第182話 182.オールデス家魔導士死への短距離走

<ブライアン>


魔獣が直径20メートルの範囲で爆散してゆく中でオールデス家魔導士達は王城へ全力逃走を開始

首都ナルノアールの正門からは、止めどなく魔獣が雪崩れ込んでくる

そして積み上がった死体の山を乗り越えて魔獣が王城に向かって一直線に突っ込んでくる。


魔獣達は止まる事を許されない。

その場に止まれば、後ろから雪崩れ込んでくる魔獣に踏みつぶされ、圧死してしまうから魔獣は前進するしか無いのだ。


ブライアンと最後まで残っていた魔導士は必死に王城に向け走っていた。

「急げジェイダよ!!魔獣に喰われるぞ!!」


遅れそうになっている魔導士に対してブライアンは声を張り上げる。

「限界です師団長~~」

ジェイダは涙目で必死な形相で答える。

魔導士は兵士程体をつかった訓練をしていない為に仕方のない事

ブライアンは魔物の群れに追いかけられる恐怖を抑えてオークの魔石を手に握り言霊を紡ぎ掌に刻んだ入れ墨の魔法陣に魔力を込め


火球を魔獣の群れに撃ち込んだ


「ドドーーーン」

50メートルにまで迫っていた魔獣の群れが一気に吹き飛んだ。

でもブライアンにはそんな光景を見ている余裕なんて無い

必死に王城に向かって一直線にひた走る


そんな中で次々と脱落者をブライアンとジェイド追い抜いてゆく。

ここにきて魔法しか訓練してこなかったつけが出る。


そんな脱落者に向かってブライアンは

「そんな所で値を上げるな!!魔獣に喰われて死にたいのか~!!」

と激を飛ばすが・・

体力のない魔導士達は息絶え絶えで言葉を返す気力さえ無い


再度ブライアンはオークの魔石を握った手の平の魔法陣に魔力を込めて火球を魔獣の群れに放つ


「ドドーーーン」


20メートル後方まで迫った魔獣の群れが一気に爆ぜる


「死にたくなかったら走れ~~!!」

座り込んだ魔導士達へ激を飛ばし自分は王城に向かって走る


一瞬置いて


「ぎゃーーー」


「ぎゃーーー」


「ぎゃーーー」


魔獣の群れに飲み込まれた魔導士達の断末魔の絶叫が辺り一面に響いた。

しかしブライアンは後ろを向いて確かめる余裕なんて無い


しかし王城に向かってひた走る魔導士達も速いか遅いかの違いだけで同じ運命が待っていた


後800メートルで王城の門


・・・


後700メートルで王城の門


・・・


後600メートルで王城の門


・・・・


後600メートル・・・


「ぎゃーーー」


「ぎゃーーー」


「ぎゃーーー」


「ぎゃーーー」


「ぎゃーーー」


「ぎゃーーー」


「ぎゃーーー」


「ぎゃーーー」


「ぎゃーーー」


・・・


激走する魔導士達を魔導士達の断末魔の叫び声と共に一気に魔獣の群れが飲み込んでゆく


ブライアンはそんあ魔獣の群れに飲み込まれながら


「俺はナストレーア王国の王になったんだ~こんな所で死ねるか~~!!」


大声で叫んだ。


つづく・・・

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る