第240話 240.首謀者は未だ解らず

<麗香>


東〇大学病院人質事件が起こって10分後には解決?

解決って言って良いのだろうか・・・


今回の事件は東〇大学病院総合受付前のロビーに自動小銃を持った外国人風の男と刃物をもった外国だろう男が乱入し3人の腹部を次々に刺した後、若い女性を人質に取って


『私を連れて来い、さもないと人質を殺すぞ』



って脅迫して来た。


でも自動小銃を持ってロビーの人達を威嚇しながら、私を引きずり出したい行動

最初に3人のお腹を刺して致死傷の怪我を負わせて緊急に対応しなきゃ刺された人が死んでしまう状況を作り出していた。


『手慣れた手際の良さ、そして綿密に寝られた心理作戦』


私の確保と逃走ルートの確保

外に止められていたミニバンは逃走用?


表立っての実行犯は2人


でも


失敗した場合の始末役が入り口に1人

そして逃走用の車に乗っていたのが多分首謀者だったんじゃないのかな?


それにしても

外の爆発音はなんだったんだろ?

クララに視線をあわせたが


頭を左右に振っているから・・知らない?って感じなんでしょうね



私がそんな思考の海に沈んでいた時


「ドドドドドドーーーーー」


っと入り口の方に複数の足音


その足音の方向に視線を向けると


『複数の警察官の姿』



警察官が入り口からロビーに慌ただしく入って来た足音だった

そして一応に驚きを表す表情


あ~


この惨状をみれば・・


『そうなるよね』


入り口に頭を撃たれて倒れた男が一人

そしてロビーの中央には片腕が無い血まみれの眉間を拳銃で打ち抜かれた男と両手が無い血まみれの同じく眉間を打ち抜かれた男


そして床にはその男達のまき散らした大量の血の海が広がっている。

そして治療はしているけれど腹部に大量の血の跡を残した3人の女性達と・・


あ~忘れてた


人質になってた女の子放心状態で未だ血まみれで立ったままだった・・・

私はその少女の?

少女って言っていいのかな?

20歳くらいっていったらもう大人の女性よね?


立ち呆けしている女性に


「大丈夫だった?」


って聞きながら顔を覗き込んでみたけれど反応が無い?


「大丈夫ですか?」

再度聞いてみたけれど?反応が無い


私は両手でその女性の肩を掴んで女性の体を揺らしながら


「大丈夫?」


って聞いたらやっと


「あ・・」


ってやっと正気に戻ったみたい

え?

涙ボロボロ流してる・・

『今頃泣かなくっても良いじゃない』


私はしょうがないので彼女の体を引き寄せて抱き締める。

『私レズなんかじゃないからね?』


心の中でそう呟きながら

『トン』


『トン』


っと彼女の背中を叩いてあげる。



・・・・


当然のことながら現場検証とか事情聴取とか・・諸々でゴタゴタしてしまったその後

私は診察が有るという事で一応手早く終わらせてもらい予約の残りの患者さんを診察終了後再度確認されることに!!


開口一番


「変な事を聞きますが安城寺先生はサイコキネシスではないですよね?」


と唐突に聞いて来る警察官

あ~

私人前で回復の魔法使っちゃったんだ・・

それに今まで結構遣らかしちゃってるから?


それに今日襲撃犯の腕と両手クララが電撃で吹き飛ばしちゃったから!!

あれは無いわ~~~

多分それを私がやったって思われてるっぽい?


どう説明すれば・・


『回復の能力だけは胡麻化しようないしな・・これは不定出来ない』



「えっと・・回復の能力だけに特化したサイコキネシスだったら持っていますけど、それもあまり知られたく無い能力です」


「そうですよね。こんな事が出来ると解ったら大変な事になりますからね」


え?

それで納得しちゃう?

まさか?


私があの犯人の腕を爆散させたり、両手を爆散させたのが私だって思っちゃってる?

それ以上確認してこないのは何故?


うう~何か私凄い超能力者に思われちゃってるんじゃ?





『もしかして・・私結構やらかしてしまってる?』



今回の事件も私に能力が有るって事で私の身柄を確保したかったからなのかな?

じゃ~これから私・・ずっと狙われ続けちゃう?


『絶対に嫌だ~~』


「今日の襲撃の犯人たちの素性は解ったのですか?」

私は気になっていた事を聞いてみたんだけれど


「全員が不法滞在者で逮捕歴がありました。ミニバンに乗っていた人間のほうは爆発が激しくて何人乗っていたかさえも解りません」


「じゃ~あの爆発音は?」

「ご想像の通り襲撃者の仲間の車ででしょう。ですが都内で2日前盗難にあった盗難車だと解りました」


・・・

私は何点か警察官に聞かれて解放されたけれど、何か凄く疲れちゃった気がする。


「何か疲れちゃったね」

クララに声を掛けると


「私がこの世界を掌握していればもっと解ったのでしょうけれど、今回は何もわかりませんでした。今回の首謀者は用意周到です。今回の襲撃に関わった犯人は全員始末されてしまいました」


「しょうがないよ」


そう今回関わった犯人は全員闇に葬られてしまった。

あのミニバンに首謀者が乗っていたと思っていたけれど、仕事を請け負っただけの人間だったって事なんだろう・・



つづく・・・

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