第132話 132.童貞消失?

<真也>


心を落ち着けて宇宙船の中に入るとクララは空中に表示させたデータをAI解析中

マスターとやらが居なくなった後の状況を俺から取得した情報と照らし合わせ今後どうなるかを予測中


何で解るかと言うと、俺?モノリスが作ったシステムだからな

俺の中でもまだモノリスの感情が暴れまわっているみたいでクララを見ていると、どうしても落ち着かない。


モノリス・ストレイアとはどんだけ天才科学者だったんだよ!!

今の記憶と情報を読み取り相違点をはじき出し不足している情報を書き込む

それも情報共有ってどんだけだよ!!


まさか・・・クララの情報をトレースする為・・だったとか?

それはそれで怖いぞ!!


『正真正銘モノリス・ストレイアはアンドロイドのクララに恋してクララの考えている事を監視してたって事』


うん・・そういや・・

『そうだった』

情けね~俺の中のモノリスの記憶が有るだけにモノリスの感情と共鳴してしまう。

『もっとこう・・人間に恋するとかしなかったのかよ』


あ~モノリスって10歳の時に同じ学校の隣の席に座っていたブレンダにこっ酷く振られたっけ~

あれはめちゃめちゃ辛かったな

あれからトラウマになって女性と話すのが苦手になったんだった

ってオイ!!


『モノリスの記憶が自分の記憶と混同して自分が体験した事みたいになってんじゃん』


あちゃ~これって超~不味いんじゃ?

モノリスの感情に俺の感情が侵食されてきてるんじゃ?

クララが俺をマスターと勘違いして、欠落部の知識を全部追加しちゃったからな・・

そりゃ~一人の脳にモノリスと俺とが同時に存在しているって感じ


『モノリスの感情に流されないようにしなきゃな!!』


クララは俺が疲れた表情をしているのを見てか(宇宙船のコピーで死にかけた)


「マスターお疲れのご様子ですが大丈夫ですか?」

と情報分析をしながらも気遣ってくれる


「あ~大丈夫、少し違う事をしてて疲れただけだから」

と安心させる為に、クララに笑顔で答える俺

「辛いようなら言ってくださいね」

そう言って情報を分析に戻るクララ


俺は分析結果が気になってクララに聞いてみた

「クララ地上はどんな感じに変わってるんだ?」

「1000年前と比べて普通の場所で3倍くらいに魔獣が強化及び進化しているみたいです。このままマスターの弟子達が『オーバードライブ』を使用し続けたら数年で現地の人間では対応出来なくなる可能性があります」

「アトランテ大陸南西部に位置する全長1000キロに及ぶリトリア王国は既に魔導士が居なくなったからこれ以上魔獣が狂暴化や進化はしないと思うぞ。今は残念ながらジャクソン家の奴が結構『オーバードライブ』を使ってたからリトリア王国の半分はもう魔獣の領域になってるな。まあ~俺達がリトリア王国内の魔獣はある程度駆逐する予定だから状況はよくなるだろう。しかし

アトランテ大陸南東部に位置する全長800キロのナストレーア王国

アトランテ大陸北東部に位置する全長1000キロのドストル帝国

アトランテ大陸北西部に位置する全長800キロのコートレート聖王国

この3か国は『オーバードライブ』の影響はどんどんと酷くなるだろうな」


「マスターはどうされるおつもりですか?」

「当面放置だな。自分達の『オーバードライブ』の乱用で自ら自分の首を絞めているんだ。報いを受けて当然だろ?ただ助けを求められれば助けには行くがな。

当面は新王都トリステインの街の建設に手が一杯の状態だ」

「そうですね。おバカなマスターの弟子の子孫が起こした事の当然の報いです。それが良いでしょう」


「クララもそう思うんだな。

ちょっと冷たい気もするけど、其の内魔獣被害で食糧危機に陥って他国に戦争を仕掛けて来る時に一気に叩いて、その時に魔獣退治してトリア王国に統一してやるさ」


「それがよろしいでしょう。黒の森周辺200キロに関してはほぼ予定通りの結果です。

この森に入って来ようとする人間は居ないでしょう」

「あ~黒の森の中はあの連中では、入った途端に魔獣の餌になるだろうな」

「はい。マスターの戦闘結果で確認済みです」


クララのほうもこのレイアント星の状況は概ね想定内

想定外なのはモノリスの弟子達のバカが遣らかしている事くらい

じゃ~後はクララに任せても問題ないな。


そう判断した俺は

「クララ俺そろそろ帰るな」

って声を掛けた途端にクララは後ろを振り返った途端に俺に飛びついて俺を抱き締めて

「マスター!マスター帰らないで!!私一人置いてかなkでください」

そういって・・・

大粒の涙を流しながら泣き出したクララ


『サイボーグなのに・・』


確かにその機能は作ったのはモノリス・・つまり俺って事になるのか?

俺とモノリスとクララの感情の入り混じった物?感情?

それがクララの感情を揺さぶった?



「マスターもう一人は嫌です。私を一人にしないで~~!!」

そのクララの言葉に俺の中にモノリスの感情が一気に弾けた


『ダメだ!!モノリス押さえろ!!』


『ダメだそれ以上やるんじゃね~~!!』


俺は必至でモノリスの感情を抑えたが・・

クララが大粒の涙を流しながら俺に


『キス』


して俺のくちびるを奪った事でモノリスが暴走・・・・



・・・・


・・・・


・・・・『自主規制』・・・・

2人はあんな事やこ~~んな事・・・



・・・・


・・・・



<数時間後>


あ・・ああ~~

やっちまった・・・


『モノリス我慢出来なかったのかよ!!』


俺の腕の中には幸せそうな表情で俺の顔を見上げる全裸のクララが俺を抱き締めている

1000年と201日ぶりに出会えた2人の感情はもう抑えきれなかった・・・


モノリスとクララの愛し合う力・・・・

俺は止める事さえ出来なかった。


クララは俺をマスターと認識してしまっていて、モノリスが休眠状態から目覚めて2000年の間毎日ずっとクララと続けて来た行為?

俺の中にはモノリスとクララが愛し合ってきたその行為が俺の頭の中に鮮明に残っている

1000年前突然連絡が途絶え、1000年ぶりに会えたんだ抑えられなくてもしょうがないのかもしれない・・

『現実の女性に手痛く振られ理想のロボットを作って裏切られないロボットに恋をしたモノリス・・』

人口細胞を使用した科学技術の粋を投入したアンドロイドのクララ

人の感情を持ってしまったクララをこうして抱き締めているとモノリスの気持ちも有る意味解らなくもない

クララがアンドロイドだって言われても誰も信じないだろう


でもどうするよ・・・

此処にクララを置いてはいけないって事は、連れて帰るって事で

俺のメイドって事にでもしとくか・・

うをぉ~揉めそうじゃん


取り合えず皆には、この関係は秘密・・にしてもらうようクララにお願いだな

だって誰にも手を出してないんだから

バレたら一気に乱交突入確定・・だな


俺達は互いに服を着せあって・・

そうクララはこの惑星にきてから裸族生活してたから服の着方が解らない

それにナスタルジア星では下着という物が無かったみたいだ・・



もう夜明け?

ヤバい!!

皆が起きてる!!


転移しようとするが転移出来ない

「クララ転移が此処は出来ないのか?」

「転移の魔法は此処では禁止事項で発動出来ません。

タダ私はキーの役割が有りますから、私と一緒なら転移出来ますよ」

「それなら、まずはカルデラの神殿の中へ転移してくれ」

「はいマスター畏まりました」

クララがそう言った瞬間に俺とクララは神殿の中に転移していた。


予想通り外はもう夜が明けている。

「帰るか。クララは俺のメイドという事でお願いな」

「はいマスター」


そうして俺達2人は王城の部屋に転移した。


つづく・・・

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