第179話 179.オールデス家長男ブライアン対首都ナルノアール正門を守る兵士

ノール渓谷を抜けると20キロ近くの青々と茂る小麦の穀倉地帯が広がっている。

その青々と茂る小麦の穀倉地帯の平原をノール渓谷を雪崩落ちて来た魔獣達が怒涛のように首都ナルノアールに向かって押し寄せている。


オールデス家長男ブライアンは本来ならば湖に逃れただろうアーネスト第一王女を捕獲したい所だが、運悪くノール渓谷から怒涛のように雪崩れ込んでくる魔獣を首都ナルノアールの正門を閉め首都ナルノアールの街の中に侵入させないようにする事が最優先


しかし、門を守る王国の兵士達は正門を閉めない決断をした

ブライアンは焦っていた。


今もノール渓谷を雪崩れ込んでくる魔獣の群れ

あれは数万という数じゃない!!

数十万?

もしかしたら数百万かもしれない。

もし首都ナルノアールの正門を閉めれたとしても首都ナルノアールに残したオールデス家の魔導士は全部で200人

ナストレーア王国兵士も首都ナルノアールの守りに500人が残っている位だ

だがオールデス家がクーデターを起こし王城を占拠した時点でナストレーア王国兵の援助は無理


このまま首都ナルノアールの正門がナストレーア王国兵により閉められなければ首都ナルノアールは確実に壊滅する!!


折角王城を乗っ取ったのにこのまま放棄する事は出来ない!!

苦渋の決断の結果100人の魔導士を王城に残し

王城から首都ナルノアールの正門までブライアンは残り100人の部下を引きつれながらひた走りる。

『2キロというほんの短い距離なのに何でこんなに長く感じるんだ!!』


そう悪態をつきながらも必死で首都ナルノアールの正門を目指す。


「シュッー」


「シュッー」


「シュッー」


「シュッー」


風切り音と共に

「うわー」

「ギャー」

「うううぅ」

「ぐはっ」


ブライアンの後ろを走っていた魔導士の悲鳴

後ろを振り向くと魔導士の心臓に矢が!!


「くそっこんな時に何故攻撃する反逆者め~~」


しかし


「お前こそ反逆者だろう!!」


お互いの言い分を言い合ってもどちらも正論?



「シュッー」


「シュッー」


「シュッー」


「シュッー」

間髪入れずに正門の上から弓矢が飛んでくる

「うっ」


「うっ」


「うっ」


「うっ」


4人のうめき声と共に魔導士の心臓を狙った一矢で魔導士4人が絶命する

ブライアンは

「全員家の陰に全員退避し此処に攻撃せよ」

そう言った瞬間オールデス家の魔導士は家と家との間の路地に飛び込んだ



そして魔導士達は


『大地に普く存在する不変の力よ


 わが求めに応じ、我を対価に


この魔導書に顕現したまえ


・・・・・・・・火球』



10秒間隔で言霊を紡ぎ火球の攻撃を開始する。


「ド---ン」


「ド---ン」


「ド---ン」


「ド---ン」


「ド---ン」


・・・


「ド---ン」

・・・

・・・

・・・


引っ切り無しに首都ナルノアールの正門に魔導士達の火球が衝突爆散するが分厚い石壁に阻まれて門の上から攻撃してくるナストレーア王国兵には当たらない。


高さ10メートルを超える首都ナルノアールを取り囲んだ石壁の所々に開いた攻撃用の穴からナストレーア王国兵は弓を射り直ぐに石壁の裏に隠れる


オールデス家の魔導士が数10秒間隔で火球を発射するのと同じように時間差で15人のナストレーア王国兵が正門の石壁の上から順次弓を射ってくる。


ナストレーア王国兵と.オールデス家の魔導士の攻防は平行線のまま時間だけが過ぎ去り・・・


首都ナルノアールの正門を守ってオールデス家の魔導士と戦闘に集中していたナストレーア王国兵が


「ぎゃーーー」

「助けてくれーー」

「ひゃーーーー」

「ぎゃーーー」

・・・・


雪崩れ込んで来る魔獣の大群に踏みつぶされ断末魔の悲鳴を上げた。

「くそ~~~間に合わなかったか~~魔導士達よ10人づづの組になり殲滅魔法を順次ぶち込め~」


オールデス家長男ブライアンは首都ナルノアールの正門を潜って押し寄せる魔獣の大群を目にして部下の魔導士達に指示を出す。


つづく・・・

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