第181話 181.オールデス家の隠し玉

<ブライアン>


「ズドーーーン」


「ズドーーーン」


「ズドーーーン」


「ズドーーーン」


「ズドーーーン」


「ズドーーーン」


「ズドーーーン」


「ズドーーーン」

魔導士達が10秒間隔で言霊を紡ぎ魔力を注ぎ込んだ殲滅魔法が魔獣の群れに撃ち込まれてゆく。


あれから10分


首都ナルノアールの正門から雪崩れ込んでくる魔獣の群れと、オールデス家魔導士達が魔獣の群れに撃ち込む殲滅魔法が拮抗するも徐々に魔獣の死体の壁がこちらに侵攻してきている。


戦闘中の魔導士達から

「ブライアン様もう魔力が持ちません」

と悲痛な表情で弱音を吐いた言葉が上がって来る。


『流石に10分以上連続で殲滅魔法を撃ち続けるのは無理が有るか』


ブライアンは

「仕方がない!!魔導砲を使用する。貴重なオークの魔石を一個丸まま使用するが緊急事態だ全員魔導砲を構えよ!!1番から準備出来次第順次魔導砲発射!!」


ひと際大きな声で魔導士達に指示を出す。


魔導砲


オークの貴重な魔石をそのまま弾丸にしオールデス家ブライアンが開発した魔導銃から発射し敵に当たると直径20メートル四方に魔力爆発を起こす兵器


欠点は強力な魔獣オークを狩って取り出したオークの魔石一個丸まま魔導爆弾として使用してしまう事

オールデス家開発の魔導銃ならばオークの魔石一個で火球を50発は撃てる

それを一発の弾丸として発射するのは痛い


『オーク一体狩るのにどれ程苦労すると思ってるんだ』

ブライアンは心の中で悪態をつく



順次言霊を紡ぎ魔導砲の発射準備が整った魔導士が前に出て魔導砲を構え魔導砲を発射


「ヒューーーーーン」


っとオークの魔石が魔導砲から発射され風切り音を上げながら魔獣の群れに当たり


「ズドドドドドドドドドーーーーーン」


っと直径20メートルの範囲が一気に爆散

一気に200頭近くの魔獣が爆発に巻き込まれ爆散


「やったぜざまーみろ」

魔導砲を撃った魔導士は満面の笑顔でガッツポーズ


空かさずブライアンは


「次!!」


と間髪入れずに魔導士に指示を出す。

魔導砲を発射した魔導士と入れ替わりで後ろに並んでいた魔導士が前に出て、魔導砲を構え魔導砲を撃つ

「ヒューーーーーン」

風切り音を上げながらオークの魔石の弾丸が魔獣の群れに激突し

「ズドドドドドドドドドーーーーーン」

っと魔獣の群れを巻き込んで大爆発


「次!!」

ブライアンの指示と共に魔導士が入れ替わり

「ヒューーーーーン」

「ズドドドドドドドドドーーーーーン」


っと魔導砲によるオールデス家魔導士の侵入してくる魔獣の群れへの攻撃が続く

運が良かったのは解放された門の入り口が正門一つだけだった事


ただ魔獣の流入が激しくて首都ナルノアールの正門に近づく事が出来ずその場所での攻防がやっとの状態だった。


30分間近くもの攻防が続き・・・

「師団長、もうオークの魔石が有りません」

魔導士から唐突にそんな言葉がかけられたのは残弾残り10人程になってからだった。

誰もがオークの魔石をセットして1分も有れば言霊を紡ぎ砲撃準備が出来ると思っていたからに他ならない!!


「何でもっと早く言わないんだ!!」


ブライアンはは激怒し魔導士達を罵倒したが時間が無いと思い

「残弾の有る者は10メートル間隔で並び戦闘の者より魔導砲を発射、発射したら王城に走れ!!ほかの者は即時王城に退避せよ!!


空かさず魔導士に指示を出す。


「師団長!!」


残弾のある魔導士達が不安な声で声を上げる

「大丈夫だ俺が一緒に居る安心しろ。順次10メートル間隔で隊列を組んで一番前の者から魔導砲を発射し、発射したら王城に即時に走れ」


「「「ハイ!!」」」


残りの魔導士達は師団長のブライアンが一緒に残るというのでひとまず安心したみたいだ。


「ヒューーーーーン」

「ズドドドドドドドドドーーーーーン」


10メートル毎に直線に等間隔にならんだ魔導士の先頭から魔導砲が発射され20メートル範囲の魔獣が爆散してゆく。

魔導砲を発射した魔導士は一目散に王城に向かって走り去る。

そんな姿を見た次に控えていた魔導士が不安に震えながらでも魔導砲を撃つ

「ヒューーーーーン」

「ズドドドドドドドドドーーーーーン」


そしてその魔導砲を撃った魔導士も一目散に王城に向かって走り去る。

そして最後の魔導士が魔導砲を

「ヒューーーーーン」

「ズドドドドドドドドドーーーーーン」


っと撃って魔獣の群れが爆散した瞬間ブライアンが

「走れ~~!!」

っと大声で叫んだ瞬間に最後まで残っていた魔導士とブライアンは王城に向かって全速力で走りだした。


王城まで残り1.2キロ死のデットヒートが開始された。


つづく・・・

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