第190話 190.ナルノアール城への大通り魔導士からの一斉攻撃

<真也>


ギルド長のクラークは俺の提案に

「ギルドとしては国の問題に関わる事は禁じられております為に、私共ではご協力できませんがお助け頂けるならば助けて頂きたい。私個人としては、あの金の亡者と化したオールデス家にだけはこの国を統治してもらいたくはありませぬ」


そう言って悔しそうに俺に頭を避けて来た。

「私も仲間にケガをさせたオールデス家の魔導士達は絶対に許せません。私個人の恨みでオールデス家の魔導士達全員処分しますのでお気になさらず」


俺はそうギルド長のクラークに告げた後首都ナルノアール・ギルドを後にし、ナルノアール城へと歩き始めた。


副分団長のハリーも付いて来ようとしていたが

『魔獣のスタンピードを抑えた俺達だから心配するな』


と言ってギルドに残してきた。

そうは言ってもギルドの建物は王城から500メートル程しか離れていない!!

それに王城までは大通りを一直線に進んだ真正面の湖の傍に建っている


そのまま誰も居ない大通りを


俺の左腕を麗香が・・

そして俺の右腕をクララが抱き締め

俺はアリシャをお姫様抱っこ


そんなハーレム野郎丸出しで歩いているのだ。

当然そんな俺達を見逃してくれるハズも無く


「ドドーーーーン」


大きな火球が王城から俺達に撃ち込まれ盛大に爆発炎上

「はっはっはっはっは~ざまーみろハーレム野郎め~」


爆炎に飲み込まれた俺達を見てオールデス家の魔導士だろう男のゲスな笑い声が聞こえて来る。

「本当に魔導士って奴らは自分達が最高の人間だと思ってる最低の奴らだな」

俺が吐き捨てるようにそう言うと

「ほんと、何処の魔導士もサイテー」

麗香も切れ気味だし

「真也あいつらは全員黒の森の魔獣の餌ですわ」

アリシャも俺と同意見

「俺達を攻撃した奴はもれなく黒の森に住む体長さ10メートル以上あるブラックタイガーを20匹捕らえた異空間送り確定だな」

「その内真也その20匹のブラックタイガー餌付けして仲良くなっちゃったりしてね」

なんて事を言い出す麗香

「や・・止めてくれ~~本当になったらどうすんだ~」

「可愛がれば良いじゃない?」

おお~傑物が一人いましたよ~~

麗香ならブラックタイガー手なずけてしまいそうだな


爆炎が消える前に攻撃して来た奴を魔獣の居る異空間送りにしちゃいますかね~

「可愛い~お友達に会わせてあげますからね~ふっふっふぅ~」


「ポチッっとな」


特大の火球で攻撃して来たオールデス家の魔導士を残存魔力で確定して魔獣のいる空間送り


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

<オールデス家の魔導士ジュノン>

あれ?

今さっきまで王城の5階の通路から大通りを歩いていたムカつくハーレム野郎を特大の火球で焼き尽くしたと思ったのに、此処は何処なんだ??


俺はどうなった?


何か真っ白な世界で意味解んねえぞ!!

それにこの森は何なんだ?

この森の大木は100メートル以上あるんじゃないのか?

此処は黒の森って事はないだろうし・・



『べとっ~』


な・・・何なんだ上からヌルヌルドロドロの液体が~~

気持ち悪~~~

此処は何なんだよ?

意味が解らん


オールデス家の魔導士ジュノンは気が付いたら、王城から意味の解らない何処ともしれない白い世界の森の中に居て物凄く不安になっていた。



そして上空から落ちて来た意味不明のヌルヌルドロドロの液体

手でその意味不明のヌルヌルドロドロの液体を拭いながら上空を見た瞬間


10メートルを超える上空から大きな牙を持った特大の魔獣の口が見えた


それは一瞬


「ぎゃーーーーーーーー」


そんな悲鳴と共に体長10メートルを超えるブラックタイガーの口の中に飲み込まれその一生を終えた。

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