと思われる煌めきが時折俺達の居る森の中まで眩しく差し込んでくる。

その方向に歩いてゆくに従って次第に木々は少なくなり、森を抜けると周囲200メートル位の湖が広がっていた。


その湖の奥にはこの森とは不釣り合いな高さ2メートル以上ある丸太を周囲50メートル四方の地面に打ち込んで頑丈な砦を作っている場所が広がっていた。

そして砦の建物から伸びているであろう見張り台に見張りの男が一人周囲を警戒しているのが見えた。


俺とアリシャはお互いに顔を見合わせた瞬間同時に頷いて、急いで立木の陰に隠れた。


「ビンゴだな!!」

「周りにあんな高い杭を打ち込んでいてそして見張りが居るんじゃ迂闊には近づけないですね」

「あの砦の周りにも罠とかいっぱい設置してそうだ」

「ここまで来るまでにも滅茶滅茶罠を仕掛けられてたものね」

「見張り台の上には見張りが居るし、砦の周りは罠が張ってあるし、多分あの周りを覆っている杭にも罠が仕掛けてあるんだろうな」

「え~じゃ~お手上げって事じゃない!!」


罠を無視して結界を張ったまま強行突破するって手も有るけれど・・

罠が発動し罠に襲われながら強行突破するのも気持ちのいい物じゃ無いし、気が付いた山賊達が人質を取って無差別に殺すかもしれない。

それに色んな方向に一斉に逃げ出した場合、またそいつらが山賊の被害を出すと思うと強硬な手段も取れないし・・


どうするっかな~~


「真也砦の中から誰か出て来たよ」

俺が考え事をしている間に動きが有ったみたいで、アリシャが俺に声を掛けてくれる

俺は砦の方向を見て・・・


「俺の見間違いじゃ無けりゃ若い女性が全裸で大きな洗濯物の塊を抱えて出て来たように見えるんだが・・・」


何で全裸?

此処は山賊のアジトの砦・・

そこの全裸の女性・・・


「あれって捕らわれた商隊とかの女性達なのかな?」

「そうじゃない?山賊の仲間を全裸にして洗濯物とか持たさないでしょ?」


アリシャの言う通りかも!!

全裸の女性一人の後に続いて全裸の女性が洗濯物の塊を抱えて湖に出てきている

「4人居るな」

「そうですね」


全裸の女性4人が洗濯物を下ろして桶に湖から水を汲んで洗濯を始めたよう

そして全裸の女性が洗濯を始めた少し後に山賊の男達と思われる男達2人が砦から出て来た。


洗濯をする女性達が逃げないように見張る為なのか?

全裸の女性達4人が黙々と暫く洗濯をしていると突然一人の男が洗濯をしていた全裸の女性を押し倒して


「俺が良い事をしてやるぜ!!早く股を開け」

「いや~~止めてください」

「良いじゃねえか。気持ち良くさせてやるんだからさ~」


一人の男がそんな行動を起こすともう一人の見張りの男も洗濯をしていた全裸の女性に襲い掛かった


「きゃ~~誰か助けて~~」


それを見た見張り塔の男が

「お前達だけ良い事しよってズルいぞ。俺も混ぜろよ」


そう言って見張り塔の上から叫び出した。


俺の横でアリシャは・・

フルブルと震えながら怒り心頭

どうしたら良い???

このままほおっておけばあの全裸の女性達は男達に俺達の目の前で犯される!!

しかし・・

今動いてしまえば・・

俺が悩んでいる内に



「もう私我慢できない!!」


アリシャがそう言った瞬間に複数本の光の矢を全裸の女性を襲おうとした男達に発射


「ボシュ」

「ボシュ」

「ボシュ」

「ボシュ」

「ボシュ」

「ボシュ」

「ボシュ」

「ボシュ」

「ボシュ」

「ボシュ」

「ボシュ」

「ボシュ」


っと高出力の光の矢は男達の体に当たり一瞬で男達の体を爆散



「きゃーーーーー」

「きゃーーーーー」

「きゃーーーーー」

「きゃーーーーー」


4人の女性は一気に悲鳴を上げた。

「ヤバイ!!」

見張り台の男がまだ残っている!!

俺は全裸の女性としようと見張り台を降りようとしていた男に光の矢を射出し頭を射抜く


「ドサッ」


っと見張り台から男が地面に落ちる音が森の中に響いた

「クソ気づかれる!!どうしたら良い?」



つづく・・・

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