第121話 121.苦し紛れの新王都トリステイン構想ー出来ればボツに・・

<真也>


リトリア王国の重鎮が一斉に集まった良い機会だ!!

俺がトリステインの街に来た時に気が付いた事をヘンリー国王に聞いてみた。

エリザベス王妃の方が話が通りやすいんだけど・・

エリザベス王妃の視線がヤバいんだよ!!


『獰猛な肉食獣の目・・・』


まさか襲われる事は・・・無いと・・思いたい!!


なので影の薄いヘンリー国王に

「ヘンリー国王様、このトリステインの街に来て気が付いたのですけど、街に入った時、糞尿の匂いが結構気になります。トリステインには下水道は無いのっでしょうか?」


と聞いてみると

「下水道とは何なのだ?糞尿の匂いはこの街という事ではなくどこの街でも同じような状況だと思うぞ。「

う~ん下水道から説明しないとダメなのか・・・

という事で下水道の機能から説明した訳だが

「それは凄い事ではないか、直ぐに作ろう」

王妃も

「そんな良い物が有るのですか、直ぐに始めましょう」

って大乗り気!!

そしてアリシャが

「真也の世界は凄いの!!トイレが凄く綺麗で全然臭わないわ」

追い打ちをかける

それに追随するように後の5人も臭いの酷さを言い出した。


「出来れば、下水道設備を作りたいんですけど、もうリトリア王国の王都トリステインは都市として出来上がっていて、道路も狭いし下水道設備を整備、王都の都市の再開発をするには物凄い労力と時間がかかり過ぎます。

なので、現在の王都トリステインの街はトイレと水に関しては魔道具で対応を考えて居ます」

俺は王都トリステインの現状から下水道、上水道の設備をこの出来上がった都市に導入は厳しい事を伝える。


俺の話に早速食いついたのはノード財務相

「なんとトイレと上水道を魔道具で補うと言うのですか、流石に王都の200万戸以上の建物にトイレと上水道を魔道具で全て対応するとなると、一般市民では魔道具は買えないでしょう」

と正論をぶつけて来る

「いえ魔道具を売るつもりは有りませんよ。月々小銀貨3枚位の使用料を支払ってもらい使用してもらうんです。トイレと上水道で小銀貨6枚位はどうかと思うんですよね。


値段は幾らぐらいが適正か再度検討が必要かもしれません。


支払いはギルドカードを考えて居ます。

使用したい人はギルド登録してもらい、ギルドカードに引き落とし出来る位の金額を毎月入れて貰えばギルド側で自動的にその金額をギルドで引き落とししてもらう。

ギルドには処理料として月々の使用料の1割から2割を手数料として引いた残りを私のギルドカードに振り込むって感じにならないかなと考えていますが、ギルドと交渉して受けてくれないと生けませんが・・


魔道具は高価という事ですから、売買は禁止にすれば良いと思います。

値段とか金貨1万枚とかにしとけば売る人も居ないかもしれませんね」


ノード財務相さんもヘンリー国王もうんうんと頷いているし、

良い感じ?


騎士団の人と、兵士長達は『ハンドガン』を戦法に入れた場合を想定した戦術に夢中でこの話は蚊帳の外って感じだ


ノード財務相さんとエリザベス王妃は?


う~んと唸ってるな・・

何か不味い事言った?


沈黙を破ったのはエリザベス王妃

「では上水道と下水道を王都に引いて街を再開発はしないという事でしょうか?」

と残念そうに気いて来る。


えええええええええええええええええええ~?

上下水道今の王都に作るの~~~?

此処上下水道作って市開発するだけで何十年かかっちゃうよ?

それにどうやって家の中に上下水道繋ぎこむの?

どうすんだ~~

なんか凄い期待した目で俺を見てるんだけど!!

ど・・どうしよぉおおおお・・・


あ・・一応思いついた事でも言ってみるか!!

『口から出まかせとも言える・・』


「今のこの場所の再開発は無理です。そこでお願いなのですが王都トリステインの南40キロ範囲か王都トリステインの西40キロ範囲の土地を頂けないでしょうか?頂けるなら其処に一から上下水道を備えた新王都トリステインの街を作ろうと思います」


う~ん今思いついたばかりの行き当たりばったりの思いつきだからな~


『出来ればボツにして下さい!!』


俺としてはトイレと水道の魔道具を作る方法で逃げたいんだよな!!

だってさ~

新王都を1から旧王都の横に作るって本当に出来るのか?

俺そんな余裕なんて無いぞ?


俺が自由に動けるのは夏休みの間だけ!!

一か月で新王都を作るなんてぜ~~ったいに無理!!無理!!無理!!


『どうか新王都作成案がボツになりますように!!神様仏様地獄の魔王様』


つづく・・・

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