第176話 176.アーネスト第一王女危機一髪

<アーネスト第一王女>

あの男だけは嫌!!

お父様に会いに来る時に何時も感じる体中を嘗め回すような嫌らしい視線

それだけで私はあ、あの男を見るだけで鳥肌が立っていた。


話しかけられても、表面は笑顔を作り何とか無難に対応出来てたけれど!!


『お前は俺の妻にしてやろう』


何!!それ!!

王女に生まれた私には自由はないのは解っている。

所詮私は


『政略結婚の道具』


だけど!!


オールデス家長の男だけは嫌!!

あの男・・

名前は?


確か・・


『ブライアン?』



私を娶る?


『最初から私が目的?』


王族でもない男

『ナストレーア王国を乗っ取ろうとする憎い奴』


そんな男の妻なんて絶対に!!


『嫌!!』



「貴方の妻になる位なら此処で死ぬわ」


私は拒否の気持ちを込めてドアの向こうに居る男に向かって叫んだ。


その瞬間侍女のチェルシーの体がビクッっと震えた


「あいつを油断させるはったりだから大丈夫よ」


私の腕の中で震えているチェルシーに小声でささやくと、少しは落ち着いて震えも小さくなったみたい。


そんな私達にオールデス家長男は

「気の強い女はそれはそれで良い物だな。そんな強気な事を言えるのも今の内だ。俺がいなければダメな体に直ぐに調教してやろう」


部屋の外で下品なブライアンの声が聞こえる


部屋の外で何か呪文のような言葉が?


『魔法の起動?』


瞬間


「ドーーーン」


っという大きな音と共に入り口のドアが吹き飛んで黒煙が前が見えないくらいに部屋の中に充満してしまう。

「こりゃ~やりすぎたな」

そう言いながら部屋に入って来る気配


「ドボーーーーン」



湖に何かが落ちる音と共に、湖に盛大な水しぶきが上がった。

「くそっ!!王女が湖に飛び込みやがった!!」


『まだこの城を掌握していないっていうのに、迂闊だった』

此処で今魔導士達に王女を探せと叫ぶわけにはいかないな!!



ブライアンは

「オーガス!!オーガスは居ないか!!王女が湖に飛び込んだ!!直ぐに湖を探せ!!」


そう言って湖へ王城を走り下りてゆく。



つづく・・・

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