第188話 188.首都ナルノアール・ギルドへの道すがら
<真也>
俺達はゆっくりと飛行魔法でギルドを探しながら飛んで行きたかったんだが、副分隊長のハリーがギルドまで案内してくれるというのでそのままお願いをした。
俺は左腕を麗香が抱き締め、右腕をクララが抱き締め
俺はアリシャをお姫様抱っこしているという傍から見ると生け簀かないハーレム野郎に見えるのかもしれない・・・
副分隊長のハリーの表情がそんな風な風に見えるのは俺の根性が曲がっているせい?
ちょっと居心地は悪いな
何か話をして意識を他に向けてもらわなきゃな!!
『人間まずは言葉のやり取りからって言うし、まずは挨拶からだな』
今は俺の前を歩いてギルドに案内してくれている副分団長のハリーに
「俺の名前は真也と言う。街の中には人が全然居ないみたいだし、魔導士からは攻撃を受けたんだが副分団長のハリー殿どうしてなのか解れば教えて頂けないか?」
う~ん俺の聞き方これで良かったのかな?
この異世界での言葉使いって解らねえ~~
そう悩んでいると
「真也殿と申されたか、ギルドからの魔獣討伐の救援要請で来られたんだったら知らなくて当然だな。オールデス家の魔導士達がクーデターを起こして王城を乗っ取ったのだが、運悪くオールデス家の魔導士達が王城を乗っ取ったタイミングで魔獣のスタンピードが確認された為に誰も指示する者が居なくなり後手に回ってしまったのだ。
この町の中に市民が見当たらないのは、ギルド長クラーク殿がギルド所有の魔道具で魔獣のスタンピードが起き魔獣が街の中に入って来るから戸締りをして絶対に外に出ないようにと通達を出してくれたから市民には被害が無かったのだが・・
もしかしたら貧民層が住むスラム当たりは木で出来た粗末な家屋が立ち並んでいるから被害が出ているやもしれんな」
おお~
この副分隊長のハリーさんって人結構頭回るんでね?
普通はスラムの事まで頭回らないよな
「それは災難でしたね。で王城はオールデス家の魔導士が占拠したままなのですか?」
「普段の警備ならばこんな手薄な事は無かったのだが、隣国リトリア王国が攻めて来るとオールデス家のブライアン魔導士師団長に言われて40万の兵をナストレーア王国とリトリア王国の国境沿いに送り出して白の警備も手薄になった所を襲われた為にどうする事も出来なかったみたいだ。今考えるとリトリア王国軍が攻めて来るというのも全部オールデス家の陰謀だったのかもしれないな」
副分団長のハリーは前を歩きながら俺達にそう話してくれているから表情は見えないが、その彼の言葉には悔しさが滲み出して着ているようにも聞こえた。
「ジャクソン家とオールデス家は敵対しているように見えて裏で繋がっていましたからね。私のリトリア王国でもジャクソン家がクーデターを起こして国を一時乗っ取られかけましたから、今回の事もオールデス家に仕組まれていたのかもしれませんね。もしかしたらドストル帝国、コートレート聖王国でも魔導士達が良からぬ計画を立て国を乗っ取ろうとしているかもしれませんね」
俺にお姫様抱っこされたアリシャが副分隊長のハリーの話を聞き、独り言のように呟いてくる。
前を歩いていたハリーが突然に後ろを向き
「な・・何ですと!!それは本当の事なのか!!」
とアリシャの顔を覗き込んでくるがアリシャは平然と
「本当の事です!!私はリトリア王国第一王女アリシャです。天地神明に誓って嘘は申しません」
そう言って副分隊長ハリーを真っすぐに見つめ返す。
つづく・・・
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