第225話 225.その『何とかなりますよね?』っていう期待の視線は止めて頂けます・・・
<真也>
事務所の応接セットの上に鎮座する結界の中の無残な状態になつた屍をみながら
「佐竹さん、この襲撃者、此処に来る前に何か飲まされていたのでえしょうか?」
俺は思っていた事を佐竹さんに聞いてみる。
スパイ映画とかでは、失敗した時の為に
『歯に毒とか仕込んでいる』
とかいうのがあったけれど
今回
『裏切られた』
って奴は死ぬ前に言っていた。
そうすると出発前に
『体力強化剤』
みたいな事を言って全員に呑ませたんじゃ?
考えた結果、そういう事なんじゃないかと俺は予想した訳だ
「それが一番妥当な線でしょうな。今回飲ませたのは開発途中のテスト薬あたりでしょう。もしかしたら魔獣化出来る完成品とかはもう出来ているかもしれませんがね」
「そうですね。相手もこんな風に始末出来ると解ってて投与したのでしょうね。しかし本当にこの薬で魔獣化したらしたで厄介ですね」
「マスターの記憶の中で恐竜という過去に存在した生き物がいますが、もしもその遺伝子細胞が残っていたら、遺伝子操作とこの細胞分裂強化剤を上手く制御させれば魔獣化は可能と思われます」
「本当に出来るの?」
「技術的には可能と思われます。現に私はモノリス・ストレイアの研究していた生体細胞を使用して作られたアンドロイドなのですから」
あ~そういえば、クララが最初にそう言ってたな。
クララみたいに限りなく人間に近いアンドロイドが作れるんだ
遺伝子操作して魔獣化するなんてもう出来てる?
そこまで地球の技術が進化してれば・・・あるいは・・だけどな・・・
『有る意味怖いぞ』
そういや・・・
ギリシャ神話メドゥーサなんて蛇の髪の毛と肌は青銅のウロコでびっしり覆われていたらしい
有る意味ギリシャ神話って遺伝子操作して怪物を生み出した成れの果てって感じじゃね?
もしかして本当にあったはなしなのかもな・・・
「麗香とアリシャが帰って来る前にこの結界に入った襲撃者の屍は空間庫にしまっておきますね。安全策をとるとしたら最終的には焼却処分しかないでしょう。この分なら捕らえた全員何か飲まされていそうですね」
「多分全員今さっきの男と同じように飲まされていると考えた方が良いですね」
佐竹さんも俺と同意見か・・
普通に考えればそういう結果になるよな・・・
「何とかなりますか?」
佐竹さんその『何とかなりますよね?』っていう期待の視線は止めて頂けます・・・
プレッシャー何ですけど・・
「先に魔獣部屋に送った此処に突っ込もうとしていた襲撃者、何か飲まされているとしたら魔獣のお腹の中にその薬も飲みこまれているかもしれませんね。
魔獣の中であの薬が溶解したら不味いですね。魔獣の体を調べてみましょう」
つづく・・・
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