第249話 249.山賊の跡を追って

<真也>


なんお羞恥プレイなのかアリシャが俺の手を握って放してくれない・・

幸運なのは森の中で、誰も見ている人間が居ないって事だけ


異世界に紛れ込んでまだ10日あまり

地球と違ってこの世界は魔法という反則的な物が使える世界。

10日程度では俺はその魔法を上手く使いこなせていないのが現状だ。


俺の自由に使えるのは空間魔法くらいな物

それも自由に使えるレベル?って聞かれたら悩むレベル

そもそも、何処までが出来れば使える?って事なのかさえ解らない状態

手探りで魔法というアニメの世界じゃ常識だけど現実の世界じゃ未知の機能?を使っている。


今山賊達に付けてるのは、使い魔って言っても、奴らの魔力を追って行動した足跡をそのまま記録するような機能しか無い俺が速攻で作った物!!

魔法の知識にアクセスしようとするとモノリス・ストレイアの人格に俺が侵食される為にクララに止められている。


だから魔法を新しく作るしか無いのだ。

そして山賊に付けた使い魔的な物は、山賊について山賊の歩いた後に細長い糸上の魔力糸を吐き出しているに過ぎない。

そして俺とアリシャはその魔力の糸を辿って森の中を歩いている訳だ。

だが・・

異変に気付いたのは2キロ位森の中に入った頃からだった!!

それまで真っすぐに一目散に逃げていた山賊の奴らの軌跡が突然森の中を右に左に迷走しだしたのだ。

俺達はもしもの事を考えて結界を張りながら、その山賊の歩いた軌跡通りに森の中を迷走しながら森の奥へと入って行く。


そして偽装は段々と手が込んできた。

200メートル四方を円形に同じところをグルグルと回って2手に分かれていたり・・

魔物用の罠が仕掛けられ、踏むと足を襲う罠

そしてピーンと張られた糸に足を引っかけると飛んでくる毒矢

数々な罠が仕掛けられていた。


俺達はその全部の罠をそのまま踏破

通ると


『ガシャ』


『ガシャ』


『ガシャ』


『ガシャ』



っと地面に隠された魔物用の鉄の罠が足を襲う


森の木と木の間に張られた糸に足を引っかけると


『シュッ』


『シュッ』


『シュッ』


『シュッ』


『シュッ』



っと俺達の体目掛けて毒を塗られた矢が飛んでくる。

そのすべてを結界が弾いてゆくのだ。


「本当にご苦労な事だな」

「私達じゃ無ければ死んでますよ?」

「そういうつもりで罠を仕掛けてるんだろうな」

「追手が来る事を解って罠を仕掛けたって事でしょうか?」

「だろうな。あの連絡役からの連絡が途絶えた事で奴らは警戒して罠を張ったんじゃないのかな」

「あ~そうですよね。あの連絡役が生きてればどうなったか連絡してますもんね」

「俺達だけで来て正解だったな」

「でもこれじゃ攻撃出来ないですね」

「そうなんだよな~それが唯一の弱点だな」

「ストレス溜まりますものね」


森の向こう側が明るくなってきた

湖が有るみたいだ・・・


つづく・・・・

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