第178話 178.首都ナルノアール・ギルド

<クラーク>


突然の鐘の音!!

そしてナストレーア王国アーネスト第一王女の

「オールデス家の反逆です!!皆の者オールデス家の魔導士は敵です!!ナストレーア王国を愛する者よ剣を取りなさい!!」


驚愕の叫び声

そしてこのナルノアールギルド本部から王城の爆音が聞こえ爆炎が王城に上がっているのが見える。


『ギルドは国には一切介入は出来ない。出来るのは魔獣退治くらいだ』


全てはナストレーア王国王家とオールデス家の問題

俺達は成り行きを見守るしかない!!


ナストレーア王国アーネスト第一王女の叫び声を聞きながら、そうクラークは自分に言い聞かギルド本部の建物から見えるナストレーア王国王家とオールデス家の成り行きを見守っていたのだが、突然に


「カンカンカンカン」

「カンカンカンカン」

「カンカンカンカン」

「カンカンカンカン」

「カンカンカンカン」


けたたましい鐘を叩く音が聞こえてきて


「魔獣だ!!物凄い魔獣の群れがノール渓谷を下って来るぞ~~~!!」


と兵士が叫ぶ声が聞こえて来た。

『此れはヤバいぞ!!』


ノール渓谷の方を見れば、ぞっとするほどの魔獣の群れが渓谷を転げ落ちてくるように渓谷を下りてきている。

それも正門を守る兵士は、オールデス家の反乱により制圧されている状況を解決する為に、正門を閉めない判断を下した!!


『あの魔獣がこの首都ナルノアールの正門から侵入してくれば確実に首都ナルノアールの街は壊滅する』


クソ!!

一番最悪のタイミングで魔獣が暴走してくるなんて!!

魔導士がしゃしゃり出て来るようになってから10年

ギルドにはもう昔のように権力は無い!!


ギルドが国から委託されてもらっていた委託金を、今は魔導士がその委託金を一括で貰い魔獣退治を行っている。

ギルドは、商品の物流、販売、販売権利、金融を管理する業務へとシフト、魔獣関係に関しては素材の買取、販売業務に特化してきた。


ギルドのメリットは魔獣の素材や肉の買取、商人からの素材の買取依頼を受けギルドで魔獣討伐素材回収依頼や薬草採集依頼を出し仲介を一手に扱いギルドカードでの支払いが出来る事。


なので魔獣退治は魔導士の役目となっているが最近、魔獣が強くなって魔獣退治も上手くいっていない。

これも全部魔導士のせいだ!!



全ギルドに緊急救援要請を出そうと首都ナルノアール・ギルドのギルド長クラークは通信の魔道具を起動し


「私はナストレーア王国首都ナルノアール・ギルドのギルド長クラークである。首都ナルノアールが空前絶後の魔獣の大スタンピードにより数十分後に首都ナルノアールに魔獣が押し寄せてくる。至急救援を請う」


全ギルドに救援要求はかけたが・・ノール渓谷を駆け下りて来る魔獣の群れがkの首都ナルノアール雪崩れ込んでくるまでに僅か数十分の余裕しかない!!


オールデス家の陰謀でナストレーア王国40万の王国軍を出兵させた間にオールデス家がクーデターを起こしたタイミングでのノール渓谷を雪崩落ちるような魔獣のスタンピード



各ギルドから応援が来るとしても最短で2日から3日はかかる・・・

10年前の国との繋がりが有った頃ならば少しは違ったかもしれないが・・・


『1時間を待たずに確実に首都ナルノアールは壊滅するだろう』

 

首都ナルノアール・ギルド長クラークは未だに止まる事の無いノール渓谷を雪崩落ちてくる魔獣のスタンピードを眺めながら数十分後に起こるであろう惨劇を想像するしかなかった。


魔獣の素材の調達依頼や魔獣の素材の買取部門だけの機能しか無いギルドの機能を考えればギルドとしてはどうしようもない事なのだ。


つづく・・・

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