第177話 177.オールデス家長男ブライアンの焦り
<オールデス家長男ブライアン>
此処までの計画は完璧だったのに!!
『最後の駒を取り逃がしたではないか!!まあ~この状況では何処にも逃げれない。何としても最後のピースは確保しなければ!!』
ブライアンは焦っていた
今まではリトリア王国のジャクソン家とは原初の魔導士の覇権を争って対立してきた。
13人居た原初の魔導士の弟子の中で、弟子達の頂点に立ち魔導士の国家を建国する事
それが何時の間にか、魔導士の弟子達の間で公然の目的になっていた。
一番最初に魔導士の国家を作り魔導士を束ねね
『原初の魔導士』
の名前を名実ともに継ぐ!!
1年前ジャクソン家の長男グラノラ・ジャクソンが突然に手紙を寄越して
『今までの原初の魔導士の弟子としての対立を終わりにしてこの世界を2人で2分しないか』
そんあ提案が有った。
最初は何を寝ぼけた事を!!
と思っていたのが・・
熱心に口解かれ
『ジャクソン家はリトリア王国を倒しジャクソン魔導王国を建国』
『オールデス家はナストレーア王国を倒しオールデス魔導王国を建国』
今までは絶対に無理だろうとさえ思えていたオールデス魔導王国の建国が夢でなくなる!!
そう思ったらもう自分の気持ちを抑える事は出来なかった。
タダ問題もある!!
王家を倒した場合、国民の理解を得るのは容易ではない!!
俺は前から気になっていたアーネスト第一王女
『アーネスト第一王女を嫁にしたい!!』
当然魔導士の俺なんかとは釣り合いが取れない事は解っていた
だから・・諦めていた・・
でも!!
今のナストレーア王国を倒す事が出来れば!!
『アーネスト第一王女をオールデス魔導王国の王妃に据える事で国民の反感は抑える事が出来る!!』
俺もそう思い
ジャクソン家の長男グラノラ・ジャクソンに
「魔導王国をクーデターを起こして建国しても国民の理解は得られない。だから互いに第一王女を捕らえて互いに王妃として据えないか?
グラノラはリトリア王国アリシャ・リトリア第一王女をオールデス魔導王国の王妃に
そして
俺はナストレーア王国アーネスト・ナストレーア第一王女をオールデス魔導王国王妃に据えれば国民も王族の血筋が引き継がれる為渋々でも認めざるを得なくなる」
そう提案したのだ!!
なのに!!
『アーネスト第一王女を逃してしまうとは!!何たる失態!!』
それにまだ13歳のオスカー第一王子とローランド第二王子が居る!!
必ず殺さなければ!!
まずはアーネスト第一王女を確保するのが先決だ!!
王城階下の湖に直行する為にブライアンはアーネスト第一王女の部屋を出た瞬間
「カンカンカンカン」
「カンカンカンカン」
「カンカンカンカン」
「カンカンカンカン」
「カンカンカンカン」
けたたましい鐘を叩く音が聞こえてき
「魔獣だ!!物凄い魔獣の群れがノール渓谷を下って来るぞ~~~!!」
門を守っている兵士が大声で叫びなから鐘をけたたましく打ち鳴らしている。
ノール渓谷を見ると滝の脇の斜面を物凄い数の魔獣が転げ降りるように首都ナルノアールの街の中央門目掛けて真っすぐに突っ込んできているのが見えた。
谷を埋め尽くす物凄い数の魔獣!!
王城から首都ナルノアールの正門までは直線で約2キロ
直ぐに走って行ける距離ではない!!
俺は王城の上から門を守る兵士に向かって
「門を直ぐに閉めろ!!魔獣を一歩も街の中に入れるな!!」
大きな声で力の限り叫んだが・・
「反逆者よ~よく聞け~~お前達にこの国を奪われるならば、この国ごと一緒に死ね~~~!!」
「何を血迷った事を言っている~~!!」
くぞ!!
奴らは本気なのか?
『この国諸共あの魔獣達を導き入れて心中するつもりなのか????』
よりによってこんな最悪な時に魔獣が襲ってくるんだ~~!!
俺は部下達に
「首都ナルノアールの正門を制圧して門を閉めるぞ!!付いてこい!!」
そう叫んで、部下数十人連れ首都ナルノアールの正門に向かって走り出した。
つづく・・・
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