第221話 221.俺って浮気不倫最低野郎?

<真也>


佐竹さんの自社ビル『ジュエリージュエリー』の店舗の前に降り立ち携帯電話で佐竹さんを呼び出す。

「お待たせしました。愛崎です。外の不審者は排除しました」

「真也様お疲れさまでした。裏口を開けますので裏口に回っていただけますか」

「わかりました。一旦携帯切りますね」


そう言って携帯を切りビルの裏に回ると佐竹さんが裏口を開けて待っていてくれた。

携帯掛けて話している時に、靴音が聞こえていた気がしたから携帯で話しながら裏口に回ったっぽい。


俺達をビルの中に入れてくれたのは『ジュエリージュエリー』のオーナー佐竹直哉サタケナオヤ

偶然にも俺の父親の名前愛崎 直哉アイザキナオヤと同じ名前で、何故か同じ名前の佐竹さんは父親みたいな親近感を覚えてしまう。

親父の名前と同じ為、どうしても佐竹さんと苗字呼びになってしまうのはしょうがないところだ。



佐竹さんは俺達を案内しながら


「麗香ちゃん、今回は私の知らない女性が2人も一緒だけど、2人とはどういう関係?」


気さくに聞いているんだが・・

竹下さんとしては外の襲って来ようとしていた不審者の事よりもアリシャとクララの事の方が気になるのか?

何時もと同じように何気なく連れてきてしまったけれど、よく考えたら麗香と結婚するっていっておいて他の女性を連れてきている訳だから気になるのか?


『アリシャにしてもクララにしてもこの世界じゃあり得ない程の美少女だからな』


もしかして、竹下さん麗香の事を心配している?

竹下さんとしては、良く知った人の娘さんだもんな~


アリシャとクララの立ち位置・・・

う~ん


『嫁?』


日本で考えれば・・・


『俺って浮気不倫最低野郎?』


って感じ?

これってヤバいんじゃね?


「あ~この2人ねこの2人共真也の奥さん」

麗香~端折り過ぎ!!

麗香の言葉に

「真也様、これはどういう事ですかな?」

竹下さん・・・

ちょっと怖いです・・・


まぁ

気が進まないが・・

ここは正直に言うべきだろうな・・・


「俺の右後ろの女性がアリシャ、異世界のリトリア王国の第一王女様だ。助けた縁があって結婚する事になった。そして俺の左後ろの女性がクララでネオキャニア銀河のナスタルジア星のジェードから宇宙船に乗って1億年前にリトリア王国に来たアンドロイド、そして色々あって俺の嫁になることになった」


「異世界の王女様と宇宙からのアンドロイドですか?異世界というのは俄かには信じれておりませんでしたが、アリシャ様とクララ様の美しさを見るに信じるしかございません。

それにしてもクララ様がアンドロイドというのは本当でございましょうか?」


あれ?

竹下さん異世界人って言ったら納得?

それよりも竹下さんはクララがアンドロイドっていう所の方が気になる?


「アリシャとクララの事は麗香に渋々納得してもらったよ。

変な輩が麗香を拉致する危険性が出て来たから、クララには今麗香の護衛として病院に一緒にいてもらってるんだ」


「そう言えば東〇大学病院に女神様が現れたと大変噂になっておりましたね。なんでも女神様のお陰で無くなった足が生えたとか、突然目が見えるようになったとか、末期癌の患者が突然治ったとか凄い噂でその先生に掛かるには今は予約制になったと聞きました」


「佐竹の叔父様恥ずかしい事を言わないでください」

麗香が顔を真っ赤に染めてモジモジしながら佐竹さんに苦言?

多分羞恥心?

まあ~麗香結構遣らかしちゃってるからな~部位欠損を直したらそりゃ~そうなる・・よな~


「ほっほっほ~東〇大学病院の女神様とは麗香ちゃんの事でしたか。クララ様が麗香ちゃんの護衛でしたら安心ですな。しかし何処も彼処も物騒な事になっているものですな」


佐竹さん知ってて言ってるでしょ

それにしても・・

麗香の方も、佐竹さんの所も襲撃に気を付けなきゃいけないとは・・

欲深い奴が何処にでもいるからな~


「今消防車や警察のパトカーのサイレンの音が聞こえていますが、今さっき大きな爆発音が数回起こって、この辺一帯が揺れましたが・・あれは、真也様・・ですよね?」


まぁ~そういう考えに至るよな・・


つづく・・・

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