第113話 113.混乱の王城ー私にも治療魔法を

<アリシャ>


大広間でのジャクソン家魔導士達とリトリア王国兵士と騎士による攻防戦により多数の怪我人がでたけれど運良く死んだ人は居なかったのが不幸中の幸いだわ。


兎に角。この騒動を収めないと!!

「ジェード宰相!!ジェード宰相は居ませんか~」

私が大声で叫ぶと


「ひ・・姫様・・ジェードは此処に居ります」

と大怪我を負った怪我人の中で順番を待っていた。

相当に怪我を負って至る所から血が噴き出している


それなのに


他の人を優先して治療をさせているなんてジェードは律儀なんだから!!

重傷者が多くて真也も治療しているけれど、時間がかかっているみたい・・


私は真也の所に走り寄り


「真也、重傷者が多すぎるわ!!私に治療魔法コピーしてもらう事出来る?出来るなら私も治療に加わりたいの」


って治療している真也の顔を覗き込んでお願いしてみると

「お・・おおおおお・・で・・で・・出来るからちょ・・ちょうっとまってりょ」

って真也なんか変?出来ないのかな?


<真也サイド>

そんな真也の心は平常じゃ無かった。

治療しているよ急にアリシャが下から俺の顔を覗き込んで真剣な表情で

「真也、重傷者が多すぎるわ!!私に治療魔法コピーしてもらう事出来る?出来るなら私も治療に加わりたいの」

もう泣きそうな表情で懇願

うをぉ~~下からの上目使いのその表情

『毛茶滅茶反則だ~~~か・・可愛すぎろぞアリシャ!!』


お前みたいなこの世の中に居ないような美美美美美美美美美美美美美美少女にそんな表情されたら俺の心臓壊れて死んじまうぞ!!


『ドクン』


『ドクン』


『ドクン』


『ドクン』


うう・・

めちゃめちゃ心臓が痛い

な。。何・・話したら良いんんだ・・・

頭が真っ白でわかんね~~!!

誰か教えてくれ~~!!


真也はヘタレであった・・





<アリシャ>


真也は私に向き合って・・


私の両肩に手を置いて・・・


私の体を引き寄せて・・・


『キス・・』


し。。舌が・・少し・・入って来たんだけど・・気のせいですか?


「うをぉ」

「ひゃっ」

「え?」

・・・・

え・・皆の驚いてる声が・・

うわ~~皆見てる前で・・

恥ずかしい~~~~~~


そんな真也の・・


くちびるが・・


わたしのくちびるから離れて・・

「使い方は解るな?」

って一事

真也顔真っ赤!!

『照れてる?』


「解るわ!!私も頑張る!!」

私も恥ずかしいから

そう言って走り去ろうとしたけど


麗香が

「私の時は、手を握って付与したじゃない?不公平だ~~」

って駄々をこねだした!!

真也は真っ赤な顔で

「あ・・あれはまだ俺が初心者だったから・・で・・今は強力な魔法を直接送り込めるんだ。麗香もしてやるからこっちに来い」

って麗香にも


『キス!!』


麗香~~何自分から舌!!舌入れてんのよ~~!!

『わ・・私もしとくんだった!!く・・悔しい!!』

真也は麗香から離れ

「はぁ~~はぁ~~」

って何息切れしてんのよ!!

「麗香も治療ガンバレ」

って一言麗香に伝えて治療に戻る真也


私は早速ジェード宰相の所に走り寄り

「私が治療します。暫く我慢してね」

って治療魔法を発動


「ひ・・姫・・様・・魔導書は必要ないのです・・か?」

この世界では魔導書が無いと魔法は発動出来ないと思われてる

魔導士の弟子の仕業?

いえ・・原初の魔導士の弟子が馬鹿ばかりだったから、師匠は魔法の本質を教えなかっただけなんだ。

この世界では今は秘密にしておくべき事!!

『全てが解決した時話せば良い』


「魔導書はこの世界を亡ぼす有ってはならない物です。私の力は女神様に貰った力です」


ジェード宰相を治療しながらそう告げて、治療が終わると

「ジェード宰相、魔導士師団長グラノラが反逆を起こし王家の者を無きものにしてジャクソン家が国を乗っ取ろうとしました。

直ちにジャクソン家の者の捕縛を指示しなさい。ジャクソン家の者は一人として逃してはなりません。ジェードは大広間のこの場所でお父様とお母様を連れて帰るまで取り合えず今後の指揮を取りなさい。私は此処の怪我人の治療を済ませたらメイドと侍女、執事を連れてお父様達を迎えに行きます」


私に出来る事は少ない。

私は今度は料理長とメイド達を呼び出して炊き出しを指示

少しづつでも平常を取り戻さないと!!

そう思って次々に指示を出す。


つづく・・・

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