第172話 172.ナストレーア王国魔導士達の不幸

オールデス家デリアノ魔導士師団長はナストレーア王国軍の屍の上を進軍しながら


「前方に混乱が見えるジャクソン家の手の者かもしれん!!一時砲撃止め~~!!」


と10組の魔導士軍の砲撃を一時停止させた。


そして


「魔導士レジェド・ダラード殿~~魔導士レジェド・ダラードは居られぬか~~!!」


大きな声でデリアノ魔導士師団長は叫び、耳を澄ませる

その数舜後オールデス家魔導士軍は一気に魔獣の群れに飲み込まれ何が起こったのかも解らないままにその生涯を閉じた。


<真也>


リトリア王国とナストレーア王国の国境近の草原はもう直ぐ太陽が沈もうとしていて、辺り一面を夕日で赤く染めていた。


眼下に見える物で動いている物は、魔獣以外は見えない。

ナストレーア王国軍が野営していた駐屯地は人が居た気配すら解らない程魔獣で溢れかえっている。


人の声は1人としてせず、魔獣の咆哮と魔獣の駆ける足音だけが聞こえて来ている。


「終わったのかな?」

「凄いわね!!こんなに魔獣が集まるとは思っても居なかったわ」

「うんうん~凄く楽しかった~もう少し魔法を撃ち込んでやりたかったのに~これでもう終わりなの?」

麗香とアリシャ

2人それぞれの反応なんだけど・・・


『何か2人とも今日の作戦って魔獣狩りだと勘違いして無いか?』


「確かに凄い魔獣の数だな。あの区間に此れだけの魔獣が居たとは驚きだな」

「でも最後部はこの草原から溢れて入りきらなくて他に行きそうよ」

麗香は最後尾の魔獣を見てそんな事を心配してくれている

「そうだな!!もう少し中に押し込めてやろう、今日保険にと準備していた物も要らなかったから、それくらいは活躍してもらおう」


「真也何準備してたの?」

「保険って何?」


とアリシャと麗香が不思議そうに聞いて来て

クララは

俺に抱き着いて

「マスターあれを出すのですか?不味いんじゃ?」

って心配?

「大丈夫だろうタダの魔獣だし!!」


そう言って20体近くの体長10メートル以上ある黒の森のブラックタイガーを異次元空間作成で作った場所から排出


排出と同時に20体の体長10メートル以上あるブラックタイガーが一斉に後方であぶれ始めている魔獣の群れに突撃し手当たり次第に豪快に飲み込んでゆく。


「キャウゥーーー」

「キャウゥーーー」

「キャウゥーーー」

「キャウゥーーー」

「キャウゥーーー」

・・・


突然現れた20体の体長10メートル以上あるブラックタイガーに驚いた魔獣達が情けない鳴き声を上げながら再度暴走を開始


魔獣達は峡谷の奥に向かって再度移動を開始した。


「真也あんな魔獣を持ってきたの?」

「真也やり過ぎよ!!」

「流石マスター最後の一押しですね」


魔獣の再度の暴走に俺は排出した20体のブラックタイガーとその辺一帯にあぶれている魔獣1000体程を異次元空間に収納


「これでこの野営地に残ったナストレーア王国軍の残党は一掃出来るだろう」

「おなか空きましたわ。早く帰って食事にしましょう」

「真也今日は何を食べさせてくれるの?」

「ケーキ~~たべた~~い!!」


アリシャはケーキまだ入るのか?

「マスター私もケーキという物を食べてみたいです」

クララも?

「じゃ~ケーキ食べ放題行くか~」


そういう訳でまたまた今度は麗香、アリシャ、クララ、俺の4人で現代世界のケーキ店アストリエへ本日2回目となるケーキ食べ放題に出向くのであった。


つづく・・・

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