第192話 192.ナルノアール城ホールに捕らわれた人達

<ラスティア>


リトリア王国軍が攻めて来るという事で、沢山の兵士と沢山の魔導士達がここ数日で出兵し王城の中は最小限度の人数しか残ってはいない。


何時もは沢山の人々が朝早くから忙しく走り回っているのに、何時もと違い静まり返った王城の中は逆に不安を覚えてしまう。


『こんなに王城の中の警備が手薄で良いんだろうか?』


メイドの私でも心配になる位警備が手薄って解るんだもの。

でも兵士が少ない分、どういう訳かオールデス家の魔導士達の人数が凄く多い気がする。


出兵していない兵士達も結構居るとは聞いているけれど、王都の東西南北の門を守る為と、王都内の警備にあたる為に王宮騎士団の50名位しか王宮には残っていないみたい。


雀の

「チュン」


「チュン」


っと囀る朝の暖かな日差しの中で湖に映る太陽の日差しを見つめている時だった


突然




「ぐをぉーーブライアン貴様~~」

「ぎゃーーー」


アンドリュー国王様とキャロライン王妃の断末魔とも思える叫び声が上がった瞬間


「ドーン」


「ドーン」


「ドーン」


「ドーン」


「ドーン」


・・・・

オールデス家の魔導士達の魔法で攻撃する爆発音と億級騎士達の


「ぎゃーー」


「ぐをぉーー」


「裏切り者~」


そんな声が聞こえた後


「か~~ん」


「か~~ん」


「か~~ん」


っと非常事態を知らせる鐘の音と共に

「オールデス家の反逆です!!皆の者オールデス家の魔導士は敵です!!ナストレーア王国を愛する者よ剣を取りなさい!!」


アーネスト第一王女の声が聞こえてきて城内は一気に混乱、逃げ惑うメイド達や侍女、そして王宮の料理人、


抵抗したのか大怪我をして息絶え絶えな宰相や官僚たちが縛られて一階のホールに集められてきた。

私も隠れている所をオールデス家の魔導士に見つかり強引に一階のこの場所に集められてきた。

抵抗していた人達も居たけれど、抵抗した人は有無を言わさず火球に飲み込まれ断末魔の絶叫を上げて倒れて行った。

騎士団の人達も抵抗してたけれど、魔導士の集団に遠距離から攻撃され一太刀も入れれないままに死んでいった。


そんな騎士達や逆らって死んでいったメイドや侍女達の死体があちらこちらに散らばっていて目を覆いたくなってしまう。


大勢いたオールデス家の魔導士達は

「カンカンカンカン」

「カンカンカンカン」

「カンカンカンカン」

「カンカンカンカン」

「カンカンカンカン」


けたたましい鐘を叩く音が聞こえて来た後に

「魔獣だ!!物凄い魔獣の群れがノール渓谷を下って来るぞ~~~!!」


そんな正門からの叫び声に反応し、半分近くの魔導士達が魔獣の対応に出て行った。

其の後ギルドの魔道具を使った


「魔獣のスタンピードが起こり首都ナルノアールが間もなく100万を超す魔獣に襲われる。全員家の中に退避して絶対に家の外に出ないようにするんだ」


そんな首都ナルノアール・ギルドのギルド長クラーク様よりの魔導具を使った指示が有ったの。


外では


「ドドドドーーン」

「ドドドドーーン」

「ドドドドーーン」

「ドドドドーーン」

「ドドドドーーン」

「ドドドドーーン」



っていう魔法による断続的な爆発音が響いてきて

「魔獣のスタンピードって言ってましたけど大丈夫なのでしょうか?」

「100万以上もの魔獣の群れなんて助かるはずがない」


皆外に響いて来る爆発音と、魔獣の声に怯え不安な状態が続いていた。

その間にも、隠れていたメイド達や侍女達が少しづつこの場所に集められてきたけれど、王様や王妃様そして


アーネスト第一王女

13歳のオスカー第一王子

11歳のローランド第二王子


王族の姿が未だ見えない。


『殺されたの?』


そんな不安を


「アーネスト第一王女、オスカー第一王子ローランド第二王子がまだ見つかっていない!!必ず探しだすんだ!!

オスカー第一王子ローランド第二王子は殺してしまえ!!アーネスト第一王女は絶対に殺すな生け捕りにしろ!!」


魔導士副団長のアレンが王城の上階の方で叫んでいるのが聞こえて来た。

その声にアンドリュー国王様とキャロライン王妃は殺されちゃったんだ・・

そう私は確信した。


そしてまだ捕まっていないアーネスト第一王女、オスカー第一王子ローランド第二王子の無事を祈らざるを得なかった。


私達を見張っていたオールデス家の魔導士は100万の魔獣のスタンピードと聞いた時から落ち着かない風で、次第に手が震えてきてるのが私でも解った。

それに私の姿をチラチラと嫌らしい目で見て来る・・

他の魔導士達が居るから手は出してこないみたいで少し安心


・・・


・・・


ひと際大きく爆発音が

「ヒューーーーーン」

「ズドドドドドドドドドーーーーーン」

「ヒューーーーーン」

「ズドドドドドドドドドーーーーーン」

「ヒューーーーーン」

「ズドドドドドドドドドーーーーーン」

「ヒューーーーーン」

「ズドドドドドドドドドーーーーーン」

「ヒューーーーーン」

「ズドドドドドドドドドーーーーーン」


と聞こえて来る

・・・


・・・



魔導士達の攻撃が優勢なのかそんな攻撃音が続いた後、突然その攻撃音が止んだ!!


そして


『シーン』


とした沈黙が続いた。


・・・


・・・


・・・




『100万の魔獣のスタンピード・・』

私達全員助からないかもしれない・・・



私もそんな風に考え始めていた。


「もう私達駄目なのかな?」

「魔獣に喰われちゃう運命なのかな」

そんな中怪我をして虫の息の宰相が

「希望を捨てちゃいけないよ」

って元気づけてくれる・

でもそれは空元気だって私も解っている


・・・

・・・


シーンと静まり返ったホール


私達を取り囲んだ20人程のオールデス家の魔導士達が一堂に集まり何かコソコソと相談を始め・・

暫く相談していたみたいだけれど、何か相談が纏まったみたいで、私達を再度取り囲んだかと思ったら!!


縛った私達にオールデス家の魔導士達が襲い掛かってきて、私達が着ていた服を


「バリバリバリーー」

「バリバリバリーー」

「バリバリバリーー」

「バリバリバリーー」



っと引き裂いた。


「きゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」

「きゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」

「きゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」


私達は服を引き裂かれた瞬間に次に起こる事を想像し恐怖に悲鳴を上げたその瞬間



「バタン」


ホールへの両開きの扉が蹴り開けられた瞬間に何かが飛び込んできたのが見えた





私の服を引き裂き、私の両足を足を大きく開いて露になった私のアソコに今正に男が・・


って思った瞬間


私を襲おうとしていた男の姿が忽然と!!



『消えた!!』


そして他のメイドや侍女たちを襲おうとしていたオールデス家の魔導士達も次々に消え20人以上居たオールデス家の魔導士達は全員が元から居なかったかのように消えてしまった。


それは一瞬の出来事だった。

驚く暇も無く20人以上居たオールデス家の嫌らしい魔導士達全員が一瞬で消えてしまっていた信じれない出来事に全員が声も出ない


突然んこのホールに入って来たのは


掛け焦げた服を纏った女性をお姫様抱っこした黒髪の男性

お姫様抱っこされた焼け焦げたドレスを纏った女性は物凄く綺麗で女神様が降臨してきたかのよう

そして女性が2人左右を守るように付き従っていた。


その女性をお姫様抱っこした男性が

「麗香、クララ捕らわれた人達を守れ、怪我をした人が居れば治療も頼む」


って即時に指示

そして・・

私に近づいて片手を差し伸べ・・


『顔を背けた状態で私のスカートをそっと膝まで降ろしてくれた?』


私は・・呆けて気にしていなかったのだけれど・・

『何で私から顔を背けるの?』


って不思議に思ってたけれど・・

自分の置かれた状態を思い出して、顔から火が出る位体中が一瞬で熱くなる


『あの男性に曝け出さされた私のアソコ全部見られた!!』


いや~~

わたしお嫁にいけない~~

はじゅかしい~~

どおしよぉ~

男の人に見られた


おの嫌らしい男にも見られたけど・・

消えちゃったからノーカウント?

ど・・どおおぉしよぉ~

まともに顔・・見れない


私は再度その男の人に視線を移すと、既に女性をお姫様抱っこしたまま立ち上がって城内のホールの全体を見回している。


「あ・・魔導士」

私がホールの2階部分で攻撃体制に入った魔導士を見つけて叫んだ瞬間、男の人もそれに気が付いたみたいで一瞬確認した?瞬間に


『攻撃態勢に入っていた魔導士が忽然と消えた?』


じゃ~オールデス家の魔導士を消しているのはあの男の人?

そんな事を思っていたら


「ドドドドーーン」


っとその男の人を爆炎が包んでビックリ


「キャーー」


私は女性をお姫様抱っこした男の人と女性が死んだと思って悲鳴を上げた

『私を助けてくれた男の人が死んじゃった~~』

そう思うと涙が滲んでくる


しかし・・

爆炎が晴れて来ると


『其処には女性をお姫様抱っこした黒髪の男性が何もなかったかのように立っている』


『え?』


じゃ~攻撃して来た魔導士・・・


『攻撃して来たハズの魔導士が消えている!!』


その男に人はお姫様抱っこしていた女性を下ろして

「アリシャもこの人質になっていた人達を守ってくれ。俺は王城の中の魔導士を殲滅してくる。それと服を引き裂かれた人の服をこれと着替えさせてくれるか」

って言ってホールの奥へと歩いていってしまった。

そして男性にお姫様抱っこされ降ろされた女性は私の縛られた縄を解きながら

「頑張りましたね服を着替えましょう。服を引き裂かれた人は私の所に来てください~服を支給しますのでそれにきがえてくださ~~い」

と皆に向かってお願いをしてきた。


『この人達って何処のだれなんだろう?』


つづく・・・

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る