第173話 173.ナストレーア王国の首都ナルノアールの朝

黒の森から流れて来るライアード川がリトリア王国とナストレーア王国の国境近くの広大な草原に流れ出てノーア山脈とデノアール山脈の間にある細長いノール渓谷を通った先にある周囲10キロのネイアー湖に滝となって流れ落ちている


ナストレーア王国の首都ナルノアールはそんな周囲10キロのネイアー湖の周りに発展した人口300万人の水都である。

綺麗な湖畔の街である事から夏の避暑地としても人気が高く切り立ったノーア山脈とデノアール山脈の山頂は万年雪が降り積もっており夏場のスキー客も多い。

そしてデノアール山脈からは鉄鉱石が産出される為に、鉄鋼の街としても有名だ。


鉄の産出と共に、鉄製の武器の製造も盛んでナストレーア王国はアトランテ大陸の中で実に半分の鉄製品の製造をナストレーア王国の首都ナルノアールで行っている。


そんなナストレーア王国の首都ナルノアールの中でもひと際目を引くのは峡谷を抜けた真正面に見えるネイアー湖の畔に立つ真っ白なシルエットを持つナルノアール城


朝日を受けて湖畔に映るナルノアール城はひと際映える

何時ものように時を知らせる協会の鐘の音が



「カラ~~ン」


っと時を告げる

何時もと変わりない朝

「お父様おはようございます」


透き通るような金色の長い髪を靡かせアンドリュー国王に挨拶をするアーネスト第一王女

「アーネストおはよう。昨晩は良く眠れたかい」


白い口ひげを撫でながら優しい言葉を掛ける壮年のアンドリュー国王

「貴方おはようございます。アーネストもおはよう。今日も静かですね。戦時の対応とは思えませんね」


30歳そこそこにしか見えないキャロライン王妃は朝日を反射して眩しい湖の湖面を見つめながら朝の挨拶をする。

アンドリュー国王は

「ブライアン魔導士師団長はリトリア王国の軍隊がナストレーア王国とリトリア王国の国境から100キロ程離れた場所で大規模な戦闘が有ったと言っていた。噂では殲滅魔法も何発撃ち込まれたらしいのだ。

こちらも動かざるを得なかったのだ」


アンドリュー国王達が話し合っていると侍女が着替えを持ってやってきてアンドリュー国王、キャロライン王妃、アーネスト第一王女其々に部屋再度戻り着替えをしていると・・


「ぐをぉーーブライアン貴様~~」

「ぎゃーーー」



ビックリしてドアを開けると

アンドリュー国王とキャロライン王妃が部屋の前で背中を切られ血みどろになり倒れているのが見えブライアン魔導士師団長が血みどろの剣を持ったままこちらに歩いて来る。


アーネスト第一王女は直ぐに部屋のドアを閉め、鍵を掛けた後、窓まで直ぐに走って行って窓から体を乗り出して瞬間に紐を引っ張って


「か~~ん」


「か~~ん」


「か~~ん」


っと非常事態の鐘を鳴らし

「オールデス家の反逆です!!皆の者オールデス家の魔導士は敵です!!ナストレーア王国を愛する者よ剣を取りなさい!!」


力の限りアーネストは窓から身を乗り出して叫んだ!!


つづく・・・

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